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曲語り 「I wish」 星空に思いを馳せて
どうも、MIDIはらふじです。
嘘です。セーラ(@motto_SaraCrewe)です。
前回のDream of you…考察に続き、今回はI wishについて考察していきます。
2/22のファンミーティングが近づくにつれて、語りたい欲が強まってきました。もちろん、当日東京に行けば好き放題オタク達と語り合うことはできるかもしれないんですが、長文になること間違いなしなのでnoteで吐き出します笑
はじめに
おそらくこれを読んでいる人の中にはこの曲を「曲名さえ知らなかった」もしくは「曲名は知ってるけど聴いたことはない」という人もいると思います。
それもそのはず。この曲はライブなどで歌われたことがあるわけでもなく、2025年2月現在、収録されているCDは10周年記念アルバム"LOVE ME PLEASE"のみです。
10th SMILEが収録されているアルバムといえば伝わる人もいるかもしれません。
このアルバム、ライブ前は流通こそ少ないものの6kくらいで購入できたのですが、ライブ後に高騰。現在は駿河屋で22k、Amazonで45kとTOKIMEKI CLUB会員限定のアレに次ぐ、ときメモの中で2 or 3番目にプレミアとなっているCDと言っても過言ではないでしょう。
近々新曲も出るようですが、過去の曲も収録してくれないんですかねコナミさん・・・?
(まぁ、新曲売った後に今までの曲を全て収録したベストアルバムBOXなんて出してくれてもいいのよ?この際、「一回で全部出せやボケ」とは言わないぜ)
【重大発表 2/3】
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そんなわけで、この記事がどれだけの人に届くかは知ったことではないんですが、誰かが書かなければならない。
このnoteで・・・
他の者にできたか?
ここまでやれたか?
この先できるか?
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というわけで始めていきましょう。
前提:私の館林見晴への解釈
今回はI wish考察といっても歌詞に絞って考察していきます。
(私は音楽についてはさっぱりです。作詞についても素人ですが😅)
そして、この考察を進めていくには私が館林見晴というキャラクター(概念)をどう認識しているかということを先に解説しなくてはなりません。
というのも、館林見晴というキャラクターは隠しキャラでありながらトップクラスの人気を誇っているためにドラマシリーズやOVAではメインを張り、本編ゲーム内では他のキャラとは一線を画すイベントが用意されていたりと他のキャラとは扱いが違います。そして、それ故に複雑極まる性質を持っています。
ファンは多くともこの複雑性を言語化しようと試みている人間さえ少なく、過去何度も偉そうに語っている私も上手く言語化できている自信はありません。
キャラとしての特異性を楽しむのは易くとも、それを語るのは難しいといった具合でしょうか。
私はこの曲を「物語:館林見晴のエンディングテーマ」というような位置づけで見ています。
そのため、いきなりエンディングテーマに足を突っ込むのではなく、そのための足掛かりを用意しておこうということです。
前提1:館林見晴と世界線
先ほども触れたように、見晴は本編以降だとOVAやドラマシリーズではメインキャラを張っています。
本編では隠しキャラというポジションでありながら、ときめきの放課後では他のキャラと同じボリュームでイベントが用意されていたり、キャラソンアルバムが2つもあったりと、ときメモの顔である藤崎詩織に次ぐ高待遇と言っても過言ではないでしょう。
しかし、見晴は他のキャラと違い、性格はどの媒体でも一緒ですが迎える結末は媒体やゲーム内でも様々なパターンがあります。
例えば、本編(forever with you)だけでも3つあります。
・卒業の日に主人公に告白し結ばれる
・主人公に告白できず2月22日に最初で最後のデートをした
・最初で最後のデートに誘うこともできず卒業の日に告白もできない
それ以外の作品だと、
おしえてyour heart:最初で最後のデートの後に勇気を出して告白する
OVA:涙の雨
旅立ちの詩:本編とは違う形で結ばれる
他にもドラマCDとか含めたらもう少しあるんですが、ここで言いたいのは
・主人公と結ばれるにも結ばれないにも複数のパターンがある
・他のキャラとは違い、明確に失恋が描かれているパターンがある
つまり、色んな世界線の見晴がいるよ〜ということです。
媒体によって結末や過程が180°変わってしまうわけですから、そりゃ一言で語るのも難しいわけですね。
前提2:222の失敗
前提2と3は前回の記事の繰り返しになります。
この記事では222のシナリオを書いたライターの方が222のシナリオは失敗だったと漏らしていたということについて触れています。
このイベントを追加したことで見晴が世間から注目されるようになったわけですから、商業的には大成功の部類だと思うんですが、ライターの方が失敗だと感じた原因について考えています。
僕の考えとしては以下の通りです。
失恋とは人格的な成長の機会?
