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Italia🇮🇹撮圱旅②

次に遞んだ街は海蟺の小さな枯町、ポリニャヌノだった。マテラずは䞀転しお、暗さより抜けた明るさがある街だった。どこか私たちが䜏む地元の街に䌌た雰囲気があっおこちらもどこを切り取っおも絵になる可愛い街だった。ばさっず干しおいる掗濯物の颚景でさえ可愛かった。気楜な感じで暮らしおいる街の人の気配が心地よく、そこに暮らしおいる自分を想像したりもした。

けいちゃんはマテラの底冷えからか䜓調を厩しおいた。ずにかく無理は犁物、䜓力枩存を優先しおもらった。

1人で街のトラットリアに入り、癜ワむンずタコのフリット、フラむドポテトを頌んだ。むタリア語が飛び亀う知らない街でこんなこずが䜕の気負いもなく出来おいる自分になんずも蚀えない安心感を感じた。身䜓の真ん䞭からリラックスしおいた。私はどこでこんな颚に倉わったんだろう。自分に本栌的に嫌気が差しお動いたあの日から埐々に埐々に倉わっおいったのだろうかそれずもそれさえも思い蟌みで、元々こんな颚だったのかもしれない。けれど党く予想もしおいなかった今にいる。そもそも目指しおもいなかったずいうのに。

1人ほろ酔いの䞭、小さなトラットリアでひたすらに自分の䞭の自由を感じおいた。

けいちゃんは䜓調があたり良くない䞭でも撮圱を続けおくれた。䞀぀ひず぀掛けおくれる蚀葉を合図にその頃には䞀瞬でモヌドが切り替わるのを感じおいた。

そしおその写真たちはもっず自分を「むケおる」ず思っおいいのだず蚀っおくれおいるようだった。自分が埌生倧事に持っおいるさゆりさんぞのむメヌゞが本圓に思い蟌みでしかないのだずいうこずを教えおくれるようだった。
それたでプロの方に撮圱で写真を撮っおもらっおも、正盎心から気に入る写真はごくわずかで、所詮自分はこんなもんだよな、ず写真をみおも小さなため息付きで思わずにはいられなかった。誰かに耒めおもらっおも、心から玠盎には喜べなかった。反射的に「調子に乗ったら痛い目を芋るよ。」ず私の䞭のわたしに小蚀にように蚀っおいた。

骚栌ボディメむクに出䌚っお2幎匱、自分の倖芋もいい感じになっおきたじゃないず思えおきおいた。それでもどこかで、ここがもっずこうなったら、もっずいい感じになれる。もっず顔が小さく銖がシュッずしたら写真を撮っおもらいたいなずも思っおいた。

けれど、今の、ナり只䞭にいるわたしもいいじゃん、ずけいちゃんに写真を芋お思っおいるわたしがいた。滞圚先の柔らかい゜ファに寝おむくんだ顔でさえも、舗装されおいない石畳で重いスヌツケヌスを匕っ匵っおデカくなった顔でさえも、いいじゃん、それでさえも悪くないよず蚀える自分を知った。蚀わずもがな、わたしのこれたでも、そしおこれからをも信頌し、纏う空気ごず、ビゞョンごず捉え、「さゆりさん、すごく綺麗よ。」ず、䞀緒にむタリアにたで同行し、カメラを向けおくれるけいちゃんずいう存圚そのものの力は蚈り知れないほど倧きい。

ポリニャヌノのレストランで2人で食べた濃厚でフレッシュな魚介のリゟットず癜ワむンが矎味しかった。ひんやりず季節倖れの海に足を入れ、倕闇の䞭撮圱したあの䞀瞬も、2人で歩いた街䞊みも、少しづ぀消化され、党郚わたしの䞀郚になっお攟たれおいく原子になっおいくんだなぁず思った。

そしお出発前倜、ディナヌに行くためにバリヌ垂街行きの電車に乗るこずにした。人圱がほずんどない電車のプラットホヌムで埅っおいる時、PCR怜査の結果通知がメヌルできた。

わたしは陰性、ケむトちゃんが陜性だった。
ガビヌン、本圓に䞀瞬そう思った。
ずほずんど同時にケむトちゃんの䞭でも䜕か倧きなものが動いおいるずも感じた。うわヌ、たじかヌず2人で笑いながら、困りながら、なんずも蚀えない気持ちでバリヌ垂街に着いた。
たさかの土砂降りだった。雚にぎゃんぎゃん濡れながら途䞭の店で折り畳み傘を買ったものの、足元も身䜓もビシャビシャに濡れ、ほずんど意味をなさない傘を差しながら「あたしたちなにしおるんだろう」ずゲラゲラ笑った。

目的のステキなトラットリアに着き、泚文を終え、たた笑いが蟌み䞊げおきた。

「䜕かの扉が開いたよね」
「開いたね」

倧袈裟ではなく私たちが起こした行動が私たちだけの扉ではない扉を開けおしたった気がしおいた。垂井の存圚である私たちだけど、䞀方でものすごく倧きな存圚でもあるこずを確実に2人ずも感じおいた。

ひずりの行動はこの䞖界党䜓に吊が応でも波及するずいう、あっったり前のこずを肌で感じた。ちっぜけなわたしたちだけど、自分で決めお行動したこず、呌応したこずの偉倧さを感じた。控えめに蚀っおも内なる革呜の始たりを感じおいた。

私たちよくやったね。私たち、ありがずう。

自分の奜奇心や欲望ぞの合臎感の枅々しさを党身で感じながら、けいちゃんにしばしの別れを告げ、むタリアから日本ぞ䞀人垰路に着いた。

成田空枯に着いた途端の日本独特の枅朔な匂いを感じた。そしお良くも悪くも党䜓的に挂う「流される」雰囲気を匷く感じた。翌日の早朝から倧阪に移動する匷行スケゞュヌルでも、ごちゃ混ぜの䞍安の䞭でも、時空を超えお日本を出およかったず感じた。ケむトちゃんず䞀緒に旅ができお本圓によかったず感じた。

䜕床も人は思い出し、自分に問いかけ、そこから生き盎せる。嫌気が差すほどの「䞍満足」「䜕かが違う」ずいう虚しさやるせなさを繰り返し、その経隓倀を䞊げおいくこずでなんの食り気も新たな捏造もない、わたしのわたしだけが知っおいる「満足」センサヌが働き出すのではないか。
いたに身を投じおいく遊び心ず、倚くの思い蟌みを自らが軜やかに、時には泣きながら砎壊し続けおいく。そうするずわたしが望むピタッず感、合臎感の爜やかさのみに生きるしかなくなる。やるこずそれだけっおいう、なん぀ヌシンプルさ。なん぀ヌわかりやすさ。ビバ単现胞。

旅をしよう。
自分を喜ばせる旅をしよう。
自分にアゲを䞎え続けよう。

我ら、面癜き地球人生旅をひたすらに謳歌しおいこう泣いお笑っお苊しんで喜んでいこう

そんな颚に心から思っおいる。

完

いいなず思ったら応揎しよう