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記録撮影(ビデオ)にカメラマンの意思は不要
ヨドバシカメラで手ブレ補正バッチリのビデオカメラを購入して、子どもの発表会を記録撮影。ぶん回しても手ブレ補正が効いてる! ブレない! 買ってよかった!
いや違う。
記録撮影するなら高いビデオカメラではなく高い三脚を買ったほうがいい。どのビデオカメラでもある程度いい画質の映像は撮れるが、三脚選びを失敗すればその動画はクソになる。
三脚は、軽すぎると近くを歩いただけで振動するし、カメラワークをしようと思ったときにカクついてしまう。
そもそも最も見やすい映像というのは三脚固定のfixの絵なのだ。わたしが外注カメラマンに記録撮影をご依頼するときも大抵fixで撮るようにお願いしている。手持ちは厳禁、三脚で。そしてカメラワークは必要最小限に。
カメラが右に左に動くことをパンするといい、上に下に動くことをチルトという。ステージ上の演者を上手から下手に全員撮ったりするときにパンするし、背の高い建物全体を撮るときにチルトしたりもする。
そして寄りから引きに、引きから寄りにサイズを変えていくことをズーム。fixがベストとは書いたが、場合によってはパンやチルト、ズームを使って撮影することもある。
業務用のビデオカメラにはズームリングが付いていて、ゆっくり滑らかにズームすることができる。いきなりビュン! と画角を変えることは記録撮影では必要ない。滑らかに動かさないと死ぬ覚悟でズームリングをゆっくり回すのである。
もちろんサプライズイベントなんかがあって、急に特別ゲストが会場入り! みたいなシーンが出た場合には急いでカメラを入口に振らなきゃいけないから、その辺りは臨機応変にしたいが、基本は見やすい撮り方を意識する。
そして、パンとチルトをゆっくり滑らかに操作するのが三脚の仕事なのである。この時点で既にビデオカメラより仕事が多い。三脚の重要さをお分かりいただけただろうか。
Amazonで買った3,000円の三脚では滑らかにパンすることができない。動かすときにカクッとなる。必ずなる。一瞬でもそうなってしまえば、それはもはやプロのカメラマンとは言えない。一度でもカクッとなった時点でその日1日の映像全てがアマチュアカメラマンの絵になる。
表題にカメラマンの意思と書いたが、カメラをパンしたりチルトしたりズームしたりカメラをどのように操作するかというのはカメラマンの意思なのだ。
反面、記録撮影を実施するイベントやライブや発表会や結婚式といったものは、イベント運営の方だったり参加者だったりアーティストだったり子どもたちだったり新郎新婦のお2人だったりが主役のものである。意思はその主役の人たちに必要なのであって、カメラマンには必要ない。
主役の方たちが企画した世界を、ただそのまま撮るということが大切、というかそういう仕事が記録撮影なのである。
発表会の話から、仕事の話に華麗にシフトしていることにお気付きだろうか。華麗ではないね、ブレてるだけだね、というお声は真摯に受け止めます。わたしはカメラはブレないけど文章はよくブレます。ただ、言いたいことはこれだけ。
マジで変なカメラワークとか記録撮影には不要。
いろんなものを撮りたいからくるくるくるビデオカメラを動かしながらあれもこれも撮影したい気持ちはわからなくもないが、
そうであれば、まずこの位置から10秒、次にあの位置に置いて10秒、今度はあっちから10秒。ゆっくり固定で動かさずに撮ればいいだけ。それを順番に繰り返していく。ここを意識すれば格段に見やすい記録撮影ができるのではないかと思います。
そしてもう一点、イベントや結婚式などは取り返しのつかないシーンの連続であることが多い。撮り逃した、RECが回ってなかった! ということが絶対に許されない時間でもある。
目の前のことをただ撮るだけでいいのだが、目の前のことをただ撮れないカメラマンも多くいるのも現状。
また、バッテリーが急に落ちた、手が当たってRECボタンを誤操作してしまった、などの機材トラブルが起こらないとも言えない。
それらを回避するために、もう1台のバックアップカメラ(家庭用の安いやつで問題なし)を予備で回しておくことが重要である。
メインカメラの隣にずっと回しっぱなしで立てておくとか、カメラの上に固定してくっつけておくとか、とにかく回しっぱなしで一切触らない予備カメラを作っておく。
記録撮影に於いてもう少し細かい話をしていくと、そもそもどの位置にメインカメラを置けばいいのかとか、音響卓からラインをもらってキャノンで音を入れたいとか色々あるのだが、それはまた機会があれば書きたいと思う。
・意思を持っていかない
・予備機を持っていく
基本的にはこの2点で記録撮影は誰でもできるようになる。