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【温泉】南紀勝浦温泉「ホテル浦島」(和歌山県那智勝浦町)

今日ご紹介する温泉は、和歌山県那智勝浦町にある、南紀勝浦温泉の「ホテル浦島」さん。今年(2023年)の7月に、こちらに素泊まりで1泊したときのお話だ。

太平洋に突き出た半島をほぼ独占するような広大な敷地に、複数の建物と複数の湯量豊富な源泉を有する巨大な観光ホテルだ。とりわけ、自然の洞窟をそのまま利用した洞窟風呂で有名だ。

実は、約30年前、学生の時分に、当時の恋人とこちらの施設に遊びに来たことがある。当時はこのホテルに宿泊するお金がなかったので、日帰り温泉を利用しただけだった。そのときは、今ほど温泉に詳しくなかったが、こちらの洞窟風呂に度肝を抜かれたことを覚えている。久しぶりに和歌山県を訪れた際に、懐かしいこのホテルに宿泊することにした。


アクセス・外観

こちらのお宿へは、お宿のバスか、船の2つのどちらかでアクセスすることになる。自家用車でお宿のすぐそばまで行くことはできず、自家用車はバスまたは船に乗る前に、所定の駐車場に停めておくことになる。

私が到着した時間帯は、船で移動する時間帯だった。かわいい亀のデザインの船に乗る。エンターテイメントの始まりだ。

可愛い亀の船がお出迎え!
お宿の全景。複数の建物から構成されている。
正面玄関が見えてきた。
正面玄関に横づけされる亀さん。

館内

こちらのホテルは、とにかく、敷地が広い! 

以下の写真の館内マップのとおり、本館、日昇館、なぎさ館、山上館という複数の建物で成り立っており、巨大な洞窟風呂もふたつある。

展示されていたジオラマからも、その広さが分かる。

大きすぎて1枚の写真に収まらない。まずは右から。
続いて左から。

まずは、本館のフロントでチェックインしようとして、名前を告げた。
そうすると、そこでは、私の客室が「日昇館」という建物にあると教えられ、長い通路の先にある別のフロントでチェックインするように伝えられた。

本館フロント

長い長い通路を、どんどん進む。

建物をつなぐ長い廊下。両側にお土産屋さん。

その先には、日昇館の宿泊客がチェックインするフロントがあった。

こちらでチェックインしてから、部屋に向かう。

エレベーターホールから海が見える
休憩スペース

客室

いよいよ、客室へ入ってみよう。

私の泊まった客室の入り口

ツインルームのシングルユースだ。きれいな部屋。必要なものはひととおりそろっている。

亀さんの柄の浴衣がかわいい。

窓からは、迫りくる崖の景色を楽しめた。

温泉

こちらのお宿には、たくさんのお風呂(温泉)がある。まずは、公式サイトにある温泉の説明を見てみよう。

勝浦温泉には、200本以上の泉源があり、その湧出量は毎分2万千リットルに達しております。このホテル浦島にも、10の源泉があり、摂氏50度の硫黄分を含む、極めて濃度の高い温泉で、常に豊富な湯量が湧きでております。
大浴場では源泉掛け流しの湯をおたのしみくださいませ。

10もの自家源泉があり、濃度が高く、湯量が豊富。これを掛け流しているというから、温泉マニアにとってはまるで天国のようだ。なお、ネット上には塩素投入ありとの情報があったが、特に塩素臭は感じなかった。

再び、館内マップをご覧あれ。紺色で5箇所のお風呂が表示されている。この中で、洞窟のイラストで示されているのが、有名な洞窟風呂の「忘帰洞ぼうきどう」と「玄武洞げんぶどう」だ。

これらの5つのお風呂を巡るにあたり、スタンプラリーもできる。以下のスタンプ用紙を渡された。これはなかなか楽しい趣向だ。

スタンプラリーができる。

なお、上記5つのお風呂のほかに、「山上館」という建物にも、遥峰ほうようの湯というお風呂がある。しかし、そちらは山上館の宿泊客専用となっているため、日昇館の宿泊客である私は、今回は入ることができなかった。私の記憶では、30年前は、日帰り入浴でも山上館のお風呂に入れたのだが・・・。残念。

忘帰洞

まずは、いちばんの目玉である、忘帰洞をご紹介しよう。殿様が帰るのを忘れたというのがその名前の由来であるという。

通路から忘帰洞へ向かう。ここから奥に進む。
浴場入り口。
もうひとつの浴場の入り口。半分に仕切っていて、男女交替制。

入り口をくぐり、衣服を脱ぎ、浴場へ。

おお・・・!

