新潟県・関川村に「大したもん蛇まつり」を見に行ってきたよ
何年か前から夫が行きたいと言っていたお祭りを見に行ってきた。藁で作った80メートル以上もある蛇を神輿のように担いで村内を練り歩くんだって。会場は新潟県関川村。どこかと思ったら、新潟と山形の県境に近い村らしい。
神話や伝説で大蛇とか龍とか言ったらだいたいは「暴れ川」を指し、これを退治するというのは治水の比喩だと言われている。八岐大蛇なんかも、たびたび氾濫して大災害をもたらしていた斐伊川のことだという説が有力だったり、とかね。
「大したもん蛇まつり」も、昭和42年の水害がきっかけで行われるようになった、比較的新しいお祭りだという。しかしここでは大蛇を退治するのではなくて、村人みんなで担いで存分に暴れさせるというのが面白い。米どころ新潟では川は恵みの源でもあり、退治するよりは祭り上げてご機嫌よくしててもらったほうが良いっていう発想になるのかな。
お祭りは日曜午前中に行われる。関川村に宿はなさそう…と思って新潟に前泊した。実は温泉宿はいくつかあるみたいだったけど、でも観光客全員を泊めるキャパはないだろうな…。
新潟からは朝7時前の白新線・羽越本線で坂町まで、そこから米坂線で越後下関に向かう。朝ごはんは夫が予約した駅弁。早朝に駅弁をゲットするには予約が必要みたいだ。
新潟駅の定番駅弁「えび千両ちらし」はとても美味かった。ご飯の上にはえび、いか、穴子、コハダが載り、さらに結構しっかりとした卵焼きてカバーされ,えびそぼろが飾られている。
坂町からは米坂線.だが、去年8月の水害により長期運休中だ。コロナを理由に「大したもん蛇まつり」を3年も中断したものだから大蛇が怒って暴れたのだろう(適当)。というわけで代行バスに乗る。
てっきり普通の路線バスかと思いきや観光バスタイプの立派な車両だった。
えっと、これ、もしかしたら鉄道よりも快適かも…なんて言ったらダメなのか。
坂町から20分ほどの乗車で越後下関駅近くのバス停に着く。
街中にはこんな感じの伝統家屋が残っていたりする。
大蛇の出発地点は駅から30分近く離れた老人ホーム(なぜに?)。
本当にお祭りがあるのだろうか?と思うほどあたりは静かだったが、出発地点に近づくと太鼓の音が聞こえてきた。
大蛇パレード開始ギリギリに到着。
出発地点の近くには結構人が集まっていたので,少し離れた沿道で待っていると…。
太鼓の音と「わっしょい、わっしょい」の掛け声と共に大蛇がやってきた。
全長82.8mだそうな。
節ごとに書かれているのは担当した集落の名前だろうか。
これ、竹と藁を使って毎回村人が組みあげるんだそうな。
30分ほど練り歩くと10分ほどの休憩がある。道に置かれた大蛇をじっくり眺めるチャンス。
重さは2トンもあるんだって。これを500人で担ぐ。
大蛇が渡る橋が見ものみたいなので、先回りしてみる。
橋から少し離れた土手の上が撮影地となっていて,大きなカメラを抱えた人たちがずらりと並んで待っていた。土手は広いので、直前に行っても大丈夫だったけど、祭りの知名度が上がったらどうなるかはわからない。
途中、救急車がやってきて、わわわ!どうすんだ?と思ったが、橋は2車線あるので大丈夫。片側に寄って一時停止して、ちゃんと救急車に道を譲る紳士的な大蛇なのだった。
大蛇さん。今後は水害を起こさず程よく田んぼにお水を届けてあげてほしい。
橋を渡り切った大蛇は再び休憩の後、村役場や道の駅がある中心地を目指すが、2回目の休憩の直後にもう1つフォトスポットがあった。大蛇が向かってきて道を90度曲がるところを土手から眺められるのだ。この場所にもちょっとした人だかりができていたけど、土手の中腹に座り込んで撮れば上にいる人の邪魔にはならないので、結構撮影地のキャパは大きかった。
終着地点の「道の駅関川」には食べ物屋さんやビールの屋台も出ていて大賑わい。
観光案内所にある装飾には以前の祭りの蛇の皮が再利用されていた。
道の駅の駐車場に大蛇がトグロを巻いていた。自由に触れて、大きさを実感できる。
ちょうどすべて終わった頃に黒い雲が湧いて出て,にわか雨が降りそうな気配を感じた。急ぎ足で越後下関駅に戻って、先ほどと同じ代行バスで坂町へ。そして今度はいい具合に特急いなほ号に乗れたので新潟まで40分ほど爆睡。
炎天下、大蛇を追いかけていただけでそれなりに疲れたけど、2時間近く担いで練り歩いてた皆さんはもっと大変だったはず。
お疲れ様でした。楽しかったっす。
そして、面白いお祭り見つけてきた奇祭ハンターの夫、GJ!