南半球の雪山から:ニュージーランドでの学び
こんにちは。稲村 樹です。
まだ暑さが続いている時期ですが、8月に入ると、自分にとっては次のシーズンが始まったような気分になります。冬が近づく喜びと共に、カレンダーを眺めると3月末までスケジュールが埋まっていることに一抹の不安を覚える日々です。そんな中、お盆を過ぎてからニュージーランドのカードローナへ行ってきました。目的は、8月末に行われたニュージーランドのワールドカップに、代表チームが参加するためのサポートでした。
現在、自分はスノーボード・スロープスタイル/ビッグエアの日本代表チームのスタッフを務めています。このチームにスタッフとして携わってから、もう6年目?7年目?となり、振り返ると随分と時間が経ったんだなと感じます。
ニュージーランドではスキー・スノーボードが非常に人気があり、リフト券は毎日売り切れ状態です。多くの人がオンラインで事前に購入するため、すでにその日のリフト券が売り切れていることがアナウンスされることもしばしばです。日本に比べてスキー場の数が少ないことも影響しているのでしょうが、これほど多くの人が訪れるため、施設は毎年綺麗に改装され、訪れるたびに感心させられます。ハード面だけでなく、ソフト面でも学ぶことが多いと感じています。
肝心のワールドカップですが、公開練習の2日目から悪天候が続き、予選の順位が最終結果となりました。決勝は連日延期され、最終的には中止となりました。悪天候時の判断は、大会をオーガナイズする立場として非常に難しいものです。もし自分が同じ立場に立ったなら、どのような判断を下すのかと考えさせられることが多々あります。そんなリスクを抱えつつも、毎年ライダーたちの活躍の場を用意してくれるオーガナイザーの皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。
日本人選手の結果としては、COWDAY SLOPEにも参加してくれた村瀬 心椛選手が優勝し、木村 葵来選手が日本人男子最高位の5位となりました。他にも、COWDAY SLOPEで優勝した宮村 結斗選手も参戦しましたが、ジブセクションでのミスが響き、望んだ結果を得ることはできませんでした。
ワールドカップのサポートをしながら、中断している時間が長かったこともあり、ジャッジシステム、ライブ配信システムにも注目していました。現在、日本国内の大会では、コース内に設置されたカメラ映像を無線でジャッジテント内のモニターに映し出す「モニタージャッジシステム」を採用しています。このシステムは、以前ニュージーランドの大会で見つけ、それを参考にして日本国内の大会でも採用したものです。今回の大会でも同様のシステムが使用されていましたが、以前よりも強力な機材が使われており、安定性が向上していました。大会のスタッフに話を聞くと、機材に関する情報やウェブページまで親切に教えてくれるなど、その親切さには驚きました。
また、無線だけでは不安定なため、有線での接続も行われていましたが、有線が雪の中へと消えている部分がありました。それは地中に配線を埋めているとのことでした。
ニュージーランドの中継は以前よりも安定しており、このような工夫が行われていることに大変勉強になりました。これも全て日本に持ち帰りたいと思います(笑)。
視点を変えるだけで、得られるものが大きく変わります。
もっと経験を積み、学んでいく必要があると感じています。
そんなわけで、昨日帰国しました。
8月もあっという間に過ぎ去りました。このイベントチームは9月から11月下旬にかけて、大きな山場を迎えます。月末には発表されるであろうイベントに向けて、全力で走り抜けたいと思います。
またねー
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