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格差は見えない:気づいたときにすぐにできるたった一つのこと

こんにちは、神奈川県川崎市で、非正規職のシングル女性のエンパワーメントをしている、ふつうのくらし代表のあずみです。 

最近、本当に寒いですね。講座等にも風邪のために急に来れなくなる方がチラホラ…。みなさま、どうぞご自愛くださいませ。

さて、本日は「格差は見えない」という話をしたいと思います。

出典が曖昧で申し訳ないのですが、昔読んだ社会学の本に、格差はスチールの階段のようなものだという表現がありました。そのこころは、

下にいる人から上にいる人は見えるけれども、上にいる人から下にいる人は見えにくい

ということだそうです。これは言いえて妙だと貧乏学生だったその当時も深くうなずいたことを覚えています。

同じ職場で働いている、隣の人は生活に困っているかもしれない

先日、ネット上に 「会費「1人6千円」に絶句… 飲み会で表面化する収入格差」という記事が掲載され、話題になっていました。

正社員の企画した送別会の会費が1人6千円で、手取り月収が15万円程度の契約社員たちが絶句したという話でした。しかも、送別会に行けない理由を正社員に尋ねられ、事情を話すと「交際費ぐらい貯めておきなさい」と叱られたとのこと。

すぐ隣で働いている人がどのような収入を得ていて、どのような生活を送っているのか、毎日顔を合わせていても想像が及ばない、そんな一コマが描かれていたように思います。

「女性が貧しいこと」はまだまだ知られていない

また、最近支援活動以外で出会った方に、自分の活動についてお話する機会がありました。

大部分の方は、非正規職の女性の平均年収が148万円であること、女性の半分は非正規職であること。フルタイムで働いている人でも手取り月収は16万円程度であることなどを話すと「そんなに低いんですか?」と驚かれました。

はからずも、非正規職の女性が多いこと、そしてとても貧しいことが、本当に知られていないのだなと改めて実感する場となりました。

知ったら、想像力を広げてみる

一方で、希望に思うことも一つありました。ある正規職の女性に、派遣社員の方には会社に通勤する交通費も出ないことを伝えると、派遣社員で働いているご友人のことを思い出され、

「そういえば、彼女が毎日会社まで歩いて行っていたのは、そのためだったのかもしれない。運動だって言っていたけれども、もしかしたら違うのかもしれない」

と述べられました。

実際に、そのお友達の方は本当に運動をしていただけなのかもしれませんが、彼女は状況を「知る」ことで、世界を見る目が少しだけ変わったとおっしゃってくださいました。

想像できれば、行動も変えられる

そして、その女性の方との話の締めくくりは、

「じゃあ、もし次そのお友達の方とランチに行くことがあったら、ご負担のないお店を選んでみるのもいいかもしれませんね。」

と話して終わりました。こちらからの押しつけがましい意図があったわけではありませんが、その方はご友人のためによりよい行動がとれそうと喜んでくださいました。

隣の、大切な誰かのために

女性の半数は非正規職です。非正規職の女性は、9割以上が年収300万円以下、8割が年収200万円以下で働いています。すぐ隣にいる同僚・友人は、ひょっとしたら生活費が月に数万円程度かもしれません。

そんな世の中にちょっと想像を膨らませて、ほんの一歩行動を変えるだけで、たぶん、その大切な人も居心地よく過ごせるようになるかもしれません。

忘年会シーズンはほぼ過ぎ去りましたが、これから新年会・送別会シーズンです。企画をされる際にそんなことをちょこっと思い出していただければ嬉しいです。

末筆になりましたが、本年も本当にありがとうございました。2019年が皆様にとって、ますますよい一年になりますように…。