「助産所分娩を1件でも増やすセミナー」(第2回)開催要旨
SBSK自然分娩推進協会では、代表の荒堀憲二(産婦人科医師)よりメルマガを配信しています。
今回は、2024.10.20配信のメルマガ内容です。
第2回セミナー(2024.10.19開催)
さて第2回セミナーの様子です。
第2回セミナーは、「産み場所や産み方の選択肢を与える」というテーマでした。
初めに私から、概括的なことを簡単にお話ししましたので、その点をお伝えします。
妊娠前後の女性に、お産に関して選択肢を持ってもらうということは、お産に主体的に取り組むために非常に重要なことです。
初めから自分で選択する気のない人や、自分でできない人は、産ませてもらうお産に頼るしかないので、今回のセミナーで取り込もうとする対象ではありません。少しでも興味を示す女性を取り込むことがまずは重要です。
そのためには選択肢については、助産師が分かり易く、興味深く伝授することとその機会を設けることが絶対に必要です。
厚労省も見える化対策で、ネットで分娩施設の情報を乗せるようになりましたが、あのネット情報では不十分です。
何より初めに基本的な情報を持っていないと、普通の女性は自ら探す行動に移れません。
そのためには、ヨーロッパやニュージーランドの様に、妊婦に対してまずファーストタッチで助産師が、女性の希望に配慮しながら時間をかけてじっくり納得できるまで、説明をする機会が必要です。
その中で自宅や助産所という選択肢のあることに興味を持ってもらえれば、その人たちの一部は助産所を選んでくれるのではないでしょうか?
助産所で産んでもらうためにという話ではなく、ローリスクやハイリスクの女性であっても、「あなたにとっての産み場所産み方相談カフェ」、のような、情報提供と寄り添いができる助産所があれば、大いに安心できるものと思います。
本当は母子手帳を発行するときに、その確認作業ができれば、広く伝わるのですが、現段階では無理だと思います。
助産所だけでなく、町や行政でそのようなSpotを作り、助産師がそちらに出かけて話し合えると良いと思いますね。
ローリスクの産婦の最終結果(産み場所によって何%が正常産であったか、何%帝王切開などであったか)のグラフを示して、自宅や助産所分娩と病院分娩の比較を示し、私の概説は終わりました。約6分でした。
講演「産み場所選択の重要性とフリースタイル出産の実際(助産所編)」 講師:澁谷貴子
講演「フリースタイル出産の要点」 講師:笠松堅實
そのあと、生み場所や助産所のきめ細かなケアの実際については澁谷先生の講演がありました。生み方は、澁谷助産院でのフリースタイルの様子を供覧頂きましたが、笠松先生も自院で長年畳の部屋でのフリースタイル分娩をやってこられたので、分娩の科学的な機転も含めてお話をしてもらいました。
講演後の討議・フリートークについて
終了後の討議が大変興味深いものでした。
例えば、臍帯結紮はいつがいいのか、結紮時期と多血症や黄疸と関係あるのかどうか。
議論には、助産師、小児科医、産科医、オブザーバーの日下先生(元湘南鎌倉バースセンター院長)も元気に参加してくれましたので、盛り上がりました。結論からすると、遅い方が良いとする意見が多かったです。優先順位の捉え方の違いが、結紮時期の選択に影響していることが分かりました。
また受講生から、「早く結紮すると、赤ちゃんが怒って睨みつける」など、産科医には思いもよらない話も聞くことができて、とても勉強になりました。
このような内容の一部は、ガイドラインをどう読むか、というテーマでまた後日講義をします。
しかしガイドラインは100%正しいわけではないので、産科医、小児科医、出産後の赤ちゃんを最もよく観察している助産師、が一緒に議論することの重要性に触れた瞬間でした。
ともあれこのように楽しい雰囲気でセミナーを続けていきたいと思います。
次回は10/26、「無痛分娩」がテーマです。
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