【温泉】小谷温泉「山田旅館」(長野県小谷村)
今日ご紹介する温泉は、長野県の小谷温泉の温泉宿「山田旅館」さん。
妙高戸隠連山国立公園の標高850メートルの山腹にあり、名建築と極上のお湯で温泉マニアに愛されているお宿だ。江戸時代建築の本館を始めとする木造建築6棟が、文化庁の登録有形文化財になっている。そして、2本の自家源泉がすぐ裏手から適温で湧いており、完全な源泉かけ流しで提供されている。日本秘湯を守る会の会員宿でもある。
2022年秋に、こちらに2食付きで1泊する機会に恵まれた。本記事は、そのときの記録だ。
アクセス
こちらへは、公共交通機関で訪れた。JR大糸線南小谷駅から、村営路線バス小谷線で35分。
バスが山道を登るにつれて、車窓から見える終わりかけの紅葉が、秋の日差しを浴びて輝き、目を楽しませてくれた。
外観
ようやく、目的地に到着。歴史を感じさせる美しい建物が現れた。
裏側から建物を眺めてみた。
敷地内には薬師堂もあった。建築年は不明だが、本館より古くから存在していたということだ。
館内
わくわくしながら、玄関から、館内へと進む。
フロントのある1階には、昔ながらの広間が開放されていた。ありがたく見学させていただく。おばあちゃんの家のような、懐かしさでいっぱいになった。
では、館内を探検してみよう。
こちらのお宿の客室は、江戸時代に建てられた本館、大正時代に建てられた新館と、平成元年建築の鉄筋コンクリート造りの別館にそれぞれある。とりわけ、最も歴史の古い本館の美しい佇まいには感動を覚えた。
客室
私が宿泊したのは、別館の客室。きれいにリノベされている。
温泉
荷ほどきをしたら、まずは温泉へ。こちらでは「元湯」と「展望風呂」の2か所で温泉を楽しむことができる。
元湯
まずは、本館1階の「元湯」へ。100年以上の歴史を誇る、男女別の内湯だ。入り口が、なんとも渋い。観音開きの扉には、ケヤキを使っているそうだ。
湯船も洗い場もシンプルで、年季が入っている。
寝湯のコーナーもある。
奥には、何やら空洞の柱のようなものが・・・。
源泉の投入口だった。2メートルの高さから湯が落とされていて、滝のように流れ落ちている。ユニークな造りだ。
泉質は、ナトリウムー炭酸水素塩泉。自然湧出の完全かけ流しという、贅沢な湯使い。
展望風呂
続いて、展望風呂へ行ってみることにした。こちらの展望風呂は、隣の旅館が廃業したのを機に、温泉棟の外湯を宮大工の手で改装して設置したということだ。
こちらも、男女別になっている。
女湯へと進む。脱衣所があり、その先には、内湯があった。内湯の奥には外廊下があり、展望風呂へと続いていた。
廊下の先には、女湯の展望風呂。なお、この日のこの時間には、まだお湯が溜まりきっていなかった。
展望風呂からは、清々しい秋の山の風景が一望できる。眼福だ。
このとき、ちょうど係の方がお越しになり、少しお話しをしたところ、今は男湯に誰もいないということが分かった。そこで、許可をいただいて、特別に男湯の露天風呂を少しだけのぞかせていただいた。
こちらの男湯の露天風呂は、お堂の建物を利用したものだ。温泉本などに載っていて、素敵だなと思っていた。
男湯の露天風呂のほうが、女湯の露天風呂よりも、開放感があった。こちらの湯船にも浸かってみたかったが、写真だけ撮らせていただき、早々に撤収した。
こちらの展望風呂のお湯も、泉質はナトリウムー炭酸水素塩泉。そして、自然湧出の完全かけ流し。ありがたや・・・。
食事
夕食
極上のお湯を堪能したら、お待ちかねの夕食へ。畳敷きの大広間が食事会場になっていた。
お宿オリジナルの日本酒をオーダー。すっきりしていて飲みやすかった。
豪華で品数が多い。ひとつひとつが丁寧に作られていて、美味しい。
朝食
朝食の和定食だった。小鉢も多く、ヘルシーだった。
資料館
お宿の敷地内には、資料館があるという。建物は、明治42年建築の新土蔵。フロントでお願いして、見学させていただいた。
わくわくしながら、入館してみると・・・。
レトロなお宝がいっぱいだった!
黄金色に染まった山に囲まれ、江戸時代の風情そのままの建物に泊まり、極上のお湯を五感で味わい、心づくしのおもてなしを受けた。これ以上ない至福のひとときだった。アクセスはなかなか不便ではあるが、温泉好き、文化財好きな方には、自信を持っておすすめする。
いいお湯でした。お世話になりました!
こちらのお宿の公式サイトはこちら。
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