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欧州出張記@SOC(その7:Yves Pigneur氏)

2022年11月21日
僕たちはIMDでランチをご馳走になったあと、ローザンヌ大学にてYves Pigneur氏と会いました。
Yves Pigneur氏は、2010 年にAlexander Osterwalder氏との共著にて「ビジネスモデルジェネレーション」を執筆した超大御所です。
現在、そこから生まれた「ビジネスモデルキャンバス」は世界中のあらゆるビジネスシーンで使われており、まさに共通言語となっています。

ビジネスモデルキャンバスとアントレプレナーシップ

僕たちがイノベーションの動機づけとして活用しているエフェクチュエーション理論をビジネスモデルキャンバスを使って表現している事例がないか、尋ねてみました。

その答えは「ビジネスモデルキャンバスは、起業家が将来のビジネスについて語るのを助けるためだけに作成したもので、それ以上ではない」でした。
それゆえに様々な場面で使うことができるので、単なるツールとして好きなように使えばよいとのこと。
むしろ、Yves Pigneur氏はビジネスモデルキャンバスを色々な用途に使えるようにしたいと思っており、ビジネスモデルキャンバスはビジネスモデルを整理するための共通言語となればよく、エフェクチュエーションにも使ってほしいとのことでした。

反対に、僕たちからスタートアップで顧客のニーズを構造化するために使っているPSFキャンバスを紹介しました。これらはビジネスモデルの背骨として、重要なポイントの仮説検証をするために利用しているものです。

CEOによる新規事業へのコミットメント

Yves Pigneur氏は、CEOが新規事業に真剣に取り組む必要性についても話してくれました。
(CEOの課題トップ3に新規事業が入っていれば、他の企業よりも財務的な報酬や業績が高くなるそうです)

有名な事例はネスプレッソです。
ネスプレッソが起業したときは別の会社としてスタートしました。
今ではネスレグループの中に完全に統合されていますが、当初はネスカフェがあったため不可能だったのです。(ネスプレッソはネスカフェにとって許されないコーヒーの作り方でもあったのです)
でも「よし、やってみよう、テストしてみよう」となり、それが成功すると徐々に取り入れられるようになりました。

このように、もし企業が新しいベンチャーを生み出すことができないのであれば、リーダーシップを発揮して、小さなところから始めてポートフォリオを増やしていくことが大事だとのことです。
最初から1,000万ドル規模で事業を立ち上げることはできないので、拡大する会社にはこのような考え方が必要だと思います。

そのほか近況報告に大部分を費やし、1時間ばかりのセッションでしたが、とても知的な時間を過ごすことができました。


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