半チャーハン文學①
慎ましげに立ち尽くすあなただけを見つめてた。
きっとあなたの横には誰よりも燦然と輝く主役がいた。いたことを何となく覚えてる。誰もが何となくというわけではなく誰もが煌びやかに覚えている。その煌びやかさに押し負けぬあなただけを確かに僕は見ていた。僕は見ていた。
「半チャーハン」
僕はいてもたってもいられなくなって謙虚さを代弁する為に枕に付けられた『半』を検索した。
僕は大きく頷いた。
でも僕はたまらなくなってスクロールした。
僕はさめざめと泣いた。あなたに付けられた『半』は謙虚さや慎ましさではなく、これから未来に続く終わらない旅に向かって走り出すような気持ちだった。
朝日が呼んでいる。いや夕闇も呼んでいる気がする。
スプーンに反射したあなたが少し笑って見えた。