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22年目もだれかのおいかぜになるために

2024年9月、ボクたち株式会社おいかぜは22期目を迎えることができました。

もう22年目なんですね。周りの人にお褒めいただくこともありますが、自分でもびっくりしています。こんなに長く続くとは思っていなかった。でも結局のところ1年1年の積み重ねで、やるべきことをきちんとやれば良い1年になるし、やるべきことをきちんとやれなければ良くない1年になる。そんなことを21回続けてきているわけです。そしてまだまだこれからも続けていくつもりなのですが。

先日期末も期末、8/29(木)においかぜ × マガザン『UNITE ~個人と会社を融合させるハイブリッド型組織のあり方~』 業務提携対談&交流会”を開催させていただきました。現地参加、オンライン参加含め、たくさんの方にご参加いただきました。ありがとうございました。ハンケイ500m編集長の円城さんの軽快なファシリテーションのおかげもあり良いイベントになりました。ボクたちが伝えたかったメッセージはみなさまに届いたのではないでしょうか。

”おいかぜ × マガザン『UNITE ~個人と会社を融合させるハイブリッド型組織のあり方~』 業務提携対談&交流会”
”おいかぜ × マガザン『UNITE ~個人と会社を融合させるハイブリッド型組織のあり方~』 業務提携対談&交流会”
”おいかぜ × マガザン『UNITE ~個人と会社を融合させるハイブリッド型組織のあり方~』 業務提携対談&交流会”


そんなイベントの余韻に浸りながら、ボクは去年の今頃に自分の書いた文章を読み返しながら、会社の1年を振り返っています。

ボクはこの文章の中で”おいかぜ”という商品・サービスをつくれるんじゃないかという仮説。を立てています。”つくる”と”つづける”の両立、この2つの役割と職能のギャップをどう埋めていくのかということをおいかぜでやっていきたいと書いています。おいかぜという会社単体でどうやって実現させるかという思考。この時にはマガザンさんとの業務提携はまったく視野に入っていなかったわけで、この仮説の前提が大きく変わっているわけです。ウエダ本社さんとはITインフラ事業での業務提携(GOOD PLACE SOLUTION)をしていたわけなんですが、マガザンさんとの業務提携の方が社内で関わる人数が多いこともあって、おいかぜ単体からの拡張という意味で、より身体性を伴っているということなんだと思います。

1年前の自分の書いたものを読み返していて、そしてその当時の自分の状況や気持ちを思い返してみると、もしかするとこれほど変化のあった1年は未だかつて無かったかもしれない、そう思います。10周年のときも大きな変化がありましたが、ボクにとって10年という周期はそういうことなのかもしれません。その大きな変化を言葉にしながら、未来への何かを手繰り寄せたいと思っています。


1、20周年:「はたらくデザイン」というキーワードへのフォーカス

20周年の特別コンテンツとして、ボクが京都に縁のある経営者の方々と”はたらくデザイン”をめぐる対話をさせていただきました。合計11名の経営者の方々との対話。はたらくデザイン事業部を立ち上げて5年。今までで一番”はたらくデザイン”というキーワードへフォーカスした1年になりました。

”はたらくをデザインする”という抽象度の高い言葉を11人の経営者と紡ぐ1年間はそれはそれは濃い時間、濃い内容になりました。この企画自体の振り返りは別の機会にきちんと言語化したいと思いますが、どの記事も読み応えがあります。この対談については22期中に書籍化したいと思っています。Web上の記事としてのアーカイブだけでなく、この1年の密度みたいなものを、1冊にまとめる必要があるなと思っています。

2、組織体制の大幅な変化と”コミュニケーションで超えていく。”というキーワード

今期おいかぜはいろいろな理由で規模を小さくしました。ここで詳しく書くことができないこともあるのですが35名体制になりました。規模の変化に伴い、本来であればもっと早くするべきだった会社としての意思決定と指揮系統を整理・精緻化を進めました。

この21年間、会社の規模を大きくするにつれて制度化と仕組み化を積極的に進めてきました。このことに何も間違いはないし、やるべきことをやってきたという自負はあります。ただ規模が大きくなるにつれてイレギュラーや制度や仕組みからはみ出るケースが増えてきました。その度に制度や仕組みをアップデートしてきたのですが、運用が複雑になりあらゆる意味でコストがかかるようになってしまいました。イレギュラーや不公平に社内からの反発も増えボク自身「ほんとうにこんなことがやりたかったのだろうか?」と自問自答の日々が続いていました。

例えばマガザンさんとかnueさんとかサノワタルデザイン事務所さんのようなボクたちよりスモールチームな組織を見たとき、彼らが制度や仕組みのイレギュラーをコミュニケーションで軽々と飛び越えている場面を見て羨ましさすら感じている自分に気付いたわけです。

”コミュニケーション超えていく。”

