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「個性的な音」に悩んでる人たちへ。

こんにちは、スキャット後藤です。フリーランスの作曲家です。

「唯一無二な音ですね」「個性的な音ですね」「音の使い方が面白いですね」とよく言われます。自分でもよくそう思います。音楽を世に出す時に、自分らしい音になってるかどうかはすごく気にしますし、すごくこだわってるポイントです。でもほんとは、僕の場合、音楽の基本が身についてないから、普通につくるだけで普通じゃない音になります。みんなが学んでる「普通はこういう作り方をする」を知らないのですから。なので、どこがセオリー外なのかも正直よくわかってません。

「僕のは音に個性がないから困ってます」みたいな相談が来ます。仕事が増えなくて困ってるそうです。僕はよく「個性が大事」と言います。実はこの時「個性とは何か」を定義して話さないので、ただしく伝わってないこと、百も承知です。個性ってなんなんでしょ??


個性的な音というと、奇抜な音と捉える人もいます。気を衒った音とか。もちろんそういうアプローチもあると思いますが、僕が思うに、仕事が増える個性的な音って、世の中にとっての新鮮さだと思ってます。新鮮に聞こえる音楽が世に出てきて、それがヒットして、いろんな人がマネて似たような音が溢れると、それが当たり前になります。最初は新鮮で目立ってた音もそうでなくなります。定番になります。そして、また「新鮮さ」を求める人たちが出てきます。

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