香りが送るサイン
今日いちにちを振り返ってみて,印象に残っている香りはどんな香りだろう..
淹れたての珈琲,紅茶,緑茶.
炊きたての御飯,お味噌汁,目玉焼き.
お弁当のおむすび、玉子焼きだったりするかな.
焼きたてのパン,バター,ジャム.
今日は燃えるゴミの日だったな.
駅のホームに吹いてくる風.
市街地のバス停で立ち込める空気.
朝の時間だけでも,それぞれのLifestyleでそれぞれの香りを感じている.
白湯に檸檬をお供してはじまる朝.
弾けるようなフレッシュな香りと,皮の苦みをほんのり感じつつ,少しだけきゅーッとなる酸っぱさにエネルギーが湧いてくる.
この白湯をそそぐ音に耳を澄まし,そして飲む時間は,わたしにとってある種,瞑想のようなものかもしれない.
毎日お供すると,その時その時の檸檬の香りの違いにも気づいてくる.
まさに嗅ぎトレ,嗅覚のトレーニングにもなっているのだ.
白湯にはまあまあのこだわりがあるのだけど,これはまたの機会に.
時を香りに戻そう.#時を戻そう #ぺこぱ
普段わたし達が感じている香りに目を向けてみたい.
ふわぁ〜っと,なんだか香ばしくてイイ匂いがしてきた.
もうこれだけでご飯が食べれるんじゃないかというくらい食欲をそそられる.
お料理が目の前に現れた瞬間のよろこびといったら! それはそれはもう嬉しさが弾んでしょうがないのです.
さっき感じた香りとともに美味しさがわ〜ッと口の中で広がって,前のめりに食がすすむすすむ.
食事の時間はとても豊かで楽しいひととき.
では香りを感じられなかったらどうだろう..
今でも記憶に残っているのが,小学生の頃,土曜の午前授業(なぜだか牛乳だけ飲んで下校)で帰ったら,お昼ごはんはウキウキの焼きそば! #土曜あるある
けれど全然味が分からない..
実はその日は朝から鼻炎でわたしの鼻は混雑状態,体調もふるわず,その後体温計ではかったら,高熱が.
風邪の時に食べ物の味がしないという経験は多くの人があるのでは.
生きていくうえで欠かすことのできない食.
このように美味しさを感じて豊かで楽しい時間を過ごせるからこそ「食べる」ことを続けることができるけれど,
味もわからず美味しさを感じることができないとしたら,食べることが続けられないかもしれない.
また,お料理するとき,忘れかけていた食材や食べものをみつけたとき,まだ食べれるかなー..といった具合でいったん鼻で確かめてみたりする.
腐ってるかも..と思われるような香りがしたら,条件反射的に渋い顔になったり,鼻から遠ざけたり,鼻をつまんだり,そして思い止まる.
香りがなければ,腐ったものを食べてしまうかもしれない..
焦げ臭いような,燃えてるような匂い,わからなかったら..
ガス漏れに気づかなかったら..
本来ガスは無臭.ガス漏れにすぐ気がつくようにと,匂いがつけられている.
香りはサインとなり危険から身を守ってくれているともいえる.
春の芽吹きを感じるような香りが印象的なこの頃,香りが季節の移ろいを感じさせてくれる.
新緑の香りに夏の訪れを,金木犀の香りがすると秋のはじまりを感じ,柚子の香りに近づく冬.
海の潮風,山,森の木々..
四季折々の自然の香りが風とともにやってくると,なんとも満たされた気持ちになり,疲れも一緒に飛ばしてくれる.
香りによって心地よさを感じたり,違和感を覚えることもある.
香りは私たちの心,情動,感情を動かしているということ.
心とからだはつながっている.
心が整うとからだも整う,心が喜ぶとからだも喜ぶ.
そして香りを嗅ぐという行為は呼吸とともに行っている.
心地よい香りは呼吸を整えていくこともつながる.
スーッとひと息,深呼吸.
香りはいつも側で私たちが生きていくために大切なことを知らせてくれている.
そしてよろこびの密度を高めてくれるのである.