側弯症の手術に至るまで
正直、これまで20年ほど、側弯症から目を背けてきました。そのため、あまり正確に記憶に残っていないことがたくさんあります😵💫💭
思い出せる範囲で記してみます。
※あくまで患者主観の備忘録です。不安な点は専門医に相談してくださいね。
コルセットでの保存療法
初めて側弯症の疑いが分かったのは、小学生の頃に学校でやった『モアレ検査』でした。確か、小学5年生の頃です。当時は側弯の診察ができる、車で1時間程度の小児科を受診。
側弯症は、原因不明の病気です。
姿勢が悪いからなるものでも、重いものを片側で持ちすぎたからなるものでもなく(エビデンスがないそうです)、原因不明で背骨がねじれながら彎曲していきます。
コブ角という角度の大きさで重症度が分かれ、コブ角が10度以上あると側弯あり、という診断です。日本では、側彎の治療法は、コルセットの保存療法で進行を食い止め、進行がそれでも進んでしまったら、背骨をボルト🔩で固定する手術をするしかありません。一般的に50度を超えると手術が検討されるようです。
私の場合はたしか、初診は胸椎13度、腰痛17度くらいの彎曲がわかり、側弯症の診断がつき、大掛かりな手術になるかもしれない深刻さに、病室で大泣きしました😢(今あの場に行けるなら、自分を『大丈夫よ』って抱きしめてあげたい。。)
上半身を固定する硬いコルセットを作り、昼夜ずっとつける生活が始まりました。
硬い素材でギューッと締め付けるコルセットは苦しくて、痛くて、胸辺りに締め付けの跡の傷も残って、外見をみてもボコっとでてしまって、思春期の女の子にはとても辛いもの。
それでも手術が嫌だったから、頑張ってつけました。コルセットは、中学生になる頃には夜だけ装着、高校時代は身長も止まり、痛む日に夜だけ装着をしていました。(ちょっと記憶が曖昧。。)
転院していまの大学病院を受診するようになったのも、たしかこの頃でした。
定期的に受診して計測するも、角度は右肩上がりに進行していきました。
いろいろな民間療法
高校生になる頃には、コブ角はたしか40度台まで進行していました。
とにかく手術をしたくなかったので、いろいろな民間療法を試しました。カイロプラクティック、マッサージ、整体院、整骨院、お灸、はり、側わん専門トレーニング体操。
(側弯症の民間療法はさまざまですが、逆に痛みが悪化したことも、足元すくわれそうになったこともありますので、皆様もお気をつけて💦 本当に側弯と向き合ってくれる院もありましたが、手術したくない弱みに漬け込む輩もいます😢)
その中でも体操は、都内の有名なところで教わります。その先生は、『一時的に行ってもすぐ戻ってしまうため、とにかく毎日続けて、習慣にしてください』と仰っていたので、疲れた日でも取り組みました。
※全てすると2時間ほど要し、そこそこハードな毎日でした。
体操を続けて、整形外科の外来に行くと、なんと数度改善!記憶が曖昧ですが、確か3〜5度くらい改善してた気がします。
ちょうど成長期も終わり、身長が伸びることがなくなったため、『このままなら手術しなくても良さそうだ』と🙌、すごくすごく嬉しかったのを覚えています。
大学では、体操も続けつつ、ダンス系のサークルにも入れました。でも、立ちっぱなしのバイトは腰痛がひどく、大学生なのにギックリ腰やギックリ首をすることが多々ありました。(※側わん症との関連は不明)
社会人になってからの進行
私は、新卒で保育のお仕事に就きました。
とてもやりがいがある仕事でしたが、ひとり暮らしで、なれない仕事に体力も知力もたくさんの力を使い果たしてクタクタの毎日となり、日々の体操を続けるチカラが残っていませんでした😢
もう手術しなくていい方針だったし、保育できてるし、と油断もあったと思います。
成長期が終わったあとなのに、角度が再進行しました。
(でも、いまタイムマシンで社会人1年目に戻れたとしても、社会人生活をしながらあの体操を続けられる自信はあまりありません。毎日一生続けていなければ曲がる。今後家族が増えたとして、家事育児仕事をしながら一生毎日トレーニングできる自信も正直ないです😢)
25歳のとき、5年以内に手術をすることを強く進められます。それ以降に手術もできるけど、リスクが大きくなることを覚悟してね、とも。
