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卒業制作終わったけどどうだった? 2021 〜学生インタビュー 小林ゼミ編〜
2021年度の卒業・修了制作展から早くも1ヶ月が経ちました。
各ゼミの皆さんに卒業制作を振り返ってもらってインタビュー!
葛藤やこだわりなど、掘り下げてお聞きしました。
今回は小林ゼミです!
『 cityalbum 』 ゼミ長 ナオコさん
1年間のゼミを振り返ってみて一言お願いします
物静かながら、自分の考えややりたいことを確かに持っている方が多かったように思います。
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自身の作品の解説をお願いします
実家のある広島市中心市街における戦前の様子について、生活者の目線で記録・表現した作品を制作しました。
原爆投下により、この街の風景には過去の生活の痕跡がほとんど残されていません。
歴史の記録には決して残らない、この街で生きた誰かの記憶を保存し 目に見える形で共有したかったためです。
広島にお住いの90代の男女3名から直接収集した証言と、それらをもとに25点ほどイラストを制作しました。加えて、イラストの舞台となった街 半径1.5キロ圏内の詳細な地図を制作しました。
どのような制作スケジュールで進めていきましたか?
6月頃・・・就活を終えたのを機に広島へ帰省し、とにかくFWや勉強会などに参加していました。自分の気持ちの整理をする必要もあり、制作の準備体操をしていた感じです。
8月頃~・・本格的に制作をスタートさせました。証言、資料収集とイラスト制作は常に並行して行っていました。
11月頃・・・製本準備(紙や製本所の選定)
12月頃・・・製本完了
制作費用はいくらですか?
8万円
大変だったところはなんですか?
制作に没頭しすぎたため12月頃まで展示の構想・準備を全くしておらず、最後まで苦労しました。
私の部屋ではありませんが、展示作業中に人間関係のトラブルに見舞われた友人がいました。話を聞く限り陰湿でさもしく、不愉快でした。無かったことにされるのは癪なのでここに書いておきます。
制作においてこだわった点はどこですか?
直接収集した証言にこだわりました。エピソードだけでなく、証言者自身から感じた印象を作品に反映させたかったためです。
やってよかったところはありますか?
全てです。
制作過程全てに意味があり、私の考え方に影響を与えたと思います。
次の4年生に一言お願いします!
無理に頑張らなくても、失敗しても良いと思います!後悔せず過ごせますように。
@1202chita
制作過程の日記として使用していた、ツイッターアカウントです。
『 Existenz 』 岡山ひかりさん
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自身の作品の解説をお願いします
120×70mmのカード22枚のイラストレーションです。ユング心理学を踏まえて、記号・象徴を通して個人的な問題の発見、解決を目指す為の装置として制作しました。タロットカードの図像を限りなく抽象化したイラストで、誰もがフラットな気持ちで自分自身と対話できるように目指しました。
どのような制作スケジュールで進めていきましたか?
最初は全く異なる形態のものを作ろうとしていたため、本格的に手を動かして制作を始めたのは11月頭くらいで、他の学生と比べてかなり遅い方だったと思います。冬休み中に追い込んで制作し、出力も講評ぎりぎりでした。武蔵美内の世界堂は当然混み合いますので、できる限り12月までには出力するのをお勧めします。
制作費用はいくらですか?
紙代、印刷代等で2万円弱くらいだったと思います。
大変だったところはなんですか?
「死の意味」「生きる意味」という、一年で考えるにはあまりに大きすぎるテーマに取り組んできたので、考えをまとめて出力するまでにとても時間がかかりました。
制作においてこだわった点はどこですか?
円や直線など、すべての部分をツールを使わず手で書くことにこだわりました。手の震えでできた歪みや掠れが、絶えず揺れ動く心理を表現しています。
やってよかったところはありますか?
何度も書き直しながら一本の線を洗練させていく作業は、瞑想にも似た心地よさがありました。作品本来のテーマとは別に、作品を手で作ることそのものが、私自身の実存を巡るヒントとなったかなと思います。
次の4年生に一言お願いします!
実際にモノを作っていない時間、悩んでいる時間も、結果的には作品をつくり上げるために必要な時間だったと感じています。時間をかけて考え抜くことに付き合ってくれる先生や仲間がいるところが基礎デの良いところだと思いますので、焦らずご自身のテーマとじっくり向き合ってみてください。
『 桃色の模様 』 影山さん
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自身の作品の解説をお願いします
自分自身が患っているアトピー性皮膚炎をモチーフに刺繍をしました。普段はアトピーのことを気持ち悪いし汚いって思ってたけど、ある日「ピンク色で変な形で可愛いかも」と思ったのが作品を作ろうと思ったきっかけです。自分の身体に見せたくない場所があるのは自然なことだけど、恥ずかしいものだから隠さなきゃいけない。とは誰にも思ってほしくないと考えています。
どのような制作スケジュールで進めていきましたか?
刺繍で作品を作りたいとは考えていたので、夏休みまでは表現方法を探したり練習したりしていました。休みが明けてやりたいテーマが決まったので提出日まで地道に作業していました。
制作費用はいくらですか?
2~3万くらい。作品が小さいので……
大変だったところはなんですか?
やりたいテーマを見つけるまでは、これじゃないな~と思いながらずっとモヤモヤしてました。
制作においてこだわった点はどこですか?
あくまでも自分が「いいな」と思った感覚に忠実になること。
やってよかったところはありますか?
自分が持っている考えを長い時間をかけて、作品制作を通して言語化できたこと。
次の4年生に一言お願いします!
卒業制作に相応しいものを、とか自分が本当にやりたいこと……とか、重く考えずに興味を持ち続けられるテーマを選んだら良いと思います。
小林ゼミの皆さん、ありがとうございました!
卒展前に小林教授にインタビューした記事はこちら↓
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