ライプツィヒ復活についての考察
こんにちは。ユッキーです。今回は調子を取り戻し、好調になっているテデスコライプツィヒについて考察していきたいと思います。私なり考察してみますので、是非ご参考ください。
マーシュライプツィヒ
テデスコが12月に就任する前の監督は、ザルツブルクで輝かしい成績を残していたマーシュ監督でした。彼は正にRBグループの正統派の監督であり、誰もがライプツィヒでも成功すると思っていたはずです。
しかし、マーシュのライプツィヒでの挑戦は失敗に終わりました。失敗で終わった要因は複数考えられます。以降の章で、特に大きかった要因を3点取り上げていきます。
1. 戦術
前任監督がナーゲルスマンであったライプツィヒ。その後任となったマーシュでしたが、彼は最後までやりたかった戦術を浸透させることが出来ませんでした。その理由は、ナーゲルスマンの戦術がRBグループという視点から捉えると、あまりに特殊なものであったため、上手く継承することが出来なかったからだと考えられます。
ナーゲルスマンの戦術は、RBサッカーの礎となるストーミングに、ポジショナルプレーを上手く融合させたボールを握ることも意識した戦術でした。一方、マーシュが得意としていた戦術は、集中的にプレスをかけて、縦に速くシンプルに攻撃を仕掛けていく、俗に言うストーミングサッカーでした。この戦術の相違があったこと、慣れない戦術への理解と適合に時間が掛かってしまったのも、ライプツィヒが序盤に中々勝てなかった要因だと私は考えています。
2. 戦力
絶対的キャプテンであり、ゲームメイカーでもあったザビッツァー、守備の要を担っていたウパメカノがバイエルン・ミュンヘンに移籍し、戦力ダウンをしてしまったのも要因の1つです。2人のライプツィヒで担っていた役割はあまりにも大きく、既存の戦力で穴埋めすることは難しかったのです。これが序盤のライプツィヒの守備に難があり、かつ点が取れない大きな要因となったわけです。
しかしその後は、新戦力のシマカン、グヴァルディオルが見事な活躍を果たし、守備面は後に大幅に改善されていきました。また、エンクンクの爆発的な覚醒もあり、点は次第に取れるようになっていきました。そうとは言っても、2人の抜けた影響はあまりにも大きかった訳ですね。
3. 理想
マーシュがライプツィヒでやりたかったサッカーの理想が高すぎたことも、失敗の要因の1つです。マーシュが志向するサッカーは縦に激しいストーミングサッカーであり、これは高度な戦術理解力、そして体力が非常に求められるものでした。ライプツィヒの選手達は賢い選手達で揃っていますが、マーシュの理想を叶えることはできませんでした。それは、マーシュの求める理想が高すぎて、それを叶えるのが困難だったからだと考えられます。
テデスコが監督に変わってからの変更点
前シーズンブンデス2位であったライプツィヒでしたが、マーシュ監督の下では不調に陥ってしまい、一時期は2桁順位に沈むことになりました。そんなマーシュ監督は、成績不振を理由に12月に解任され、そして後任にテデスコ監督が就任することになりました。テデスコ監督はナーゲルスマン監督と同期であり、ドイツの監督ライセンスの学校では、テデスコが首席であり、ナーゲルスマンが2位でした。そんな優秀な成績を収めていて、かつシャルケでも監督を務めたテデスコがライプツィヒの監督に就任しました。
テデスコが就任以降のライプツィヒは、それまでの不調とは見間違える程、内容がガラリと改善されていきました。その改善された点の中で特に大きなものを3つ、次項から取り上げていきます。
1. 戦術
まずは戦術が変わりました。マーシュ監督の下では、ボールを握ることよりも、スピーディーにプレッシングをして、ボールを奪ってゴールを狙っていくといった、とにかく速く攻撃を集中的に仕掛けていくサッカーでした。このサッカーは嵌れば強いものでしたが、守備面でのイージーなミスの連発、攻撃時のパスのズレを誘発してしまいました。それにより、勝てる試合で勝てず、負けが重なっていった訳です。
そこで、テデスコは戦術をまずは問題視し、メスを入れていきました。テデスコが取り入れた戦術は、ストーミングを軸としつつ、ボールを無理なく握ることも意識したものでした。このスタイルを取り入れたことにより、ビルドアップ、守備面での単純なミスが激減しました。それは、無理に繋がないこと、無理にプレッシングを掛けにいかないことを意識した戦術でもあったからだと私は思います。つまり、マーシュの時よりも攻守のバランスを重視し、かつ無理のない範囲で攻撃を仕掛けていける戦術だからということになります。
そして攻撃面では、選手の自主性を重視したものとなり、戦術の枠を縛られずに攻撃を作り出せるようにもなっていきました。これにより、マーシュの下では不調であったアンドレ・シウバが輝きを取り戻すことになりました。また、新戦力のシマカン、グヴァルディオルも大活躍をしていきます。シマカンは守備の要を、グヴァルディオルは攻撃的CBとしての役割を確立しました。
そして、燻っていた選手を活躍することになりました。代表的なのはヘンリヒスです。彼は、メインポジションがSBの選手ですが、テデスコの下では、3-4-3のフォーメーションの右WBを務めることになりました。ヘンリヒスはナーゲルスマンの下でもWBを務めたことがありましたが、その時と今を比較すると、個人的にはかなり気持ちよくプレーをしている印象を受けます。それは、彼の得意な突破力、クロスの展開を最大限に活かせるように、戦術的に調整されているからだと思います。
このようにテデスコは、既存の選手を上手く活用しつつ、勝てる可能性が高いキッチリとした戦術を確立したわけです。
2. コミュニケーション
テデスコが最も重視したのは、選手との密なコミュニケーションでした。戦術をしっかりと理解させ、かつ選手の良さを最大限に活かすことを強く意識していたテデスコは、選手に親密にコミュニケーションを取っていきました。これにより、選手個々人の問題点や改善点が浮き彫りになり、そして戦術をしっかりと浸透させていくことにも繋がりました。
3. 自発性に委ねる
テデスコの手掛ける戦術は軸がしっかりとしたものではありますが、テデスコ自身はその戦術に拘りすぎるといったことはありません。テデスコは、おそらく戦術を土台と捉えており、選手を最大限に活かすための舞台装置だと考えているのだと思います。その根拠は、選手の自発性に委ねたプレーを推奨していることにあります。最低限の戦術ルールのみを守らせ、あとは選手個人の判断に委ねていくといったスタイルとなります。これにより、選手自身は監督から信頼されているという安心感を得られ、そして創造性溢れるプレーで攻守の流れを作ることにも繋がっています。そして、チームの調子が上向き、勝てるようになっていった訳です。
まとめ
今回はマーシュ時代のライプツィヒと、テデスコが監督になってからのライプツィヒの相違点などについて考察しました。私は戦術には疎いため、詳細に分析することはできませんでしたが、今のライプツィヒについて整理したいと思い、今回noteを書いてみました。これが読んだ方の参考になったのなら、筆者としては嬉しい限りです。ここまで読んで頂き、誠にありがとうございました。