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KAORIUMはなぜ生まれたのか

セントマティックが手がける「 KAORIUM (カオリウム)」は、世の中に存在する様々な香りを「感性言葉」に変換すると同時に、言葉から香りを選び出すことができるAIシステムです。現在、KAORIUMを使って進行するプロジェクトは、日本酒やフレグランス、スポーツ分野など多岐に渡っています。今日は、セントマティックが「香り」をビジネスとした理由や、これまでのKAORIUMの開発経緯を遡ってご紹介します。

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なぜ「香り」だったのか

サービスには人の手間を無くす、もしくは削減するものと、プラスαの価値をつくるものが存在しています。セントマティックでは、この後者である人の生活を豊かにすることにサービスの重きを置いています。

大手通信会社にて音声認識AIサービスなどのサービス企画に携わってきた現セントマティック CEO栗栖俊治は、起業当時、自身のAIの知見を、人の生活を豊かにするサービスにつかえないかと考えていました。前職でアメリカに駐在中、栗栖はシャンプーや柔軟剤など香りある日用品は日本から持ち込んで使用するなど、香りが日常に溶け込んでおり、この時から香りが生活に与える効果などを身近に感じていました。

また、香りの市場価値という点にも目を向けてみると、その可能性の広さを感じます。例えば、香りのプロダクトと言われて、みなさんが思い浮かべるのはどんなものがあるでしょうか。柔軟剤などはドラッグストアにいくと様々な香りの商品が並んでいますよね。しかし、実は日本においては、2008年頃までは消臭・脱臭など、香りを「消す」ことに特化した商品が人気であるなど、香りプロダクトの日本市場規模は小さく、グローバル市場からみて日本市場は「砂漠地帯」と表現されることもありました。そんな中、2008年頃に海外製の香り柔軟剤が若者に爆発的な人気を得たことや、生活雑貨メーカーから発売されたアロマディフューザーが大ヒットしたことをきっかけに、消費者の香り製品に対する興味関心が高まり過去10年間で1000億円以上も市場が拡大、現在も成長を続けています。
 
こうした自身の体験に加え、香りの市場への可能性を感じ「香り」とAIを組み合わせた事業の開発に踏み切りました。

プロジェクトメンバーはあえての「香り」のプロではない人たちで構成

実は、プロジェクトの初期メンバーにはあえて香りのプロをアサインせずにスタートしました。これは専門家の知見からくる香りの課題解決ではなく、消費者に近い目線で「欲しい」と感じるものを追っていくスタイルを大事にしたかったからです。一消費者として香りの面白さやこういうのがあったらいいよね、という要件が出てきてから有識者の方に力を貸して頂くスタイルは現在のセントマティックのプロジェクトにおいても変わっていません。

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香りと言葉を相互に変換するKAORIUMの開発時にもこのスタイルは同様でした。まず、香りを言語化できたら面白い!という発想からプロジェクトは始動。実際にプロトタイプができてから、このシステムをどのように生かしていくかという検討が行われていきました。しかし、プロトタイプが出来上がった際に香りを言葉にしただけではそこで終わってしまい、価値ある体験へと昇華させていくことの難易度の高さがありました。自分の感性と言葉が繋がった体験を生むことができるまでメンバーでのアジャイル的な取り組みを何度も実施し、現在のKAORIUMがつくられてきました。

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香りの分野では、今日までに多くの取り組みが行われてきましたが、どれもマーケットニーズがついてくることが難しかったことも市場が今まで未開拓であった要因の一つと考えています。セントマティックでは、その土壌からつくっていくことが重要と考え、実際に様々な体験ができるプロジェクトを進行しています。これもメンバーが面白いと思ったものをまずはつくっていき、そこからビジネスモデルを検討していくという独自のスタイルだからこそ、多種多様な方向性で KAORIUMは活かされており、多くの企業様とのプロジェクトを実現することができています。

香りには生活の質を高める
そして、愉しみ方にはもっと可能性がある

セントマティックは、ポジティブなものが溢れる世の中に、「香り」から生活をより豊かにするアプローチを行っております。個人の好みが多様であるからこそ、自分らしさも出やすいのが香りの魅力でもあります。そこには正解はなく、愉しさの幅がそれぞれ連鎖的に広がっていく可能性を感じます。

まずは、日本酒・フレグランスの取り組みからみなさまの日常へ。我々セントマティックは「世界にあふれる香りを日々の豊かさとして感じられる未来」をビジョンに様々なプロジェクトを推進しています。


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