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そんなこと続けてたら、自分のクリエイティブ死ぬと思いました。

こんにちは、スキャット後藤です。フリーランスの作曲家です。

前回のnoteで、「新鮮さを取り戻すために何かチャレンジできることを探す」的なことを書いて、そのあと、ちょっとその事について考えてました。

なんとなくふと思い出したんですが、20代前半とか30歳前後くらいに、かなり映画を見てた時期があるんです。1日に3本とか5本とか、新宿とか渋谷のTSUTAYAで気になったものを大量に借りてきて休みの日に一気見するみたいな。

20代の頃は何見てたのかあんまり覚えてないけど、30歳前後の時は古い映画をいろいろ見てました。たとえば、オードリー・ヘプバーンの映画を全部見たら、次はヒッチコック全部。フランス映画ならゴダールとかトリュフォーとか。1960年代の映画が多かったです。渋谷系の音楽がキッカケで、ジャック・ドゥミの世界にどっぷりとハマり、『ロシュフォールの恋人』『シェルブールの雨傘』とかミシェル・ルグランの華麗で優雅なジャズとオーケストラのサウンドトラックにすっかり憧れを持ってました。ロシュフォールは、『ラ・ラ・ランド』でオマージュされた作品でもあり、僕が大好きなサントラナンバーワンでもあります。楽器弾けない、譜面わからない僕には全く作り手として接点のない音楽ですが。憧れる音楽と実際に作れる音楽は全然違いますね。

10年くらい前にジャック・タチ監督の『プレイルーム』が渋谷で上映されたんです。「めちゃくちゃいいから観た方がいいよ」って言われて劇場で見たんです。そしたらめちゃくちゃ洗練されてて、人間観察の演出とか、やがて劇伴としてリンクしていくステージ上のバンド演奏とか最高で。1967年の映画なのに、めちゃくちゃ斬新さがあって驚きました。予告編見てほしいのですが、絵作りもめちゃくちゃ良くてオシャレでかっこいいんです。



普段、ぼくは「劇伴に興味がない」って言ってるのですが、昔の映画音楽のサントラをどんどん買ってた時期があります。昔の作曲家の映画音楽が好きなんです。『ティファニーで朝食を』のヘンリー・マンシーニとか。『The Party』って映画の「Nothing to Lose」のメロディーは最高峰だと思うし、ピンクパンサーの音楽もいいし、フランス映画だと『男と女』のあの有名なダバダバダって音楽、途中で白黒になる演出もいいし。フランシス・レイのメロディー美しすぎます。フェリーニ映画、ニーノ・ロータの『8 1/2』とか『甘い生活』『道』とか、ガトー・バルビエリの『ラストタンゴ・イン・パリ』とか好きで聞いてたけど、映画は観たことないです。

モリコーネは、1988年の『ニュー・シネマ・パラダイス』のサントラはご存知、超名作で僕もめちゃくちゃ大好きですが、1969年の『ある夕食のテーブル (Metti una sera a cena)』のスキャットとストリングスのテーマ曲には衝撃受けて、いまだにその影響が抜けません。ググってみたらAmazonのページが出てきて「購入日/2002年10月15」って表示されました。30歳の頃で、「スキャット後藤」に改名した頃です。ちなみにこの頃、月に30枚CD買ってました。気になるものは片っ端から買ってました。菅野よう子のサントラも好きで片っ端から買ってました。他にも、日本の古いサントラ、例えば、すごく実験的な山下毅雄とか、日本のバカラックこと大野雄二とか大好きです。(どちらもルパン三世やってますね)。まぁ、でも極端に古いのばかり聞いてたので、ここ40年くらいの劇伴は全然わかんないです。

数年前から自分のクリエイティブが落ちたなーと思う事があります。仕事としての音楽の質は上がってきたけど(失敗が少ない音楽)、アイデアとか発想力が乏しくなってきた気がします。その原因を考えてたのですが、ひとつ年齢のことはあるでしょうけど、ほかにひとつ「これじゃないか?」と思うことがあります。

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