「失恋しました、終わり」というのはフィクションの世界ではNG(?)
キャラクターのその後を描かなければいけなかった、という説。
(めぞん一刻の八神、きまぐれオレンジロードのひかるちゃん、ときメモで言えばドラマシリーズの鈴音ちゃんなどを見ればわかるでしょう)
でないと、そのキャラは舞台装置として使われただけになり、そういうキャラの使い方をしていてはキャラクターや物語に厚みが出ないと思われます。しかし、かといってときメモはそういったストーリーやキャラに厚みを持たせるようなゲームではありませんでした(なのでその後にドラマシリーズが作られたのだと考えます)。そのため、「その後を描けないのに失恋だけ描いてしまった」か、「そもそも失恋をときメモでやるべきではないと思った」のどちらでも筋は通りそうな気はします。
そして、その後を描かなかったために222世界線の見晴は失恋後にどうなったかわからないというところも気になります。
ときメモのキャラは全員、卒業の日に自分のコンプレックスを主人公に打ち明けます。そしてそれを乗り越えることで二人は永遠に結ばれるという、「成長→恋愛の成就」の順をたどります。
しかし、222世界線の見晴は「失恋がほぼ確定」というステータスだけが固定されており、その後がわかりません。
挫折を乗り越えて成長するのか、乗り越えられず殻に閉じこもってしまうのか。
現実ではその後、222をテーマにしたアルバム”Dream of you…”が発売されますが、222の後の見晴がどうなったかは誰にもわからず終いです。
また、旅立ちの詩など別作品ではそもそも最初で最後のデートのイベントが描かれることはなく、あくまで別世界線の見晴が追加されるという始末。
そして、222イベントはときメモ本編を繰り返しプレイし続けることで何度もループします(別キャラのエンディングを見ようと思っても222に差し込まれるイベントであるため)。
このようにして、このシナリオが追加されたことで見晴はその後の作品でメインを張ったりアルバムが作られたりなど商業的な大成功を収めたわけです。
しかし、これにより222世界線の見晴はメタ的な視点では「切ない挫折に囚われて成長に到達できない」というループに閉ざされたキャラクターになってしまっているわけです。
そのようなシナリオを追加してしまった後悔、というのは見晴のことを考えすぎて脳が焼かれてしまった人間の妄想でしょうか。
前提3:見晴の視点は私たちの視点になる
これも前回の記事で書いた内容になりますが、「見晴を追いかければ追いかけるほど、私たちは見晴と同じ体験をし、同じ感情を味わい、見晴の視点や体験を自分たちのものにしていくのかもしれない」というようなことを書きました。
これに関しては未だに言語化が難しいので上手く伝えられなくて申し訳ないんですが、前の記事の「見晴の持つギミック性」という部分を読んでくださいとしか言えません、すんません🙇♀️
というわけで、I wishの考察に移る前に共有したかった前提は以上です。
歌詞考察
考察とは銘打ってますがオタクの妄想コーナーとでも思ってください。
世の中の「読んでみて作者の意図はこうだと思ってたけど、実際は違っていた」というのはよくある話なのかもしれない。
まず歌詞全文は載せちゃうと名前を言ってはいけない組織に消されてしまいますので、「あくまで本記事の目的は考察(批評)であり引用の目的上正当性な範囲内で行う」ということを遵守します。
といっても、セーフ/アウトの具体的な線引きはわからないのでこの記事がはてなブログに飛んだら察してください。
「どうかこの想い届きますように」と
呪文みたいに何度もくり返す
遠く見つめてた私を覚えてる?
