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「助産所分娩を1件でも増やすセミナー」(第11回)開催要旨

SBSK自然分娩推進協会では、代表の荒堀憲二(産婦人科医師)よりメルマガを配信しています。今回は、2024.12.22配信のメルマガ内容です。


講演「助産師に好きにやらせてみた開業顛末記」

講演:「助産師に好きにやらせてみた開業顛末記」
講師:中村薫(産婦人科医、一般社団法人日本助産所会 嘱託医師)

初めて勤務した出先の病院で、部長から
「中村君、帝王切開と決めたら、なるべく早くせんとあかんよ」と言われた。
「そりゃそうですよね」と頷くと、
「早くせんとなぁ、下から元気で生まれてくるから、すごく気まずいぞ~」
「は?」「そんなええ加減な学問だったん?」

講演「助産師に好きにやらせてみた開業顛末記」より

こんな吹き出しそうな想い出話から、中村先生の開業顛末記は始まった。
中村先生は、産婦人科医としての経験を振り返る中で、転機となったのは、若いころに70歳を超える産婆さんと出会ったことだった。産婆さんの患者に寄り添う姿勢に感銘を受け、医療は病気だけでなく人間性も重要だと学んだという。

息まなければ会陰切開を必要としない、という自然分娩のコツや、従来の産科医療の問題点に気づいたことで、自身の医療観を変えていく過程を、訥々と語る。

しかし、そのスタイルを出張先の病院で貫くことはできなかった。

分娩の美しさと助産師の役割、フリースタイル出産の重要性、これらの熱い想いに駆られて、1998年に開業を決意した。また、自然派の医師や助産師の多くがそうであように、先生もまた開業準備中に吉村先生とも出会っている。

開業してからは、自然分娩を重視し、フリースタイル出産を推進し多くの母親に感謝され、達成感を得られた。お産でのトラブルもあったが、しかし20年間楽しく頑張れたのは、お母さんたちとスタッフのお陰だった。

地域の分娩数の減少とスタッフ確保などの運営に苦労したが、やれるだけのことはやったという自己満足感をもって、閉院を決定したという。その心を陶淵明の詩で表して中村先生の話は終わった。

クリニックを閉鎖しても、開業助産院が誕生すれば、それはめでたいことである。その場で助産院は誕生しなかったが、中村先生はいま、日本助産所会の嘱託医となって、多くの助産所を応援している。


セミナー全11回が終了しました

これで全11回のセミナーは無事終わりました。
短期間の集中講義で、さらに土曜の夜という時間帯で、本当に良かったかどうか、内部でも意見がありました。

SBSKとしては初めての本格的なセミナーで、よかった点、反省点、いろいろありますが、とにかく無事終えることができて、ホッとしています。

参加者からは「期待以上であった」「満足できた」「自然分娩を大切にしようとする多くの人たちがいて力をもらえた」など多くの感想を頂きました。一方で、これが「一件でも増える」に直結するのか、という意味での疑問もあったと聞いています。

講義内容を基に、各人がどのような行動をとるか、それが最終的な成果に結びつくと考えています。

私たちもこの経験をもとに、さらに良い活動につなげていきたいと思っています。

受講者には修了証を配布(※)し、自然なお産をとり戻すための仲間として、連携を取り合っていくことになっています。

みんなの力で、日本のお産をとり戻しましょう

※修了証は、Memidサービスから受講者ご自身でダウンロードしていただけます。


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