うちのマンションは植物園
我が家は、築47年の中古マンションを改装しながら暮らしていて、外観は昭和の洋風、アールのデザインがぐっとくる、見る人によっては、レトロなかわいい(見る人によっては、古い)マンションです。こんな街中なのにお代金もかわいい、助かった。
広すぎるルーフバルコニーと狭すぎるリビングの、アンバランスながらしっくりとくる一体感が魅力です。きっと見たら、誰もが植物に囲まれた生活をご自分なりに想像してしまうと思うんです。そんな間取りです。
そして、もちろん各階同じ間取り、ということで―。
’こんにちは、はじめまして。気に入るかわからないけれど、もらってくださる?’
可愛らしい、白髪クルクルヘアのおばあちゃんが、淡いピンクの花に青々とした葉の重なる鉢植えを抱えて、訪ねてきました。
え?! そうです。どうやら植物のお裾分けのようです。植物のお裾分け、そんなのはじめて経験しました。そもそもこんな街中に、お裾分けって文化残ってたの。ピンクの花はゼラニウムというそうで、茎からどんどん増えるから、よかったらどうぞってことでした。そうだ、このおばあちゃんのバルコニーからは深緑の木々も、花々も、モクモクと立ち上がっているのが見えたんだった。
さらに別の階のお姉さんも、会えば植物談義をカラッとされるし、さらに別の階の強面おじいさんも、笑顔はないものの、夏なんて、赤いハイビスカスに水をやっている姿なんかはもう、太陽より眩しいです。さらに隣のおばあちゃんも肥料のことなんかをめっちゃ教えてくれます。
ということで、うちのマンションは植物好きが集うマンションです。
初めに訪ねてきた、おばあちゃんの素敵な話も改めて書きたいです。最近なんか、構わず根っこ引っこ抜いたまま、お花くださるし。ほんと素敵です。
毎日水やりにバルコニーに出て、各階のベランダから溢れるほど伸びる草花を見上げるのはそれはそれは良いものです。
saza