”好き”と言えなくてずっと追いかけてた
見晴が過去(高校時代)の自分の恋を回想しているわけですね。
(中略)
夢から覚めるように大人になったけど
今は大人と呼べる年齢になって、高校時代を回想していたということですね。
夢から覚めるってどういうことでしょうね。
過去の恋を思い出しているというのは直前で語られているわけですから、夢=過去の恋と考えるのが自然でしょう。
また、この”夢”というワードでDream of you…を連想するのは見晴ファンとしては必然と言えます。
前提1で説明した概念に則って考えると、Dream of you…は最初で最後のデートの世界線です。
つまり、ここでは最初で最後のデートイベントが発生した見晴の話をしているとも考えることができますね。
(「あくまでそれ以外の世界線の見晴のことも指しているけど、222世界線の見晴も含んでいるよ」というような意図のワードチョイスなのかもしれないなんて考えています)
星に願うよ 忘れないでいて
(中略)
この宇宙の下でつながっていたい
またどこかで逢えるよね
詩織曲といえば”風”や”空”の概念が何度も登場するように、見晴曲といえば”星”空のパワーやフィフネルの”宇宙”服など天文学的なワードも度々登場します。
そして、菊池さんがこの曲の中でそういったワードを引っ張ってきた意味を考えます。
このサビの歌詞は、
星=星空のパワー=旅立ちの詩
宇宙=フィフネルの宇宙服=見晴の代表的なキャラソン
またどこかで逢えるよね=また逢えるね
というように、ここまでの見晴の軌跡というか、僕の情緒の無い言葉で言えば色んな世界線の見晴について言及しているのかなと。
(「またどこかで逢えるよね」に関しては、ワードというよりメッセージ性の強い歌詞なので”また逢えるね”のことではなくシンプルにそのままの意味として捉える方が自然かもしれないし、ダブルミーニング的にも捉えられるかな)
今の自分信じて歩いていれば…
「今の自分」というのは、大人になったことが明記されていますので大人になった見晴ということでしょう。
この曲は、ピックアップされたワードを見る限り、全ての世界線の見晴を指していると考えます。
そして、繰り返しにはなりますが、見晴(概念)には、勇気を出せた見晴もいれば、「もっと早く勇気を出していればよかった」と後悔している見晴もいたわけです。
ただ、どの見晴にも共通しているのは、片想いをし恋焦がれていたということ。
それぞれの世界線において、大人になった見晴が現在どうしているかなんて誰にもわからないことではありますが、「どんな過去(世界線)を経験してきた見晴でも、今こうして自分を信じて生きていけるなら、きっと大丈夫だ」と。
ある意味、見晴をときメモが誇る人気キャラにした最初で最後のデートのシナリオに閉ざされていた見晴が、見晴を演じた菊池さんから「あなたなら大丈夫だよ」って言われているような、そんな温かさを感じます。
222世界線の見晴はこうしてループから解放されていくわけです(大袈裟な言い方だが笑)
余談:シンエヴァのラストで、シンジがアスカに「僕もアスカのことが好きだったよ」って言うシーンがあるでしょ?
あれと重なるなって笑
エバーの世界は元々ループに閉ざされているといのは明言こそされないまでも隠喩的に描写されていて、あのシーンも背景は旧劇のラストと一緒だよね。
つまり、「これは旧劇のラストシーンを指してますよ~」ってことがオタクにもわかるようにする演出だけど、旧劇だとラストでアスカを殺そうとしたシンジが今度はアスカを救うわけだよね。
救われるのはその場にいるアスカだけではなくて、惣流、式波のループの中に存在した全てのアスカを救うよ、っていうシーンだと思うんだよね。
そもそも最後に全てのエバーを消して新世紀(ネオンジェネシス)を創世するっていうのが、ループを断ち切るよって話なので。
そんなことを考えながらこの曲を聴いてました。ハイ、サーセン…
いつか色あせて想い出に変わっても
出逢えた奇跡は大切な宝もの
見晴が過去をこうやって肯定的に認められたのだろうと思うと感涙を禁じ得ないわけです。
決して珍しい歌詞ではない気はするものの、2004年当時のメモラーのことを想像すると胸が苦しくなる。
(このとき僕は4ちゃい。)
97年、ギャルゲーバブルの崩壊後も、ときメモの新規コンテンツの供給は厚かった。
それでも、99年。旅立ちの詩発売からOVAで初代ときメモの完結してしまった感。
きらめき高校を卒業した人たちには、ときメモ2という新たな島が。
その後発売したときメモ3はご存知の通り。
ときメモ3関連のイベントも落ちついて暫く経つも、新作発表は無し。
時は流れ2004年、あの頃の皆さんにはTOKIMEKI CLUBがあったわけですが。
