ゲームの制作日記①
僕には手と足がありません。
と言っても、生まれつきあるものもないので、別に痛くもかゆくもないんですけど。
僕には見る世界もありません。
皆が「目」と呼ぶものを大きく開いて、僕の「まつ毛」というものが、上下にガサガサと動く音が聞こえる。それだけで、見えるものはない。
あ、と言っても僕は死んでしまいたいくらい困っているワケじゃないんだけど。
そうそう。僕はどうやら、どこかの小国の王子様らしいんです。
もう今は滅んでしまった小国の、王族の血を継ぐ最後の者。と、言われても僕には王子だった頃の記憶はありません。正直実感がないんですが……。
僕の世話をするメイドは、僕の事をよく「美しい王子」だと褒めます。
ふうふう、と熱く湿った息を吐いて、ウザいくらい僕の容姿を褒めます。
「貴方の父君と母君は、素晴らしいお方でございました。馬車でお逃げになられる際、敵兵に見つかってしまったお二人はせめて貴方様だけでもと、死ぬまで守り切ったのですから」
……なんて、このメイドは敵国に仕える身であるのに。
馬鹿みたい。そんなことに命をかけても僕は赤ん坊だったんだから、両親なんてモノの記憶なんてないのに。
貧困と疫病。王族同士の裏切りにギロチンの落としあい。毎週のよう垂らされる広場の血だまり。なんでも、それらすべてに終止符を打ち、国を明るい方向に導いたのが、僕の両親である……んだとか。
導いたくせに滅んでるんじゃ、意味ないじゃないか。
幼稚な僕は冷たく尖った言葉を両親に投げつけたくなるけれど、彼女は僕の両親のことを、敵ながらに尊敬していたそうなんです。
だから、彼女は「様」とつける必要のなくなった僕の名前を、「シュテルネ様」と呼びます。これ以上ないってくらい彼女は僕に敬意をはらい、触れてはいけないもののように大切に扱う。
僕が生まれつきこの体で、おまけに高い塔のてっぺんにある埃臭い小部屋で、生きた時からずっとこの国の王に幽閉されていたとしても、幸せだと思えるのはきっと彼女のおかげ。
彼女にとって僕は、非力で生意気なただの捕虜のはずなんですがね。
…みたいな小説を、5~6年前に書きました。
自分で書いてて、な・懐かし~!!!!!! という気分。
セイブ・ザ・キャットの法則とか、いわゆる脚本論とか、他人にどう見られるかとかを全く気にせずに書いた、本当に趣味で生まれた小説。
そういうのって読み返すの大好きなんだけど、思い出すのが、これを学科の発表会で読まなくちゃいけなくなった時。
それまで、わいわい騒いでいた先輩たちが一斉に静まっちゃって、質疑応答の時に、私の時だけ全員無言だったっていうね(笑)
そんなにショックな作品だったかな~?? と当時の私も思ったけど。
私は大好きなこの作品。せっかくなので、
この作品ノベルゲームにすることにしました!
イエーイ! ドンドンパフパフ~!!!
ジャンル:ミステリー/ホラー ノベルゲーム
プレイ時間:30分
概要:
主人公は目も見えず、手足のない少年。
彼は捕虜として優しいメイドと共に、塔に幽閉されていたが。ある時、彼が起こした失敗が原因でメイドを怒らせてしまう。
少年はメイドがいないと死んでしまうため、「どうにかして許してもらおう!」とするが、実はメイドには秘密があって……。
ざっくり言うと、こんな感じもの☻
主人公には視界が分からないから、せっかくならプレイヤーにも全てを疑ってもらえるような作品にしたいなと思います。
それと、全体的にお耽美な雰囲気にしたいので……絵画の知識をいれたりだとか、カラヴァッジョとかラ・トゥールを彷彿とさせるものを作りたいなぁ(願望)
まぁ、初めて作るモノだし、お試しで短い作品を想定していますが、いつかゲーム実況者さんやVチューバーの方に実況していただけるような面白い作品を作りたい!!!
けど、オリジナルゲーム作りたい。そう決めてから一年半……。
な~~~んもしてこなかった。ずっとウマ娘してた私…。
そんな自分をいい加減叱りたい!
そんな気持ちをこめて、あえてここに宣言します。
今年中に、オリジナルゲーム完成させるぞ!
実況してもらえるような、面白いものつくるぞ!
……はい。
というわけで、このゲーム気になるよ~というお優しい方は、いいね♡をお願いします。
♡の数が多いければ多いほど、私は逃げられなくなるので(ドMかな?)
頑張るわよ~ん( ;∀;)!