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【鷹嶺ルイ】1stアルバムLibertyレビュー/内なる思いを解放する【ホロライブ】

普段は会社員やりながらスポーツライターをしているSAZZYと言います。
主にさわかみ関西独立リーグというところでライターやったり動画作ったり写真撮ったりしてます。

さて、6月11日24時(6月12日0時)に鷹嶺ルイさんの1stアルバム「Liberty」がリリースされました。

めっちゃ今更な感じがしますが、なんとこのアルバム、10月10日付のオリコンデイリーチャートで1位を獲得したんです・・・!

ちなみにデジタル版についてはリリース直後にランキングでYUKIさんと椎名林檎さんに挟まれるというとんでもないことも…

ライターの端くれの私ですが、せっかくなので推しの新曲ということであれば・・・!と思い、アルバムのレビューに挑戦してみたいと思います。


鷹嶺ルイとは

ホロライブに所属するVTuberタレント。最近Googleで検索すると「音楽家」と出てくる。

【秘密結社holoX】の女幹部。

総帥にできない交渉を担当しており、実質「組織の司令塔」。一見クールに見えるが仲間思いで面倒見が良いお姉さん。

しかし、大事な所でミスをするポンコツ。

ホロライブ 鷹嶺ルイプロフィールページより

初配信では氣志團のOne Night Carnivalを歌い、好きな双子ランキングというぶっ飛んだものを紹介したり、人生相談を募れば深く的確な回答をリスナーに授ける。かつて営業で好成績を残していたことがあり、その高いスキルを使い、雑談中にふと紹介した商品の企業のサーバーを落とすなんてことも。

料理が得意で洋食から羊羹まで幅広く作ることができる。ホロライブ2期生の癒月ちょことの「りっちしょこら」コラボで同じくホロライブのメンバーに料理をふるまったりしている。

語学が堪能でENのメンバーなどと日本語教室を行うこともある。

配信の内容は主にゲーム実況、競馬、歌。
現在は土日にドラゴンクエストシリーズをプレイしている。
2023年5月、スーパーマリオワールドの実況中につい口に出た「ハッハー↑」は彼女の代名詞となった。

なお、ホラーゲーム実況も多く行うが「鷹嶺ルイの悲鳴からしか取れない栄養素がある」との声も。※悲鳴はホラーゲーム以外からも聴けます

目標の1つはソロライブを開くこと

アルバムコンセプト

※引用部分は主にこちらの配信から起こしたものになります。

Liberty=自由・解放
内面も外面も、鷹嶺ルイのこれまでも、これからやっていきたいこと全てを解放していきたいという意味を込めたタイトル。
アルバムアートの白いドレスの鷹嶺ルイは今までの鷹嶺ルイ、黒いドレスの鷹嶺ルイは内から解放された鷹嶺ルイ。
テーマは二面性・解放

アルバムジャケットでは白い鷹嶺ルイを抱きかかえるように黒い鷹嶺ルイが立っており、その眼は彼女の代名詞であるホークアイが輝いている。

昨年より「歌で頑張りたい」とたびたび配信でも話しており、ボイストレーニングに通ったり、VTuber歌唱王に参加するなど、並々ならぬ意欲を出していた。このアルバムの完成にも1年ほどの時間を費やしたという。

その裏には初配信でしっかり歌えなかったという後悔と、イメージを覆せないことでそこから歌になかなか踏み出せなかった経緯があった。

VTuber歌唱王に出ることが決まった際の配信で、このようなコメントを鷹嶺ルイは残している。

どこかで殻をブチ壊さないと、自分に自信もつかないし、自信がないという事実が応援してくれるみんなにも失礼だなと思っていた。なんでずっと自信ない自信ないって言って怖がっているんだろうって。

そうやって悩んでいるところに歌唱王に出ませんかという声をかけていただき、今しかない!殻を破るのは今しかないと感じまして。

失敗を恐れて挑戦をしないのは損だなと思って、将来の自分のことを思って応援してくれるみんなのために自分を変えたいと思って、高みを目指したいと思って挑戦することに決めました。

【歌枠】#vtuber歌唱王 に出場します‼【鷹嶺ルイ/ホロライブ】

まさに自分の内なる願望への解放だった。
そのために努力・苦悩・葛藤する自分や感情を体現したアルバムとなっている。

ひみつのおしごと

作詞:TOPHAMHAT-KYO(FAKE TYPE.)
作曲:FAKE TYPE.