といっても当時のメモラーは既に初代ときメモを追いかける自分が近いうちに辿り着く、終わりの風景が視えていたのではないかと思います。
その絶望を想像するだけでも胸が苦しい。
僕もときメモが動き出す前にハマった人間ですし、新規コンテンツが更新されることはないという暗黒の世界を知っています。
ときメモが動き出した今、暫くはまた盛り上がれると感じていながらも来年がどうなるかはわかりませんからね。
一寸先は闇。終わりの風景が視え始めるのもそう遠くはないかもしれない。
たとえどんな未来が待ち受けていたとして、どれだけの時が流れたとして、ときメモに出逢えた奇跡は僕だけでなく多くの人の大切な宝物になることでしょう。
そして、ときメモが動いた今もこれからも、あの時の皆さんの青春がいつまでも大切な宝物であるのならいいなと。
物語(ゆめ)の続きを描いてみよう
未来のページがほら待っているよ
1番の”ゆめ(夢)”ではなく、”ゆめ(物語)”です。1番の夢は過去志向で、ここでは未来志向なので違う言葉を使うんでしょう。素人なりにこういうことを考えながら日ごろから読解の真似事をしています。
未来志向と過去志向で異なるベクトルといえど、あくまで過去の夢の続きを描こうというのがポイントな気がしています。
夢というのがDream of you…やら過去の恋を指しているのであれば、その続きというのは「あくまであの時は失恋して終わり!ブチン!!」ではなく、そういう経験を抱えて生きていくという人生の厚みが見えて見晴ファンとしても救われるというか。
このあたりはある意味で菊池さんから見晴へのメッセージであったり、願い(wish)だったりするのかなと。
I wishってそういう・・・?
雨に打たれてくじけそうなとき
(中略)
どんな道も大丈夫
今の自分信じて歩いていける
「雨」というのはもちろん、OVAの見晴のことでしょう。
そしてこの曲の歌詞なんですが、全体的にときメモと共に青春を過ごしたメモラーにも深く刺さるようになているんですよね。
このアルバムが発売された時点でときメモは10周年ですから、10年の歳月が流れているわけです(進次郎)。
ギャルゲーバブルのときに学生だった人も10年経てば立派な社会人になっているわけですね。
ある意味、この曲は大人になった見晴の曲であり、大人になったメモラーの視点としても成立することにお気づきでしょうか。
前提3で解説した、「館林見晴というキャラクターは追いかけてきたプレイヤーに自分を追体験をさせる」という性質があるという話がここで繋がってきます。
「この曲は大人になった見晴の曲なんだ・・・ん?もしかしてこれって今の俺たちの曲でもあるんじゃないか!?」というような解釈も可能な歌詞だと思います。
菊池さんがこのような見晴の性質を持ち出して作詞をされたのが意図的かそうでないかはわかりませんが、どちらにせよ館林見晴というキャラクターへの解像度が高すぎる故のものだと思います。
そりゃこれだけ演じられていれば当然というのもあるのかもしれませんが、本当に大切に演じてこられたというのは察するまでもないということです。
星に願うよ 忘れないでいて
胸の奥に輝くあのときめきを
「星に願うよ 忘れないでいて」とくると、見晴マニア的にはDream of Youの「あなたの中で私をそっと想い出にして」とか、あなただけのFairy的な想像もしてしまうんですが、繋がるワードが「胸の奥に輝くあのときめきを」なんですよね。
あのとき、胸の奥に輝くときめきを感じていたのは見晴であり、皆さんでしょう。
この宇宙の下でつながってるから
立ち止まっても振り向かない
今の自分信じて歩いて行こう
このアルバムが世に出てから20年が経ちまして、ときメモは30周年を迎えたわけですが、20年あれば色んなことがあったと思います。
僕はこのとき4歳でしたが今は25歳になりました。
そして、皆さんは今こうして再び繋がることができたわけですよね。
2月22日はそれをまた強く感じることができるでしょう。
そういうことを考えると本当に目頭が熱くなってしまうわけです。
この曲は見晴の曲であるように見えて当時のメモラーに捧ぐ曲でもあるんですよね、きっと。
だから僕は、胸の奥に輝く想い出を抱きしめて、死ぬまでこの曲を聴き続けるのだと思います。
オタクよ、
あくまでここまで書き連ねた駄文は全て僕の妄想であるわけだが、ここまで読んだ暇な人がいるのであれば、是非その暇を活かしてこの後すぐI wishを最後まで聴いてみてほしい。
上記の内容を踏まえて聴き直してみることで、二周目じゃないと感じられないことや、得られる気付きがあるはずだ。
それについてだらだらと語るのは野暮なのでもうこれ以上は語らない。
僕が書かなかったことは皆さんの心で感じてほしい。
また逢えたね。