読書日記(2023.8.25) ララムリとワラーチ
阿川弘之 『志賀直哉 上』 新潮文庫
志賀直哉の「松江時代」について調べるために該当部分だけ読んだ。
昼間から里見弴と宍道湖でボートに乗って遊ぶような暮らしをしていたら、志賀直哉の下宿に巡査が毎日やってきたという話が書いてあった。
志賀作品を読んでから、この本読むと作品成立の背景が頭にイメージできる。
しかし、読書会をやっていなかったら、志賀作品、こんなに丁寧に読まなかったと思う。読書会で扱って、すごい作家だとわかってきた。
NHKBSで放送していたグレートレース「走る民族の大地を駆けろ!メキシコ大渓谷250km」をみた。
BSのトレイルランレースの番組が、最近好きで、録画してみている。
メキシコのコッパーキャニオンという山岳地帯でのトレイルレースのドキュメントである。犬のチワワはこの地方原産である。
この山岳地帯は名前の通り銅が採れる。先住民のララムリという民族がスペイン帝国の侵略で、山岳奥地の移住を余儀なくされたが、彼らは、山の中をサンダルで走るという特技を持っている。
そのララムリの生き残り達たちと、プロトレイルランナーが熾烈なレースを繰り広げる。
ララムリは、ワラーチという古タイヤで自作したわらじで、トレイルするのだが、むちゃくちゃ速い。
ロシアサンボがむちゃくちゃ強かったみたいな衝撃であった。
この山岳地帯には、人懐こい野犬がたくさんいて、ランナー達と一緒に何十キロも嬉しそうに並走していた。その様子が、かわいらしくて、なおかつシュールだった。
森谷司郎監督 『日本沈没』 (1973年)
半分見た。
日本列島が大地震に襲われ沈没するという話。
藤岡弘、が主演格である。
藤岡弘、といしだあゆみのラヴシーンもある。
チープなミニチュアセットの街並みが、大地震の業火に包まれるシーンが延々と続き、子供だまし感が半端なかった。
首相役を丹波哲郎が演じ、皇居前広場に集まる群衆を、宮城内に非難させるために開門する決断をする。政治的だなと思ったのはこのシーンくらいか。
「ワイルドライフ」とかと同じ、環境ドキュメンタリーとしてみてしまった。
パニックムービーをほとんどみないので、こんなものなのかなあという印象。芝居もテンポが悪いし、伏線を張ってストーリが進むわけでもなく、場当たり的なパニックに、みんながおろおろする様子が終始描かれていた。
(おわり)