自分が本当に苦しくて仕方なかった時に『自殺遺族になっちゃった』を読んだのは幸運だった
宮本ぐみさん・宮本ぺるみさんの『自殺遺族になっちゃった』を、僕は自分が人生に苦しんでいた時に読んだ。タイミングとして、それはとてもよかった。
「いざとなれば死んだらラクになる」などとは二度と思うまい。
自殺遺族には何が起こるのかといえば、本当にイヤになるほどの、金、金、金の問題ラッシュ。このマンガはそのことを、クラくなりすぎないタッチで、コミックエッセイとして力強く描いている。
つまり人間というものが一人自殺したら、遺された家族のところには、請求書を持った世間の鬼たちがワラワラと集まってくるのだ。さらに「あの家で自殺者が出たんだよ」というウワサを凄まじいスピードで拡散する野次馬が事態をさらに悪化させてしまう。
人間社会とは恐ろしいところ。
少なくとも私は「こんな世の中でそう簡単に死んでたまるか」という気になった。ぜひたくさんの人に読んでほしい。自殺するくらいならまだ学校なり会社なり責任なりから逃げたほうがマシということだ。「死んでお詫びします」なんて発想はやめたほうがいい、思い詰めすぎて突然死なれるより、無責任でも生き続けていてもらえるほうが、周りの人にはまだ迷惑度としてマシなのである。本人に死なれるのがいちばん困る。知識として知っておいたほうがよい。
それにしても、難しいテーマをよく、クラくなりすぎないように読みやすくまとめたもの。これは本当に良い作品だと思います。読んだ後に私が思ったコトバはただただひとつ、「生きろ。」でした↓