自分の環境は自分で作る マインドセットの整え方
前回、思考法はマインドセットであるというnoteを記しました。
僕自身、人のマインドセット構築に携わることがあります。また特に今年は、自分自身がマインドセットを転換することにも取り組みました。
簡単にマインドセットと説明しましたが、実はこれを変えることはとても難しいです。
基本的に人間は自分で考えたことや見つけたものを正しいと考える習性があるそうです。そのため大企業やプロフェッショナルな職業分野ではこの習性を避ける仕組みや考え方が設けられています。
例えば軍隊では、2人1組で行動するとき、1人は前をもう1人は後を警戒します。前を警戒する人が安全を確認した場所でも、後を警戒した人が安全を確認し、前を警戒する人は後を警戒する人の判断に無条件で従うことで確認のミスを無くすという考え方です。
マネジメントではこうした考え方や方法を適切に発見、導入することが求められます。
とは言えミスは起こりますからこれがなかなか難しいわけですが、問題はここからです。
先ほど「プロフェッショナル」と記しましたが、実は高度にプロフェッショナルな人ほどこのような考え方を理解していることが多いのに対して、そうではない人ほど自分自身の考えに固執しやすいからです。
これはダニング・クルーガー効果として知られており、能力の低い人ほど自分自身を高く評価するという認知バイアスに基づくものです。
そのためマインドセットを変えるということはとても難しいです。例えば今この文章を読んでおられる方は、マインドセットについて知ろうとしている方ですからすぐに取り組むことができます。しかし他の人にこの文章を勧めたときに、「そんなのは嘘だ」と言う人のマインドセットを転換することはとても難しいです。
僕が仕事で企業の方と携わるときには、相手のスイッチング・コスト(これについては別の機会に記します)を考え、より大きなメリットを示すようにします。ビジネスだけでなく学生さんも同じです。「○○はよろしくない」と言っても聞いてもらえない学生さんには、その学生さんが興味のあることで、例えば「それ萎えるなぁ、カッコ悪いわ~、絶対モテないわ~」などと言うと意外なほど効果があったり(笑)。
そこで今回は専門的な技術などはさておき、どのようにしてマインドセットを再構築したらよいかについて考えたいと思います。
・言葉遣いを変えてみる
言葉遣い、まずはやはりこれです。
物事がうまくいかないときや気持ちが沈んだり荒れているとき、やはり言葉遣いに表れます。言葉の選び方や口調など明らかに気持ちの影響を受けます。
僕は趣味というほど熱心ではありませんが、数年前から短歌を始めました。講義や論文など言葉遣いには気を付けている方だと思いますが、あるときもっと美しい言葉を使いたいと思うようになったからです。
言葉遣いが変わると様々なことが変わります。僕はうまくいかない企業など、必ず言葉遣いから指摘します。
これについては、以前「丁寧な言葉で話す丁寧な気持ちで話す」というnoteを記しましたので、こちらもお読み頂ければと思います。
https://note.com/sbelabo/n/n828dbedb13a5?magazine_key=m5f8415e28f89
・人付き合いを変えてみる
人は環境に適応する生き物です。考え方や価値観も影響を受けます。自分のやりたいことがうまくいかないときは属するコミュニティを変えてみるのもよいかもしれません。
学生さんに必ず話すことの1つで、概ね中学生までは自分の環境や人付き合いを変えることは難しいです。でも高校生からは、特に僕が関わる18歳以上の方は自分で自分の環境を選ぶことができます。尊敬する人や一緒に仕事をしたいと思える人のコミュニティに加わることをおすすめします。
ちなみにこれは僕の失敗の例ですが、僕が自分のマインドセットを変えられたのも人付き合いがありました。
自分が嫌だと思う考え方や言葉遣いが出る人との付き合いはやはり良い結果は生まず大変な思いをしました。これは僕の経験ですが、人に嫌な思いをさせる人ほど相手のことを考えていません。逆に自分にとってプラスになる人ほど大切なときに気にかけてくれます。
・身だしなみを整える
不思議なもので、物事がうまくいかないときほど、身だしなみが疎かになります。要は色々なことに気が回らなくなるのです。別に高級なものを身につける必要はありません。自分の身の丈にあったものでよいのです。身だしなみを楽しむことができれば、他のことにも変化が表れるものです。
そうそう、僕が大学の教員になることが決まったとき、ある方から教えて頂いた話を紹介したいと思います。
例えば仕事の服装など、自分の月収の10%の革靴を選ぶように教わりました。スーツや鞄なども、これに合わせて選べば間違いないです。見方を変えれば、こうした気遣いができない人や、不必要に華美な人は避ければよいと。
身だしなみでコミュニティを考えるのもよいでしょう。この話は就職活動をする学生さんにも話すようにしています。
・少し背伸び
これまで記した言葉遣いや人付き合い、身だしなみなども含めて、僕は「少し背伸び」することを勧めています。
この言葉はとある企業(日本のある分野で独占)の経営者の方から伺ったことばです。
どんなときでも「少し背伸び」、目標や目線、考え方、物事への取り組みなど、あらゆる場面で少し背伸びをしなさいという考え方です。このとき「いっぱい背伸び」をしてはいけません。ちょっとしたことで転んでしまいます。
ちょっと背伸びをすれば自分の頭の高さが見えますし、いつの間にか自分より高い人が見えて、もう少し背伸びができるようになります。
この言葉も僕の好きな言葉で、僕自身心がけるようにしています。
先にも述べたように、この文章を読んでおられる方は、既に新なマインドセットを構築できる方だと思います。
そんな方々の参考になればと思います。