『今後の仕事はどうしようか』『いつか手術をしないといけないなら若いほうがリスクが少ない』『手術しないまま、保育で痛む腰は子育てに耐えられるか』『手術して後遺症がのこったら、子育てはできるか』『一生曲がらない背骨で不便になり、強い痛みが残るくらいなら今のままでもいいんじゃないか』『このまま放置して痛み悪化や内臓圧迫が進んで取り返しがつかなくなったら?』『民間療法の先生からは、一度ボルトを入れたらもう元通りにはできない、手術はするなと言われたし』『大学病院の先生は、体操にはエビデンスなくここまで進行してるのは厳しいって言ってたし』
・・・20代中盤なりの悩みがグルグル。
このとき、保育が終わったあとの慢性的な腰痛はありました。それ以外の日常の動作では困ることは多くはありませんでしたがたまにギックリ腰、ギックリ首をやってしまうと仕事にならない点は本当に困り😣 結果、転職してデスクワーク中心の職につきます👩💻ご縁があり、その後28歳で結婚。その間もなかなか決断できず💭
気づけばコブ角は、胸椎、腰痛ともに70度台まで進行してしまいました🙀🙀🙀
手術しないと死ぬならすぐやるし、手術して良くなる可能性が高いならすぐやるけど、してもしなくてもどっちもリスクがあり、自分でタイミングを選択しないといけない状況。振り返ると、ずっと頭の片隅で側弯のことを考えて、毎日ナーバスでした🤢
葛藤と決断
悩んでるときに、1番参考にさせてもらったのは、SNSで側弯症の手術を経験したことを発信してくれていた患者さんたちの声でした。
良くも悪くも、現実をたくさん目の当たりにします。
・安楽死したほうがマシと思うほど痛かった
・出産の100倍痛い
・手術後のほうが身体の痛みが強い
・手術前はなかった偏頭痛や肩凝りがでてる
・手術前よりも不便な生活になってしまった
・身体障害者手帳をとるほど生活に影響がでた
・合併症が悪化し復職できず退職した
・もっと早く手術をしていたら固定範囲が狭かったからダラダラ悩まなきゃよかった
・不便ではあるが生活には困ってない
・妊娠出産できたけど無痛分娩はできずハイリスク扱いだった
・妊娠出産で側弯手術後で困るとこはなにもなかった
・出産できたがおむつ替えもだっこもやりづらい
・身体にぴったりな服が着れるようになった
・見た目が真っ直ぐになったのが嬉しい
・術後にスポーツも問題なくできてる などなど
100人いれば100通りの手術体験、感想もそれぞれ。固定範囲にもよるし、同じ側弯症でもカーブの形は様々だし、経過も違って当然ですよね。
(共通してたのは、術後めちゃくちゃめちゃくちゃめちゃくちゃに痛い!らしいこと🤢)
手術を悩んでいたときにいただくDMも、『本当に手術して良かったですよ』『私は手術を後悔しています』というのが半々くらいずつ届きました。
手術してもしなくても後悔しそうだなぁと、とてもどんよりしつつ、でも、皆さん手術後もそれぞれ『日常の生活は送れていらっしゃる』というのは希望でした。中には手術したのを忘れるほど違和感がないという方もいらっしゃりビックリしました。
※私は昔民間療法の先生のおはなしから、手術したらもう人生なにもできない、と思い込んでた節があり、術後のイメージが暗すぎました💭(親身になってくれた先生たちには感謝しています🌼)
私にとっては、『手術をいつするのか決められない間にもどんどん進行している』ことが心の負担で、このまま一生ずっとこのモヤモヤを抱えるのが嫌で、最終的には手術を選びました。
保育で痛んだ背骨で、子育てできる自信がなかったこと(まぁ術後も育児できる身体になれるかは賭けですが)、これ以上悪化してからのオペで手術の難易度があがる可能性があること、も大きな理由です。(5年以内にと勧められてから5年かかった🙄)
今は、この選択が今後の人生にどう左右するのか、正直分かりません。術後の身体に絶望しちゃうかもしれないし、やっぱり怖い。
でも、20年も悩んで自分で決めたことだから、選んで良かったと思えるように努力をしていきたいし、もし大きな後遺症が残ってしまっても、命さえあればなんでも、どうとでも切り開けると考えようと思っています。
SNSで繋がってくれた側弯仲間さんたちには、本当に本当に感謝しています。
手術するかしないか、悩みすぎて涙で寝られない夜、見ず知らずの私にDMで体験談を送ってくださった方、励ましてくださった方、共感してくださった方が本当にたくさんいらっしゃいました。
側弯患者さんは、親切な方が多い気がします☺
自分が励まされたように、今度は私もレポートを発信できればと思っています🧸