【シティS1準優勝】サンダー入りルギア【全文無料】
はじめに
今回、シティリーグS1でサンダー入りのルギアを使用し、準優勝という結果でした。Twitterでリストを公開したところ、思った以上に反響を頂いたので、記録を兼ねて記事として残すことにしました。
今回の記事は全文無料です。デッキの細かい解説というよりは、どういう過程でサンダーが採用されたのか、デッキ構築の過程についてを中心に書いてます。※全文無料ですが、最後にお布施用に設定しておくので、参考になった方は投げ銭してもらえると嬉しいです。
デッキリストとデッキ選択
まずは、今回使用したデッキリストです。既に公式や自身のTwitterでも公開されているものです。
現環境を一言で表すならば、「ルギア」です。ルギアが圧倒的なシェア率を占めており、環境初期ということもあり、ルギア対策もまだあまり進んでいないため、ルギアが大暴れしているような環境だと思います。
とは言え、ルギアデッキのパワーはとてつもなく高いため、今回シティリーグに参加するにあたって、ルギアを軸にデッキを検討しました。
ルギアの検討をしていくにあたって直面した問題が、ミラーマッチにおいて先攻が圧倒的に有利であることです。ルギアミラーの場合、じゃんけんに負けた時点でかなり厳しい試合を強いられることになります。
そこで、ルギアミラーの後攻問題を解決することができないかを検討し、その解決策として今回のデッキを作成しました。いくらルギアが強いと言っても、後攻問題を解決できていなければ、ルギアをシティリーグのデッキとして選択することはなかったと思います
ルギアミラーの後攻問題
ルギアVSTARを軸としたデッキを検討したことがあれば、ほとんどの人が直面したことがあるであろう問題です。
ルギアミラーは先攻が圧倒的に有利
ルギアミラーは、多くの場合はポケモンVを2回、非ルールを2回倒して(以下、2-2-1-1と表記)、サイドを6枚取得することが多いです。※以降これを前提として話を進めます。
先攻であれば、先攻2ターン目に順当にアッセンブルスターから展開できれば、VSTARに進化する前のポケモンVを倒してサイド2枚取得するところからゲームを始めやすいです。
一方、後攻の場合、ルギアVSTARを少なくとも一度相手にする必要があるので、先攻と比較して単純にスピード負けしてることに加えて要求も高くなります。
そこで後攻が勝つためには大きな方針として、
①サイドプランを2-2-2として、相手よりも早いスピードでサイドを取り切る
②ルギアVSTARが1度相手の攻撃を耐えるターンを作り、相手のサイド取得を1ターン遅らせる
③非ルールのアタッカーを増やし、相手のサイド取得を2-1-1-1-2を押し付けることで、相手のサイド取得スピードを1ターン遅らせる。
の2つです。
①の問題点は、そもそも先攻側のプレイヤーがポケモンVを3枚置いてくれないことです。ポケモンVがルギアだけの試合も多いですし、クロバットVやネオラントVが出てきても、崩れたスタジアムでトラッシュされたり、ネオラントは技の効果で離脱していきます。それらを解決する方法のひとつが、やまびこホーンの採用ですが、ルギアVSTARというデッキは、基本的にエネルギー以外は全て縦引きのデッキなので、採用するとしても1-2枚のやまびこホーンを都合よく引くことが出来ません。
②については、ルギアVSTARにVガードエネルギーとツールジャマー(または大きなおまもり)を貼ることで、こだわりベルトの付いたかがやくリザードンの攻撃や、こだわりベルトとパワフル無色エネルギーが3枚ついたルギアVSTARのストームダイブを耐えることが出来るようになります。一度耐えてしまえば、サイドの取得スピードが逆転するので、相手より先に2-2-1-1でサイドを取り切ってしまおうという考えです。
10月26日に実施されたシティリーグで優勝されたデッキがまさにそれに該当します。この時点では、ルギアのツールジャマー採用がメジャーでなく、自分だけ一方的に耐えることで後攻でも勝つことが出来ました。
しかし、このタイプのルギアデッキが台頭し、メタゲームが進んだことにより、先攻もルギアVSTARが攻撃を耐えてくるので、後攻でルギアVSTARが攻撃を耐えることによるサイド取得スピードの逆転が成立しなくなりました。
