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理学部物理学科研究室紹介 荒井研究室

魔術と科学を統一する場の理論

  現状,自然界に存在する相互作用は 「電磁気力」 「重力」 「弱い力」 「強い力」の4つに分類されています.もともとは電磁気力も 「電気力」と 「磁気力」に分かれていましたが,みなさんが講義で教わったように,Maxwellが電場と磁場の相互作用を記述したことで,「電磁気力」として統一されました.
 みなさんは場の理論という言葉をご存知かと思いますが,  ここでいう「場」とは大まかに言えば,  半径を持たない粒子たちとその相互作用によって形作られるものです.  このような世界の見方では,  衝突をはじめとするすべての物理現象が粒子の相互作用によって統一的に記述されます.場の理論を用いて自然界の4 つの相互作用を統一的に記述する「万物の理論」の完成は,理論物理学の大いなる目標のひとつです.1967 年に発表された Weinberg-Salam 理論は電磁気力と弱い相互作用を統一的に説明する理論であり,スティーヴン ・ワインバーグらはこの理論を完成させた功績によりノーベル物理学賞を受賞しています.

 当研究室ではいわゆる「 魔術」によってなされる物理現象への干渉が場の理論によってどのように記述されるかを研究しています.魔術はその継承のされ方や,文化的 ・社会的背景から,今世紀初頭まで研究対象にすることすら忌避されてきましたから,歴史的には非常に新しい分野です.私たちは魔術の原理を解明し,4つの相互作用との関係を外側から観察することが,万物の理論の概形を俯瞰する第一歩となるだけでなく,生命の持つ不可思議な力の起源を探し当てることにもつながると考えています.

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