スモールチームであれば当然の如く行われる軽やかで明快な行動原理をボクは忘れていたんだと思います。なんでもかんでも制度や仕組みで解決しようとし過ぎていた。ある意味、制度や仕組みをつくることはコミュニケーションと真逆のところにある、極端な言い方をするとコミュニケーションの放棄と言ってもいいかもしれません。

整理・精緻化された意思決定と指揮系統、制度と仕組みがきちんとある、イレギュラーや不公平を”コミュニケーションで超えていく。”、そんな会社がつくりたい、それこそが”おいかぜなんだ、ということに気付けた1年でした。

3、株式会社マガザンさんとの業務提携

21期の一番大きなトピックスは株式会社マガザンさんとの業務提携でした。

20周年の企画コンテンツである”「はたらくデザイン」をめぐる対話”の第1回目のマガザン代表の岩崎くんの口からポロッと出た「おいかぜと一緒になる未来もあると思うんですよね」という言葉を端に、まさかその約半年後に業務提携が実現するとは。

ボクたちの業務提携は経営者それぞれの想いがうまく重なり合い、手を結ぶことによってそれぞれの会社がより良い方向に進めると思ったから実現しているわけですが、マガザンがクリエティブで言う所謂上流、おいかぜが下流という役割と立ち位置でワンストップでクライアントのニーズに応えていきたいという視点が最初にあります。

先日QUESTIONさんで実施した業務提携イベントで「協業というかたちでパートナーシップを結ぶことと業務提携は何が違うのか?」と質問が出たのですが、そのときは「経営者の2人が仲が良い」とか「互いのリソースを自社リソースのように使うことができる」と答えたのですが、もっと他に明確な答えがあるはずだとしっくりきていませんでした。

改めてこの対談記事を読んでいて、ある大切なことに気付きました。書かれている「コレクティブ型」と「インハウス型」のハイブリッドな組織の在り方は"はたらくデザイン"への新しいアプローチだと捉えることができるんじゃないのだろうか?新しいことへのチャレンジのための良い会社づくりを"はたらくデザイン"の定義だとするとき、この業務提携では「コレクティブ型」と「インハウス型」のハイブリッドな組織として良いチームづくりに挑むことができる。この業務提携が良い会社とは?を良い組織・チームとは?という概念に拡張してくれている感覚です。

この感覚は業務提携にとっても"はたらくデザイン"的にもとても大事で、これから課題は出てくるだろうけれど、ボクの"はたらくデザイン"は次のフェーズに行ける気がしています。

ボクと岩崎くんはよく「おいかぜのスタッフとマガザンのスタッフで人事交流があってもいいよね」とか「京都でクリエイティブに関わりたい人がボクたちの業務提携を目掛けてくれて、おいかぜに入るかマガザンに入るか悩んでくれたら面白いよね」ということを話しています。

おいかぜマガザンは別の会社ではあるんだけど、この業務提携のチームに関わりたいと思ってくれること、そういう良いチームにしていくことはボクの"はたらくデザイン"としての新たなチャレンジでもあると思っています。

4、これからの10年くらいの目線

おいかぜが30周年を迎えるころ、ボクは60代を目前に控えているわけですが、それほど未来を明確に想像できているわけではありません。でもおそらくこの5年10年の基礎みたいなものが、この20周年で出来上がったと思っています。

それは組織としての形であったり、ウエダ本社さんやマガザンさんとの業務提携はもちろんなんですが”はたらくデザイン事業部”という概念であり事業でありボクのスタンスのようなものが朧げながらカタチになってきたことだと思っています。

ボクはこの20年間”だれかのおいかぜになる”という抽象度の高い言葉を掲げて、比較的具体性のある事業をやってきました。それは”おいかぜ”とはいったい何なのか?ボクたちは何をして世の中の役に立つべきなのか?ということを探し続ける20年だったように思います。ボクは言葉をとても大切にしています。でもより行動の方を大切にしています。どんなに素敵な綺麗な言葉を並べても行動できなければ意味がない。この20年間はそんなボクの行動原理そのもので、この先も続いていくと思います。

創業から10年は出自のITインフラの事業をベースにプラットフォームソリューション事業、10周年からの10年はWebサイト制作・グラフィックデザインの事業でプロダクション事業、これからの10年は"はたらくをデザインする"というミッションを軸に京都で働き・暮らし・遊ぶ人たちのプラットフォームを実現するはたらくデザイン事業を、そして"だれかのおいかぜになる"という言葉を世の中に残していきたいと思っています。

どんな10年のことを語っても、1年を、1ヶ月を、1週間を、1日を、1時間を、1分を、1秒を積み重ねていくしか未来はない。

そんな株式会社おいかぜの22年目のスタートです。

今期も“だれかのおいかぜになる“ために、ビジネスだけでなくあらゆることで風らしくフレキシブルに愉快なおいかぜに。

第22期も株式会社おいかぜを何卒よろしくお願い致します。

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