③については、相手にサイド1を3回取らせることは即ち、非ルールのアタッカーを3回前に出す必要があります。また、前に出すということは、攻撃して必ずサイドを取らなければならない(後攻1ターン目を除く)、もっと言うと、最大で2回、VガードとツールジャマーのついたルギアVSTARを一発で倒す必要があります。
これを満たす非ルールの筆頭がAイベルタルです。初期環境では、相手のポケモンVMAXを倒すために、レジギガスの採用が多かったように見受けられますが、最近ではAイベルタル採用型のリストが増えました。AイベルタルはHPが110と低く、相手のポケモンを確実に倒すことができる一方で、ほぼ確実に返しに倒されてしまうというリスクがあります。Aイベルタルをもう1枚採用することで、前述の条件を満たすことは出来ますが、いくらアーケオスがいるとは言え、Aイベルタルが技を打つにはエネルギー要求が重く、サイド落ちやちょっとした噛み合いで破綻するリスクが高いです。よって、Aイベルタル2枚目の採用は現実的ではないと考えます。
ここまでの話をまとめると、ルギアミラーで後攻が勝つためには、
②'「自分だけ」ルギアVSTARが1度相手の攻撃を耐えるターンを作り、相手のサイド取得を1ターン遅らせる
③非ルールのアタッカーを増やし、相手のサイド取得を2-1-1-1-2を押し付けることで、相手のサイド取得スピードを1ターン遅らせる※ただし、Aイベルタル以外に相手のルギアを一発で倒せる非ルールアタッカーが必要
のいずれかを満たす必要があります。
②'についても裏返すと、自分だけ耐えるためには、相手のルギアVSTARを確実に一発で倒す必要があるため、相手のルギアを一発で倒せるアタッカーが必要となります。
③と違い、(この時点では)非ルールという条件がついていないことで、ライコウVなどがそれに該当します。
しかしポケモンVを採用してしまうと、そもそも先攻側がルギアVSTARに付き合う必要がなくなってしまうので、結局②'のプランが成立しません。(具体的には、先攻側のプレイヤーは、先攻2ターン目からルギアV→ライコウV→非ルール2枚と順当に2-2-1-1と取るだけになります。)
よって②'のプランでも求められる要素は、相手のルギアVSTARを確実に一発で倒せる非ルールのアタッカーとなり実質的に③と同義です。
非ルールで280点を出せるポケモンは当然おらず、必然的にルギアの弱点をつける雷タイプのアタッカーが候補になります。
雷タイプの非ルールアタッカー
ルギアデッキに入る雷アタッカーとしてメジャーなポケモンは、ゼラオラとAライコウです。初期はゼラオラが多かったイメージですが、環境が進むにつれてAライコウが増えてきました。
ゼラオラは逃げるエネルギーがゼロで技に必要なエネルギーも雷無と軽い点が魅力です。Aライコウは、雷草鋼と3色要求ながら、ベンチにも120と2面攻撃できる点が魅力です。
しかし、共通の欠点として挙げられるのが、ルギアVSTARを一発で倒すために、こだわりベルトが必要なことです。こだわりベルトが付いていても、ツールジャマーがついているとルギアVSTARを倒すことができません。
そこで、こだわりベルトなしで140点(弱点280点)以上出る雷タイプの非ルールのたねポケモンを探しました。これも、多くの人が探したかと思います。
いないんですよね。これで見つかれば誰も苦労しません。
でも、ポケモンカードってテキストをよく読むと、たまに変なこと書いてあるんですよね。ということで、何かないかと探してみます。
ハイ、いました。対象にポケモンVしか取れませんが、160点出せる非ルールで雷タイプのたねポケモンです。今回は、あくまでルギアミラー対策としてのカードとして探していたので、対象がポケモンVのみという制限は関係ありません。というか、これで非ルールも対象に取れると、ベンチのアーケオスを狙撃できてしまうので、強すぎますね。
ここで一度、先に挙げたゼラオラ、Aライコウとサンダーのメリデメを比較します。
あくまで個人的な評価ですが、サンダーとAライコウは一長一短です。逆にゼラオラは、サンダー、Aライコウどちらと比較しても中途半端です。ただし、今回に関しては、ルギアミラーの対策を目的としているのでサンダーが目的に合致します。
サンダー採用時の注意点や気付き
