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読書日記(2024.8.19) 知的生産の技術
読書どころではない。暑い。
先日読んだ梅棹忠夫の『知的生産の技術』に触発され、早速カード作りをしている。
この本には、ひらめきやとりとめのない思考などをカードに記録して、それら断片的な知識を、あとでまとめて作文やコンテンツのネタにするという技術について書いてある。
私は学者ではないので、論文を書くためにカードを書くわけではないが、YouTubeのライブで雑談をするにあたって、ある程度のネタのストックがないと、何も話すことがない。
自分の雑談も、プライベートの切り売りみたいな、ファミレスで日夜繰り広げられる、しょうもないものではなく、できれば、リスナーの知的好奇心をくすぐるものであって欲しい。
先日、『ココ・アヴァン・シャネル』という映画を観ていたら、ニーチェの言葉が引用されていた。シャネルは孤児で、ちゃんとした教育を受けていないのだが、イギリス人の愛人が教養ある人で、彼女は知的な書物を勧められるのである。
それらを独力で読みはじめて、メキメキ教養を身につけて、社交界で成り上がるのである。
愛人に最初に勧められていたのは『貧困の哲学』だった。
その後ニーチェを読むようになる。
うろ覚えだが、ニーチェのこんな引用を口ずさんで、シャネルがひどい箴言だ、と怒っていた。
「肉体労働は心の痛みを解放する、ゆえに貧者は幸福だ」
映画を見終わって、思い出して、カードにメモったのである。
ハンナ・アーレントはニーチェを嫌っていたが、『人間の条件』の中で、労働の疲れを癒すのが、大多数の人の幸福だと書いていた。
労働の後に食べる、自分へのご褒美、すなわちスタバのコーヒーとかコンビニスイーツとか二郎インスパイア系とかである。労働の疲れを癒すものが、多くの人間にとっての幸福なのである。
労働は、人間関係の煩わしさからくる心の痛みなどもたらさない。単純作業は思考を奪う。心の痛みは、人間関係でクヨクヨ悩む時間があまっているから起こることで、単純作業していれば、クヨクヨ悩んでいる暇はない。
マラソンとか山登りとかも、心の痛みを忘れさせる。
肉体労働で思考を放棄して、自分へのご褒美で小さな幸福を感じていれば、普通は、そこそこ人間的な幸せなのである。
『刑務所の中』という漫画があり映画化されている。
YouTubeに抜粋がアップされている。
懲役囚である山崎努も松重豊が、いかに刑務所において食事に幸せを感じているかが詳しく描かれている。
(おわり)
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