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頚椎の機能解剖学

皆さん、こんにちは!
普段、交通事故後の患者さんをよくみています。
患者さんがよく頚部痛、頚部から派生する頭痛、肩痛を訴えられます。
頚部の機能解剖について2回にまとめました。
今回は筋、次回は血管・神経についてまとめます。
お時間ありましたら、お付き合いください。

頚椎は、7個の脊椎から成り、上位頚椎と中・下位頚椎では形状が大きく異なる。

体幹と脳とをつなぐ部位であり、交通事故後やディスクワークでの慢性疲労などで頭痛、頚部痛、肩痛を訴えることが多い。
今回は、頚椎の機能解剖について、
私が重要だと考える順に私見をまとめる。
まず、筋
頚部は、小さな骨に対して、多くの筋が存在する。
特に、頚部伸筋群は4層になっており、
詳細は、

頚部筋の詳細

むち打ちを診る上で必要な知識③筋


をご参照ください!

その中でも、僧帽筋、胸鎖乳突筋、斜角筋群、頭長筋・頚長筋についてまとめます。
僧帽筋
 全体として両肩甲帯を脊椎に連結し、胸壁に安定化する。
下行、横走、上行部に分かれ、それぞれ作用が異なる。

注目したいのは、横走部。特に、起始部。
腱性に始まる第7頚椎の棘突起を中心とする部分は腱鏡と呼ばれる。
腱鏡とは、菱形を呈する停止腱のこと。
https://visual-anatomy-data.net/comment/ka/ke-sehnenspiegel.htmlより


胸鎖乳突筋
 頸椎の回旋運動と屈曲運動を司る重要な筋である。両側の胸鎖乳突筋が収縮すると、胸骨。鎖骨を挙上するため、胸郭を拡大させる呼吸補助筋の働きをもつ。
 運転中の追突外傷では、頚椎の急激な伸展が発生し、胸鎖乳突筋が頚椎の過度な伸展を防ぐ主要な防御金として働くため、筋挫傷が発生する。この際、胸鎖乳突筋の筋腹に著明な圧痛が認められる。頚椎の伸展により、頭長筋、頚長筋、斜角筋群も伸張される。





斜角筋群
 頚動脈鞘は内側に存在し、その下層に前斜角筋が観察できる、
 前斜角筋は第3~6頚椎横突起より起始して第1肋骨の前斜角筋結節に停止し、その下層には第5頚神経~第1胸神経からなる腕神経叢の上・中・下神経幹が観察できる。
 腕神経叢の後面には中斜角筋、後斜角筋がある。
 頚動脈鞘と頭長筋の一部を切除すると、腕神経叢を構成する第5頚神経から第1胸神経までの根がより明らかになる。後方にあるのは中斜角筋である。
 上肢を引っ張ると神経根の上位部(C5,C6 上神経幹)が伸張する。分娩時に新生児の腕が引っ張られ、腕神経を損傷することがある。
 腕神経叢の神経束が観察できる。腕神経叢が前斜角筋と中斜角筋に挟まれている。
頚椎の後屈では舌骨下筋、舌骨上筋、頚動脈、前斜角筋が伸張する。
頚椎の側屈と回旋および上肢の下制により中・後斜角筋と腕神経叢が伸張する。この際に、腕神経叢が胸郭の出口付近で必要以上に伸張・圧迫される病態がTOSである。


頚長筋、頭長筋
 どちらも頭部を前方に曲げる(前屈)。しかし、筋腹が薄く運動軸に接近しているためその働きは弱いと考えられる。
 頚長筋の機能は頚椎前弯を支えることや、頚部の屈曲と言われている。Conleyらは頚部の伸展・屈曲・回旋・側弯の4運動をMRI撮影し、頚部の筋の働きを評価したところ、頭長筋と頚長筋は頭部の屈曲に働くことが再確認された。
 頚長筋、頭長筋ともに頸椎前面を被い、椎体前面の中央線から左右対称に走行する。

引用・参考文献
山下敏彦監):モーション解剖アトラス脊椎、MEDICAL VIEW、2010
岩﨑 博執)、山田 宏監):脊椎エコーのすべて 頚肩腕部・腰殿部痛治療のために、日本医事新報社、2021年、5月
坂井建雄他)監訳:プロメテウス解剖学アトラス解剖学総論/運動器系第3版、医学書院、2019年、1月

まとめ
交通事故後の患者さんをよくみる機会が多い。重要だと考えている筋についてまとめた。筋の詳細な動き方はモーション解剖アトラス脊椎をご参照いただきたい。

最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。
頚部ついて、皆さんの疑問、ご意見等ございましたら、コメントによろしくお願いいたします。

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