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社長のひとりごと(37)

報告内容が分かりにくい人は、「事実」と「意見」の切り分けができていない場合が多いです。

今回は、これと似たような感じなのですが、話のキャッチボールが上手くいかない人の特徴について。

・訊かれたことに答えない(質問の意図が理解できていない)

・答えに辿り着くまでに時間をかける(結論を後回しにする)

ポンポンポンと球の投げ合いにならないのは、上記のような要素が入るため、どこかで球が停滞するからです。

そして、これらの要素を内包した特徴というのが、「『全体』と『部分』の区分け」が明確になっていないという点になります。

「全体」と「部分」、この二つの切り分けができないのは、おそらくはその人は場の空気を読んだり、話の焦点を合わせたりすることが上手くできていないからだと思います。

この場で私に求められているのは何なのか、自分に求められている要素が分かっていないからトンチンカンな受け答えとなるのです。

話の焦点が合わないのは、

・全体の話をする場なのに、部分の話をするから

・部分の話をする場なのに、全体の話をするから

・全体のことを訊かれているのに、部分のことを答えるから

・部分のことを訊かれているのに、全体のことを答えるから

「全体」「部分」と何のことやら分かりにくいかもしれませんが、「抽象化」と「具体化」と置き換えてみてもいいです。

・動物全般(全体・抽象化)について話す場なのに、虎の生態の詳細(部分・具体化)を述べてくる・虎の生態の詳細(部分・具体化)を述べる場なのに、動物全般(全体・抽象化)について話し出す

私たちの業界の話に持っていきますと、例えば会議などで

・今月の営業状況を訊いているのに、ご依頼をいただいたお客様の病状について話し出す

・「誰が」「いつまでに」「何をするか」確認しているのに、詳細を答えずにフワッとした回答をする

こんな感じでしょうか。


全体のことを訊かれたら、全体のことを答える。

部分のことを訊かれたら、部分のことを答える。

全体のことを話す会議では、全体のことを話す。

部分のことを話す会議では、部分のことを話す。


他の地域の人たちが集まるような全体会議で、自分の地域の取引先名や担当者名やお客様などの固有名詞を挙げてくどくど述べられても、他の参加者には関係ないですし、名称がどうであろうとそんなことに誰も関心はありません。

中にはなかなか取引先の名前が出てこなかったり、間違えて言った名前をわざわざ訂正したりする人もいますが、全体のことを話す場では、その時間は「皆の時間を奪う行為」になっているということに気づいた方がいいと思っています。

拠点内やエリア内でのミーティングなど、取引先の情報を共有できる場では、詳細を掘り下げていって具体策を練ればいいです。


「事実」と「意見」を分けて話す。
「全体」と「部分」、どちらについて話す場なのかを理解する。
「事実」を求められているのか、「意見」を求められているのか、
また、「全体」について求められているのか、それとも「部分」について求められているのか。

場の空気を読むのは人によっては難しいかもしれませんが、少なくともその場で求められている話は、上記の4つの要素のうちどれなのかを意識することで、ある程度分かりやすい報告となりますし、会話のキャッチボールが可能となります。