コンセプトは「秘密結社の女幹部として働く鷹嶺ルイ」
様々な声色でその状況を表現している。サビは「かっこいい鷹嶺ルイとセクシーな鷹嶺ルイ」の二人で歌っているように歌ってみたとのこと。楽曲自体もスパイ映画のような雰囲気を醸し出している。
過去の配信エピソードからも「ハイスペック」ぶりが出てくる鷹嶺ルイ。それを表したような1曲だ。

魔眼ウインク

作詞作曲:てにをは

本作のリードトラックであり、6月1日に先行配信された楽曲。
フラメンコのようなギターが美しく流れていく。
しかし、歌詞を見ると結構強い言葉が並ぶ。

テーマが「復讐」。しかし「お前を絶対許さない」というものではない。自分を高めることで相手を眼中から外すというものだ。
「憎しみならとっくに捨てた 怖がってんの?ふーん、あっそ」
「安全じゃないから?健全じゃないから?それがなんだFranticだね」

と、嫉妬や恨み節までバッサリ切り捨てるような余裕さえ感じる。強い。

高みに上って行ってしまえば自分に何か言ってた相手は見えなくなる。爽快だろうな。
殻を破るという今作のコンセプトにぴったりの1曲だ。

ばかばっか

作詞作曲:DECO27*

昨年の生誕祭後にリリースされた1曲。アルバム屈指の激しい攻撃的なロックナンバー。世が世なら、場所が場所ならクラウドサーフの波がいたるところで発生しそうだが歌詞は真逆。

周りからの声に悩み、自分の言葉は出せず、壁を作ってしまうというもの。それでも外面は笑ってしまわないといけない。その苦しみをうまく表現したものだ。

壁を張ったまま笑う、というフレーズにドキッとした方もいるのではないだろうか。
そんな自分も周りも激しいサビ終わりで「ばかばっか」とつぶやくようにひねり出すように紡ぎだすのも特徴的だ。

FIRST CRY

作詞・作曲:堀江晶太

上述の「ばかばっか」と同時リリースされた1曲。MVが存在しないため、YouTube上に挙げられている音源の再生数自体はそこまで多くないが、「鷹嶺ルイ屈指の名曲」として挙げられることも多い。

「ばかばっか」があきらめと絶望を歌うのであれば、この曲はそこからまた飛び立っていこうとする「再起」
何千回ともう一度死に損なおうという言葉に、励まされる。一度ダメでも何度でも突き進んでいけばいい。

なお、鷹嶺ルイの低音の魅力が存分に味わえる。

CHARISMA

作詞・作曲:jon-YAKITORY

「あの子みたいにしたらいいじゃん、成功している人をまねをしたらいいじゃんっていう意見もある。もちろんそれも正解だけれど、私は私なりの正解を自分で探して唯一無二になれたらいいよね」というメッセージを込めたというこの曲。

