ハロウィーンとワルプルギスの夜
ケルト人は、1年を寒期と暖期に分けてその境の日を祝いました。ケルト人とは、ゲール語を話し、紀元前はヨーロッパ大陸の北西部(現在のフランス・ドイツ・スペインなどの地域)に居住し、その後ローマ帝国との戦いに敗れてアイルランドに移住した民族を指します。
ケルトの祝祭のひとつは、春の訪れを祝うワルプルギスの夜祭 (4月30日)で、もうひとつが、秋の収穫を祝うハロウィン祭 (10月31日)です。これらは、対を成している行事で、そこには根源的な共通点があります。
その二つの祭日は、どちらも、この世界が死者の住む異界とつながる日とされていて、その夜は、こちらの世界にやってくる死者を偲びました。しかし、異界からは善き故人だけでなく悪しき何かもやってくるのです。
そこで人々は、精霊・魔法使い・モンスターに仮装することで、彼らに敵意が無いことを示しました。そして、彼らを温かく迎え入れることで、邪悪から身を守ったのでした。
二千年以上も前から行われていたケルト人のお祭りは、現在では、様々に形を変えて世界に広まっています。
11月1日は、ケルト暦では新年の元旦になります。
追記。
「ワルプルギスの夜 (Walpurgisnacht)」と「ハロウィーン (Halloween)」の名称は、キリスト教の影響で付けられたもので、古代のケルトでは別の名称「ベルティン」「サウィン」と呼ばれていました。