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脳が満ち足りる

脳が満ち足りた、という言葉。
という言葉を思い出すたびに海岸線を突っ切るように煮え切らない笑顔を見せたショーケースに映り込む知らない顔を思い出す。

煮え切らない笑顔、という比喩。
という比喩をするたびに僕はひとり、吉野家のカウンターの隅にこびりついた紅しょうがを見て「赤」を心の中に宿す。

バカだなあ。
バカは繰り返す。それはひとえに甲子園のように。
また次の夏が来る。
センバツでも良いなら春だって構わないはず。

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