デスピアと手札誘発の発動タイミングについて
今話題の《烙印融合》、そして【デスピア】について筆者自身もOCGでは【天威勇者】を使用していたことや、この環境に長く触れていたわけではないため深い理解があるわけではないということもあり、現時点で自身がどの程度【デスピア】というテーマを理解しているのか、逆にどこが分からないかをはっきりさせても面白いかもしれないという理由で文字に書き起こしてみた。
今回は初動に焦点を当て、どこに手札誘発を切るべきかを考察していく。
【烙印】ギミック
恐らくこの記事が公開されるころには嫌というほど発動されているプレイヤーもいるとは思うが、まずは《烙印融合》について軽く触れていく。
導入なので既に知っているという方は飛ばしてもらって構わない。
《烙印融合》とは
発動するターンは融合モンスターしかEXデッキから特殊召喚できないという重い制約と引き換えにデッキから融合素材を墓地に落とせるという規格外のスペックを誇る融合魔法。
~するターン…できないというテキストはそのカードの発動前の行動にも影響を及ぼす。
例えばリンク召還を一度でも行うとそのターンは烙印融合を発動できなくなるため基本的には烙印融合を採用するデッキは融合召喚を軸にする、またはEXからの特殊召喚を行わないデッキでの採用が主となる。
このカードを使用する代表的なデッキとしてはこれから考察する【デスピア】で、現環境でも猛威を振るっている。
【デスピア】の展開パターンと手札誘発
【デスピア】の《烙印融合》絡みの展開は主に
・《デスピアの導化アルベル》から《烙印融合》をサーチして展開
・《烙印融合》から展開
の2パターンに絞られる
これらの大きな違いは後者の場合は《烙印融合》で墓地に落とした《悲劇のデスピアン》で《デスピアの導化アルベル》をサーチすることで《氷剣竜ミラジェイド》に加えて、さらに《赫の烙印》を構えられるという点にある。
が、まずは1つずつ展開を噛み砕いた上で妨害をどこに切るべきかを考察しよう。
《デスピアの導化アルベル》
《烙印開幕》からアクセスすることもできるが、それによって展開自体が変わるわけではないので便宜上《デスピアの導化アルベル》からの始動とする。
もっとも妨害が伸びるのはこの展開である。
相手ターンに《赫の烙印》を発動し《デスピアの凶劇》、《悲劇のデスピアン》、《氷剣竜ミラジェイド》を素材に《ガーディアン・キマイラ》を融合召喚することで1妨害、《デスピアの凶劇》で《氷剣竜ミラジェイド》を特殊召喚することでもう1妨害追加することができる。
この展開に対する妨害の切り方としては《エフェクト・ヴェーラー》、《無限泡影》(以下無効誘発)であれば《デスピアの導化アルベル》に対して切ることで展開を大元から断ってしまうのが最も解決に繋がりやすい。
《烙印融合》の素引きを嫌って《神炎竜ルベリオン》まで待つこともパターンとしては考えられるが、《悲劇のデスピアン》のサーチ効果でアドバンテージを稼がれることや返しのターンの墓地効果で再び《烙印融合》を墓地からセットされることを考えると特にミッドレンジデッキで《神炎竜ルベリオン》まで無効誘発を待つことは疑問に思える。
また《烙印融合》の素引きを考慮しているのであれば《デスピアの導化アルベル》のサーチ先が《赫の烙印》である可能性も考えられるため、《神炎竜ルベリオン》に無効誘発を切ったとしても《赫の烙印》で回避され、《氷剣竜ミラジェイド》の成立の阻止どころか《捕食植物ドラゴスタペリア》まで並ぶことも当然考えられる。(この展開に対して筆者はうらら1枚で後続が切れるアルベルから入って赫サーチという展開には疑問を覚えているが赫をサーチされることが多く感じるため深入りはしない)
つまりこのプランニングは一見《烙印融合》の素引きをケア出来ているように思えるが、少し先の展開を考えると何もケア出来ていないのである。
《烙印融合》を素引きしていない場合はそもそも《デスピアの導化アルベル》を止めればリソースすら与えず相手の展開を止められるが、《神炎竜ルベリオン》まで待った場合は相手にリソースを与えてしまうほか、マスターデュエルではラグで誘発の有無がチェックできる都合上《烙印融合》で《喜劇のデスピアン》を落とされて逆に無効誘発のケアをされるリスクすらある。
他の誘発を考えると《灰流うらら》であれば一般的な構築であればどの展開パターンであっても《烙印融合》まで待つことが最も安定する。
