出産の医療保険化について⑥
SBSK自然分娩推進協会では、代表の荒堀憲二(産婦人科医師)よりメルマガを配信しています。
今回は、メルマガ95号(2023.06.20)の配信内容です。
前回(出産の医療保険化いついて⑤)では、産婦人科医会と助産師会の関係について、そして今後「内因性オキシトシン分泌の多い、満足度の高いお産」のために制度化していくべき項目についてお話しました。
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6月19日の自民党内での「出産費用等の負担軽減を進める議員連盟」の会合で、出産ケア政策会議からの予告質問に対し、厚労省の担当課長から
「助産所でも出産の医療保険化を進める」との明確な答弁があったそうです。
これで日本のお産の未来が閉ざされずに済みます。
古宇田さんと井上清成弁護士さん、ご苦労様でした。
日本の大切なお産を残すため、各人一層の奮闘をお願いします。
出産の医療保険化と保険点数
— 2つの課題 —
保険点数をつける場合、2つの解決すべき課題があります。
【1】 どこまでを保険の対象とするのか
例えば高級な個室料や食事費、あるいは新しく高額な医療費、については自費で支払うことになっていますが、お産の場合も同じ問題を解決する必要があります。
さらにお産費用については地域間格差の問題もあります。
【2】 出産保険の点数化をどうするか
「正常妊娠は病気ではない」という従来の認識に立つなら、他の疾病時の医療保険とは一線を画して非医療的な出産保険を設定する必要があります。
この辺りは法理論上の問題もあるので、後日SBSKの井上弁護士さんに解説をお願いする予定ですが、いずれにしても分娩と産前、産後に要する処置やケアを現物給付して、それらに保険点数という重みをつけて支払う仕組みに変わると思います。
なので、まず各々のサービスを点数化する必要がありますが、その作業には現場の医師や助産師、特に助産所助産師は参加するべきだと思います。
ここで一つ重要な問題があります。
助産所は医療保険の制度に入れるのか?という問題です。
入れなければ助産所を潰すことになりますから、私はそれはないことを前提に話を進めてきました。そして文頭のニュースのとおり、助産所も医療保険制度を使って分娩を継続できることがはっきりしましたので、私の読み通りでした。
厚労省も助産所の意義をある程度認識しているからだと思います。日本の官庁に日本らしさを守る意識が残っていたことに感謝します。
出産費用等の保険点数の試案(たたき台として)
さて実際の点数化については3つの試案をもとにSBSK内で話し合いました。その概要を井上弁護士のオンライン記事を基に説明します。もちろんこれらは試案でありオーソライズされたものではありません。
最終的に厚労省が決め国会が承認するものですが、その前に意見募集もあると思いますから、意見を出すためにもぜひ皆さんの議論のたたき台にしてみて下さい。
Vol.23098 出産費用等の保険点数表の各種試案(弁護士 井上 清成)
2023年6月8日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行
↓長くなりますので、次号に続きます↓
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