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笠置のこどもたち
凍えるほどに寒かった日々がまるで嘘だったかのように、最近は暖かい日が訪れるようになった。春の足音を感じるこの季節と季節の隙間。町を歩いていると少しづつではあるけれどポジティブな空気を感じるようになった気がする。
最近は笠置小学校の「六年生を送る会」や、地域の交流イベント「だんらん」などに参加させていただき笠置の子どもたちと触れ合う機会が増えてきた。笠置小学校は全校生徒25人という極めて少人数の学校で、その小ささ故の一体感や、個々の繋がりのようなものを強く感じる。先生一人に対して10人未満というのはある意味で最高の教育環境だし、小さな頃から学年や年齢を問わずに一緒に遊んだり、触れ合ったりできるのはとても大切なことだと思う。
特に「六年生を送る会」は僕にとって本当に大切な時間になった。少人数だからこそ、他の学校では経験できないような濃密な時間を共に過ごした仲間や友達を送ることの意味は、他人にはきっと計り知れないほどの大切な意義があるのだと思う。
素直で真っ直ぐなこども達の瞳。こぼれる涙。お互いが贈る言葉。
この瞬間に居合わせた奇跡。僕は写真を撮りながら、涙した。
「この町にきてよかった」
この町を生きるひとりの人間としてこういった節目のイベントに参加できることが本当に嬉しい。毎日が変化の連続で、目の前にある瞬間はあっという間に過ぎ去ってしまう。だからこそ、僕は写真に残していきたい。この町の歴史を。この町に生きるひとの歴史を。
それがこの小さな町で写真家として生きることを決めたひとつの意味なんだと思う。
もう少しで卒業シーズン。未来を担うこども達のために僕らはどんな風に道を整備してあげられるんだろう。
自分のしたいことを追い求める中で、すべてが誰かのためになるとは限らないけれど、いずれ誰かの笑顔を生んだり、住んでいるまちや世界が少しでもいい方向を向くキッカケになったら素晴らしいことだと思う。
この町を生きる”ひと”の魅力的な瞬間を写真で残すことで、笠置という町を知ってもらうキッカケを作り続けていきたい。
僕がこの町にいるという確かな軌跡が写真という永遠に残る。写真というツールが僕と”ひと”とを繋いでくれる。
シバタタツヤ
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