【デスピア】はリソースと展開、妨害のほぼ全てを《烙印融合》に依存したデッキであり、そこへアクセスするための《デスピアの導化アルベル》や《烙印開幕》を止めることに本質はないためである。
《屋敷わらし》は上記の展開であれば 《赫の烙印》に切るだけで相手は0妨害になるため有効に働く場面もあるだろう。(誘発に限った話でなければ《墓穴の指名者》を《赫の烙印》の対象を対象として発動することでも0妨害にできる。)
しかし相手がそこまで意識してプレイした場合、《氷剣竜ミラジェイド》の効果を使わない可能性もあるため相手のプレイに依存する点はネックと言えるが、長期戦において《赫の烙印》でリソースを広げるタイミングは必ず訪れるためミッドレンジデッキであれば十分働いてくれるだろう。
因みに《屋敷わらし》は《神炎竜ルベリオン》の効果にも切れるが一般的に《神炎竜ルベリオン》→《悲劇のデスピアン》の順にチェーンを組むため切るタイミングはないと思っていい。
《烙印融合》
最強の初動、《灰流うらら》以外だとマスターデュエルのカードプールでは誘発1枚で止めることは難しい、1妨害程度は受け入れる度量が必要。《古尖兵ケルベク》が来る頃には【ティアラメンツ】と【スプライト】が席巻しそれどころではない。
前述の通り《灰流うらら》は《烙印融合》へ切ることが最も安定するため省くが無効誘発については少々事情が変わってくる。
《神炎竜ルベリオン》に切っても《悲劇のデスピアン》から《デスピアの導化アルベル》に、そこからさらに《赫の烙印》にアクセスされて妨害を構えられ、《デスピアの導化アルベル》に切っても結局《氷剣竜ミラジェイド》が残るか、または《氷剣竜ミラジェイド》をチェーンして《デスピアの導化アルベル》を除外することで《赫の烙印》をサーチされてしまうため結局妨害は残ってしまう。
つまるところここから先の話は「どこを止めれば展開が止まるのか」ではなく、「どこを止めることが一番マシになのか」ということになる。
《神炎竜ルベリオン》に無効誘発を切った場合は《赫の烙印》で1妨害こそ構えられてもギミック内のカード+1枚でそれ以上妨害が増えることはないように思える。
しかし《デスピアの導化アルベル》の場合はどうだろうか。
《氷剣竜ミラジェイド》をチェーンされて無理矢理《デスピアの導化アルベル》を通された場合、一見すると《神炎竜ルベリオン》への無効誘発と同様に《赫の烙印》の1妨害のみのように見えるが、盤面に《氷剣竜ミラジェイド》が残っていることによって決定的な差が生まれる。
《デスピアの導化アルベル》で《烙印開幕》をサーチしてそのままプレイ、そして《デスピアの凶劇》をサーチした場合、《烙印竜アルビオン》で《赫の烙印》がセットされ(《デスピアの凶劇》で蘇生された)《氷剣竜ミラジェイド》と合わせて2妨害が成立するためである。
この展開を相手が選ぶかはさておきここまでのリスクを考慮するのであれば恐らく《神炎竜ルベリオン》への無効誘発が最もリスクのないプレイに思える。
また、《アルバスの落胤》が墓地に残るためピン採用の構築だった場合2枚目以降の《烙印融合》が腐る可能性があるという点でもやはり無効誘発は《神炎竜ルベリオン》に切った方がいいだろう。(《赫の烙印》で《神炎竜ルベリオン》を召喚した場合はアルバスをデッキに戻すことができる。)
《屋敷わらし》は前述の通り《赫の烙印》にしか切ることはできないが《氷剣竜ミラジェイド》の1妨害のみになるという点では大分マシな部類なのかもしれない。
しかし、いくら【勇者】ギミックにも有効とはいえ採用には妥協的な意味合いが強く感じられたため、あまりにもデスピアが多いのであれば2枚目以降の枠は超融合に割いた方が有効に働きそうではある。
以上初動の2パターンについてのみ個人的な考察をしてみたが思った以上に【デスピア】は複雑なデッキで、展開に関してもいたずらに妨害を伸ばそうとすると妨害が消える裏目も強くなり、使用者側に回った際のことを考えても今回の考察は収穫が多いように思えた。
最後に
来期は明らかに勇者デスピア一強でそろそろ勉強すべきとは思っているけれど…
初めて烙印融合を使ったのが烙印ティアラメンツだから色々と感覚が違って慣れるまで時間がかかりそうです。
まあ烙印融合へのうららを止めるカードは金謙込みで8枚もあるし考えなくても勝てるゲームは多いんだろうけど折角なんだから考えてみたいよね。
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