【堺シュライクス】布施航が魅せたヘッドスライディング
憧れていた選手は
いきなり私事だが、かつて阪神タイガースの亀山努に憧れていた。ヘッドスライディングがかっこよかったのだ。以降駆け抜けた方が速いと言われようがヘッドスライディングをする選手が好みだったりする。そういや当時の阪神は関川だったり桧山でさえもヘッスラしてたなぁ。
え、この前シュライクスの練習に参加した時頭からこけてなかったかって?あれも亀山の影響・・・ではない。
5月6日の顛末
さて、話を強引に戻す。
5月6日、兵庫ブルーサンダーズとの一戦。なんとかこの試合に勝ってGW中の対兵庫戦を勝ち越したい。そんな試合だったが、プレイボールとともに雨粒が落ちてきた。
1回に堺が神原のタイムリーツーベースで先制すると、3回に兵庫の浅川が振り抜いた打球は強風にも乗りレフトのフェンスを越えた。
その裏、堺の真路が二塁に進み、JJがライトフライに打ち取られたところで試合が中断した。
中断直前の状況はこんな感じだった。
JJ、かっこいいんだけど、ほとんど雨粒である。
大急ぎでシートが用意されるも、既に水が浮いているグラウンドでは無力。
しばらくの中断後、ノーゲームが宣告された。
(既にグラウンドはぬかるんでいる)
斉藤力も好投していたし、打線も押せ押せの場面だっただけに悔しいが、次の試合にとっておいてもらおう。そうしよう。
まだまだ満足しないモズっこたち
ノーゲームが宣告されてすぐ、スタンドの堺応援団が、声を出し始めた。
「走れ!走れ!布施!」「走れ!走れ!拓人!」「走れ!走れ!根本!」
お、これは雨天ヘッスラの流れか。誰が出てくるんだろうか。
すると堺ベンチからも声が聞こえてきた。「そーれ走れ!走れ!布施!」
あー、ベンチでもやっぱり布施キャプテンが走る流れなのかぁと思っていたら、次の声が「おら、布施はよ走らんかい!」というドスの効いた声。
聞こえてきたのは全部藤江コーチの声でした。いつも通りだ。
そして
雨天の中精一杯キャプテンは楽しませてくれた。
本当にありがとう。
ちなみに、球場で出待ちをするファンがたくさんいたが、みんな最後まで出てこない布施を待っていた。出てこない間に夏凪代表から「今日は解散」っていう宣言が出たけれど。
ちょっとだけ話を聞いた
昨年は在籍したブルズでもあまり出番がなく、私が見た試合でも、ファーストコーチャーだった。漠然と「東大阪のチームで布施って名前は美味しいなぁ」と思ったのを覚えている。
ちなみに布施は東大阪市の地名である。夢路いとし喜味こいしの漫才「我が家の湾岸戦争」でも「布施で隠居してるんや」というオチがある。
堺のトライアウトを受験して、まさかの落選。その後リーグのトライアウトで合格。その後キャプテンに就任した。
とにかくキャンプ中からいじられた。事あるごとに大西監督から「今日がお前の引退試合だ」と言われたりしていた。なんならヘッドスライディングの写真を見た大西監督が「布施のやつ?ええよ別にそんなん」というぐらいだった。
オープン戦でも調子がなかなか上がらず、ここまでも出番が少なかったが、5月3日の兵庫戦で、ついに今季初安打が出た。
ヘッドスライディングのあと、少し話を聞かせていただいた。
ー初安打、初スタメンと徐々に調子が上がってきたのではないか
「毎試合結果を出すためにとにかく準備するだけです」
ーこの後の目標と抱負を
「1試合でも多く勝って、チームが優勝できるように自分はしっかり準備して行きたいと思います」
キャンプ中の表情とはまた違う、キリッとした顔で受け答えしていただいた。
もともとキャンプからずっと猛練習を続けているところを見ていた。今それが実を結びつつある。
5月の布施航から目が離せない。