歌詞に並ぶネガティブワードに「言わせておけばいいさ」とバッサリ切る。
こうしろああしろっていうのは確かに簡単。でもそれ以上に自分の道を進むことも大事なのだ。

ちなみに、jon-YAKITORY楽曲によく出てくる笑い声もばっちり入っている。聴いたことがないという方は、手始めに『混沌ブギ』で検索して聴いてみよう。

オーバード

作詞・作曲:柊キライ

鷹嶺ルイの初の楽曲。
いわゆる彼女を表したキャラソンではあるのだが、とにかく曲がおしゃれでかっこいい。ジャズっぽい構成が声にマッチしてとてもいい。

人をまとめる大変さを歌いながら自らも「全て任せてそれをさせてよ」と面倒ごとを結局しょって立つところも。こうなると大変だということも共感ができる。

鷹嶺ルイの「大望」が叶うときにはビンテージのワインを一緒に開けたいものです。

Tori To Re:TreaT

作詞:ハヤシベトモノリ・鷹嶺ルイ
作曲:ハヤシベトモノリ

鷹嶺ルイ作詞第2弾。
ハロウィンらしく、というコンセプトで作られた楽曲。
おもちゃ箱をひっくり返したような曲構成、そして「鳥」をちりばめた歌詞がジェットコースター用に続いていく。
曲が終わるころには「キミはカゴの虜」になっている。

「何度も聴きたくなるようなスルメ曲」と鷹嶺ルイも推す仕上がりとなっている。
なおハヤシベさんの奥様は鷹嶺ルイ推しとのことだ。

ホロホーク

作詞・作曲:すりぃ

よくできるように見えて実は…と自らのことを投影した曲。1年で約800万回再生されているという驚異の伸びを誇る。

確かに秘密結社の女幹部なのに水をこぼして配信終了(※叫んだら即終了という縛りを設けたホラーゲーム実況で、スタートする前に水をこぼして叫んでしまった)したりなど、割と様々な伝説を生み出している。まさに「Ponコツみがちょいあるだけで親近感」なのだ。そんなギャップも彼女の魅力であり、配信の面白さでもある。

夢ができたの

作詞:金木和也
作曲:松室正哉

「ホロライブに入りたいと思った」というときの気持ちを曲にしたもの。
人々の「灯」になりたい、という夢をシティポップな楽曲にまとめている。
湯船に愚痴を浮かべて泣いた」というただ希望を歌うのではなく妙に人間らしいそんな歌詞をしっとりと鷹嶺ルイが歌い上げている。

この星の夜は暗いでしょう」という歌詞もあるが、それすら優しさをふんだんに含んだ声で包み込んでいる。

TSUBASA

作詞:鷹嶺ルイ・杉山勝彦
作曲:杉山勝彦

活動1周年を迎えた際にリリースしたセカンドシングル。
ご存じ歌枠で鷹嶺ルイがこの曲を歌うと泣いて歌えなくなる1曲。そして耐久歌枠やライブなどの最後に持ってくる最大の決め曲でもある。

挫折や苦しみから立ち直ってもう一度飛んでいこうとする姿を描いている。
私が守るから」と言ってくれたらどんなに心強いか。

この曲が最後に来ることで「FIRST CRY」や「夢ができたの」がまた違って聴こえてくるのがいい。
そして明るく曲を締めくくる。新曲が軒並み低音を響かせるものになっていたが、未来を見るこの曲が高音になっているのがまた一興だ。

聴いてみたいと思ったら

ここまでご覧いただきましてありがとうございます。
現在CDは発売されておらず、デジタル形式でのリリースのみとなっています。

レコチョクやmora、iTunes Storeなどのダウンロードサイトや、各種サブスクで聴くことができます。もちろんYouTube上でも聴くことができます。

感情や葛藤といったものがテーマ。曲調もしっとり聴かせるものからノリノリなものまで多種多様。10曲が飽きずにすっと染み込んできます。

個人的に思うことは「ライブ映えしそうな曲が多いな」というもの。
クラウドサーフを想起した『ばかばっか』だけではなく、そのほかの曲も楽器(特にベース)が映えており、自然と体が動くような楽曲が目立つ。
クリエイターの方々のこだわりも強く感じるのだ。

(実際、魔眼ウインクやオーバードのインストゥルメンタル版も上記YouTubeで聴くことができるのだが、すごくいい)

ダウンロード版が配信されてから実績のある方のアルバムに交じってランキング上位にいたのも納得の仕上がりだ。

様々な形の「夢」が散りばめられたアルバム。
ぜひ聴いていただき、ご自身の夢や願望と向き合ってみてはいかがでしょうか。

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