サイゼの社長が食べにきた

 ゲラゲラ笑い合った。

 ラッセのホールの角の席に座っていた 

キッチンから僕が顔を覗かせた瞬間に目があって2人ともニカーって笑った。

 話す前から打ち解けあった様な雰囲気で近づいていって、もうお互いに「ありがとう」の連発(笑 

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 3週間前に本間さんが僕について書いた記事https://note.com/txoko/n/nf89e5b898271がきっかけで、いつの間にか食べに来ていたのです。 

ディナーが落ち着いた頃にホールスタッフがお客様から名刺頂きました!って見せてもらったのがサイゼ社長の名刺。

 サイゼのバイトって能力に応じてスアンダード&プアーズの企業格付けみたいになってて、僕は一番下のC、たまにしか入んないからね。 一番下っぱの僕と社長のゲラゲラ談話のお話しです。 

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村山)まじっすか!?お越し頂きましてありがとうございます(笑

 堀埜社長)いやいや、お礼を言いたくて、ありがとう!早速食べに来たよー 

村山)ありがとうございます!僕が働いているサイゼの店長に記事の事LINEで送ったら、サイゼ本部が既にザワついてるって聞いて(笑  もしかしたら食べに来てくれる日が来るんじゃないかな?って薄々考えてたんですが、こんなに早く来るとはビックリしました。

 堀埜社長)すぐに調べて予約したんよ。 こりゃ食べにいかなって! しかし料理に主張があるねー! なんでこの出し方してるの?

 村山)日本人は食べる量が人それぞれなので締めのラーメンをイメージしてコース後に量が選べるパスタで腹一杯にしてます。 イタリア料理の流れだとアンティパスト、プリモ、セコンド、ドルチェの流れですが、うちはワインを美味しく飲んでもらいたいから魚も前菜に持ってきて、スパークリング、白、赤と順番通り飲める様にして、締めのパスタもいつも肉系でガッツリ出してます。 

堀埜社長)味の主張が強いねー! 

村山)ありがとうございます! しかしサイゼのエスカルゴのオーブン焼きは、むちゃくちゃ美味いですよ!あれは絶対に敵わないです。あんなに大粒で柔らかくて味がしっかりあってオイルも良いの使ってて、野菜の切り方も煮込み方も抜群のバランスです!フォカッチオと一緒に食べると最高です! 

堀埜社長)オイルはね最高の発酵バターを使ってるんよ。厳選して相性の良い物をたっぷり使って丁寧にやってるんよ。エスカルゴを食べた後にオイルにホウレンソウをグイッと入れてつけて食べるとこれがまた美味いんよ(笑

 村山)旨そう!すぐやりますそれ食べます(笑  すげえ!よくそれで399円で出してますね。やっぱりすげえ!敵わん。 セロリのピクルスも大好きで、メニューにあると必ず食べるんです。

 堀埜社長)セロリも素材を厳選して、真ん中の柔らかいところだけをピクルスで使ってるんよ。両端は他の事で使ってるんよ。スジがなくて歯応えもシャキシャキしてて香りも良いところだけで作ってる。 ところで、ペペロンチーノ食べた?どやった?ニンニクの匂いがなかったやろ?あれ、あのニンニク臭みがないのを開発したんだよ。

 村山)食べましたよ〜!めちゃ好きで、ダブルで頼んでさらに唐辛子いっぱいかけて、チーズかけて腹一杯食べるのが大好きなんです! 匂いも無くてニンニクのコクがたっぷりあって本当にイタリアそのものなんです! そして、サイゼのバイトが楽しすぎて、働いているみんなと飲み会したりして、高校生から僕のようなおじちゃんも老若男女問わずみんなでワイワイ出来るのが本当嬉しくて(笑 

堀埜社長)フラットにしたんよ。本部も肩書き無くしてみーんなフラット(笑 

村山)責任の重さの違いはあれど、人間フラットはめちゃくちゃ重要ですね!僕は当たり前だと思うんですけど、いわゆるガストロノミーの世界は未だにヒエラルキーが存在してるのですが、ラッセは無くしてます。みんなでゲラゲラ笑える環境が大事だなぁ、と。ヒエラルキーがあると人間と人間の壁が出来てコミニケーションがぎこちなくなるので、無い方がいいんですよね。そこがサイゼで一番感動したんですよ! 