実際にサンダーを入れたリストでの練習時に気づいた点や注意点を記載しておきます。
1.ドリルくちばしが侮れない
後攻でサンダースタートしたときに、先攻側のバトルポケモンがルギアの場合、ドリルくちばしが強いです。無色1エネで打てて、ルギアに対しては弱点なので40点、ベルトがつけば100点なのですが、この削りが大きいです。返しでサンダーは倒されますが、VSTARに進化しても、Vガード+ジャマーのついたルギアVSTARや、かがやくリザードンで倒せるようになってるので十分役割を果たしています。
2.アーケオスが1面のときは要注意
スナイプサンダーのデメリットとして、エネルギートラッシュがあります。相手がそのままサンダーを相手してくれれば、どうせトラッシュされるエネルギーなので何も問題ないのですが、相手がサンダーを無視してベンチを呼ばれる可能性もあります。
このときにアーケオスが1面かつ次のアタッカーが存在しないと、自分の場からエネルギーもアーケオスも無くなってしまい、どう足掻いても打開できません。アーケオス2面の場合は、無視されてアーケオス1面仮に取られたとしても、手貼りとプライマルターボ1回で再起動できます。サンダーを2回起動する可能性も考慮してのスピード雷エネルギーを採用してます。
3.サンダーはあくまで手段のひとつ
サンダーはミラーにおいて後攻時に非常に優秀なカードですが、サンダーそのものがプランでないことは念頭に入れた上でプレイをしましょう。
相手に2-2-1-1のプランを取らせないことが前提となるので、余計なポケモンVを置かない、置いた場合には崩れたスタジアムでトラッシュするなどの対策を取らないとサンダーがあったところで勝てません。
それに、残念ながらこのプランを完璧に遂行したとしても、先攻側が理想の動きをした場合、後攻は勝てません。途中でマリィなどで干渉をしながら、相手が完全理想の動きをする可能性を少しでも下げることが重要です。
ルギアデッキの雷枠の正解はサンダーか?
答えは否です。
環境にあわせて選択すべきです。今回はルギアミラーを重く見たため、サンダーを採用しましたが、例えばロスト軸のデッキを重く見るのであれば、ベンチ狙撃で2面倒すことが出来るAライコウの方が優先度が高くなるでしょう。そのAライコウも、ロスト軸のデッキにマナフィを置かれてしまうと、ただのエネ要求が重いだけの雷アタッカーに成り下がるのですが。
ルギアに対するメタデッキが増え、雷デッキが多くなるようであれば、ノコッチの採用も検討されると思います(今回も実際にノコッチを入れるかどうかはかなり検討しました)。ただし、ノコッチはお互いの場のポケモンの弱点を無効化するため、自分がベンチにノコッチを置いた場合、相手のルギアの弱点も消えてしまいます。そうすると、雷アタッカーを採用する意味がなくなるので、雷アタッカーを採用しないという選択肢も当然でてきます。
ルギアデッキだけを見ても、メタゲームは進んでおり、、、
ベルト多投でルギアVSTARワンパン環境
→ツールジャマー採用でルギアVSTARが耐える環境
→サンダーでツールジャマー関係なくルギアVSTARをワンパンする環境
→????
と進んでいます。常にメタゲームを意識しながら、どこに重きを置くのかを検討することがデッキ構築とデッキ選択には最も重要です。
おわりに
2023シーズンの初戦は惜しくも優勝とはならなかったものの、準優勝とまずまずのスタートを切ることができました。残り3回のシティリーグでしっかり勝って、前シーズンに届かなかったCSPでの世界大会の権利を獲得を目指します。
今後の環境ですが、ルギア一強とはいかないんじゃないかというのが個人的な予想です。確かにルギアは強いですが、比較的対策をされやすいという一面も持ち合わせています。分かりやすいところだと、シンオウ神殿なんかはルギアに対して明確な回答となるカードですね。この後、シティリーグS1終了後はCL京都と続きますが、どのような環境になるのかは楽しみです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。質問は一応受け付けますが、回答は気が向いたら・・・とさせてください。
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