とにかく、素晴らしい。

公式サイトより
公式サイトより
公式サイトより

自然の荒々しい洞窟の下に広い空間があり、複数の広い湯船がしつらえられている。そこに半端ない量の濃厚な温泉が掛け流しにされている。洞窟の奥は太平洋に面しており、荒波が押し寄せる雄大な景色が眺められる。野趣あふれるダイナミックな景観に、言葉を失う。

このお風呂は東向きで、日の出の景色が素晴らしいと聞いた。そこで、翌朝、早起きして行ってみた。朝5時。早朝にもかかわらず、大勢のお客さんで混雑していた。海から登る日の出は神々しく、みとれてしまい、長湯をして湯あたりしてしまった。様々な国籍や年齢の女性や幼児たちとともに、洞窟風呂で裸で一緒に日の出を楽しむのは、なかなか珍しい経験となった。

泉質は、含硫黄ーナトリウム・カルシウムー塩化物温泉。複数の源泉を混ぜた集中タンクからの供給。白濁しており、青っぽくも見える。硫黄臭あり。

玄武洞

次は、やはりこのホテルの名物である、玄武洞のご紹介。忘帰洞よりも小ぶりではあるが、こちらも自然の洞窟を利用した浴場だ。

ワクワクしながら、いざ、入湯。

おお! こちらもすごい。洞窟の岩壁がせりだしていて、とてもワイルドだ。太平洋の景色も楽しめる。

公式サイトより
公式サイトより
公式サイトより

掲示してあった温泉分析書によると、こちらの源泉は、磯の湯2号泉と、磯の湯3号泉。いずれも泉質は、含硫黄ーナトリウム・塩化物泉だ。少し黄緑がかった色で、硫黄臭あり。

滝の湯

以上ふたつの洞窟風呂のほかにも、3つの内湯に入ることができた。そのうちのひとつが、滝の湯。本館にある内湯で、ハマユウの湯と男女交代制。

巨大な洞窟風呂と比べるとインパクトは薄いが、普通の規模の旅館のお風呂と比べても見劣りしない広さとクオリティ。

公式サイトより

泉質は、含硫黄ーナトリウム・カルシウムー塩化物温泉。複数の源泉を混ぜた集中タンクからの供給。白濁・硫黄臭あり。

ハマユウの湯

そして、ハマユウの湯。滝の湯と男女交代制。

公式サイトより

滝の湯と同じで、源泉は集中タンクからの供給で、泉質は、含硫黄ーナトリウム・カルシウムー塩化物温泉。白濁・硫黄臭あり。

磯の湯 

最後に、磯の湯。玄武洞の近くにある。こちらの施設をよく利用している方が言うには、こちらの施設の温泉のなかでも、特にお湯が良いということだった。色の違う2種類のお湯を楽しむことができた。

公式サイトより

源泉は、磯の湯1号泉(無色透明)と、磯の湯5号泉(白濁)。どちらも泉質名は同じで、含硫黄ーナトリウム・カルシウムー塩化物温泉。同じ泉質名なのに、色も肌触りもかなり違っていて、面白い。硫黄臭はどちらにもあった。

おわりに

とにかく、すごかった。

広い半島の土地を贅沢に使い、南紀の雄大な自然を味わうことのできるレイアウトに仕上げられている。洞窟と太平洋と温泉という奇跡のコラボは、世界遺産級だと思う。

景観ばかりではなく、お湯も素晴らしかった。豊富な自家源泉をふんだんに掛け流した濃厚なお湯。芳しい硫黄臭。

私が宿泊したのは平日だったのだが、沢山のお客さんで混雑しており、なかでも、ファミリーと外国人ゲストがとても多かった。驚異の洞窟風呂を含む、たくさんの温泉巡りやスタンプラリーは、子どもからシニアまで、エンターテイメントとして楽しめるだろう。

そして、温泉好きの方は、各浴場に掲示されている温泉分析書を手がかりに、複数の異なる源泉の違いを五感を使って全身で感じ取るというマニアックな遊びに興じることができる。私はこれが大変楽しかった。

食事については、食事付きのプランもあるが、食事なしの素泊まりも可能だ。今回、私は素泊まりを選択した。夕食は、館内にテナントとして入っている「海つばめ」さんという飲食店でいただいた。このお店も素晴らしかった。そのときの食事については、以下の記事にまとめた。

いいお湯でした。お世話になりました!

こちらのお宿の公式ページはこちら。

http://www.hotelurashima.co.jp/sp/

私の温泉系記事へは、以下のリンク集からどうぞ。

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