堀埜社長)仕組みもどんどん変わっていってるんよ。グリストラップも新しいのを開発して、東京都の許可申請を出してるところだよ。

 村山)あ!前から開発してたって聞いた、掃除をしなくて良いグリストラップですが?これって社内秘じゃないんですか?あれって日本の衛生に関する法律に基づいてるから、新しく法律も変える申請もしてるって事ですか?

 堀埜社長)大丈夫大丈夫(笑      うちはぜーんぶオープン!そう、まず東京都で申請しててそこから日本全国に広げてゆく!

 村山)すげえ!一番大変な仕事が一番楽になれば、現場で働くスタッフ達はどんなに楽になるだろうか!その先に、僕らの様な個人店にも普及していったら飲食業界がどれだけ変わるか想像が出来ます。法律を変える事が出来るのもサイゼの凄さです! 僕がサイゼで学んだ事は、細部に渡って合理的に最短で働ける様に設計してあるところですね!サイゼもラッセもいわゆるテーブルフルサービス業態は、どれだけ営業以外の手間を無くしながらクオリティを上げるか?にかかってると思います。ちょいちょい抜粋してラッセで活かしていますが、未だにやる事が多過ぎて良い影響を与える事から取り掛かっています。 ガストロノミーの世界でよくある話は朝7時出勤で終電で帰るって事ですね。ラッセでは10:00時出勤で2時間休憩ありの22:00前には帰ります。実質10時間働くかギリギリのところまで仕組みを変えてきました。たぶん星を持ってるレストランでは最短労働時間なんじゃないかと思ってます(笑    

最近、サイゼでは正垣会長の脳波を測定して記録に残そうって動きがありますよね?

 堀埜社長)そうそう!正垣会長の味覚は尋常じゃない領域なんだよ。前にわざとリゾットにエクストラバージンオリーブオイルとピュアオリーブオイルを混ぜて出したら、速攻、混ぜとるやろ!!って勘付かれた(笑       専門の部屋を作って、会長が食べた時に脳波がどう働くかを解析して今後の商品開発に活かす事を探ってるんだ。 会長はとにかく考えがぶっ飛んでるんだ(笑 

村山)正垣会長の考えが大好きで、サイゼの社是があるじゃないですか。 

「人のために  正しく  仲良く」

 って、めちゃ好きなんですよー                            ガストロノミーの世界で、人材が転々と店を変わり成長していき、ある程度年齢になったら独立するってよくある話ですが、「自分の考えに沿って働き口を変えて自分が目指す味を追い求める」事にこだわり過ぎて、人のためにって本質を見失い潰れるお店が多いんです。自分が主体になってる所は潰れちゃう。 うちはやっと10年目ですが200回来てる人もいます。 

堀埜社長)正垣会長は、飽きられることは無い!って断言してるよ。それは※設計が悪いんだっていつも言ってるよ。

 ※設計って、お客様の事を考えて、店舗デザインからとてつもないほど細かな所や、スタッフの所作の動きの流れまで考えて事前に全てを計算しながら目標のPL、FLを上振れ下振れさせる事なく予想通りを見通したビジネスモデルの設計です。 

村山)やっぱりそうですよねー! 僕が働いているサイゼのお店は毎日祭りですもんねー(笑) 階段の下まで行列できますもん。ラッセはまだ1店舗なので、細かな所まで合理化を進めてクオリティが必要な部分と時間を確保する為にサイゼで学んだ事を応用しています。それをみんなで書きためてマニュアルを作り土台を作っています。

 堀埜社長)今度からは、サイゼリヤのみんなを連れてくるよ。正垣会長が来たら宇宙の事やらブッ飛んだ話ばかりするから独演会になるよ(笑)良い? 

村山)うわぁ〜!めっちゃ楽しみにしてます!!

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