4、 属する服

目立たないために着る、属する服。

女性でも男性でも人が大人数でご飯をしているテーブルをみると同じような格好であることが多い。そのグループに属するために着る服。

日本では学生時代の制服が影響しているのだと思う。学生時代は皆と一緒の格好をするのが当たり前だったのに、卒業した途端、毎日私服になって戸惑う人も多いと思う。雑誌やSNSで研究して、無難なスタイルで流行を少し取り入れつつも浮かないようにする。ダサいと思われるのは避けたいから、せめて’普通’の当たり障りのないファッションに落ち着く。

アメリカは制服の制度がないところが多いが、属する服を着ている人は日本と同じくらいいる。ニューヨークは、とりあえず全身黒であればニューヨーカーと見なされる。変形のズボンだろうが、タイトなデニムにTシャツだろうが黒であれば、どのパーティーに行っても浮くことはない。これは、ニューヨークにあまりにもいろいろな色、広告や建物、人種がいるから、その混ざり合った色である黒がニューヨークの色になってしまったんだと思う。

都市じゃない、リアルなアメリカでもこの理由は多い。例えば、アメリカの南の方に行くと白い服を着ている女性が非常に多い。全身白を着るのが常識のようになっている。ワンピースはノースリーブで、肩から腰はタイトで、スカートは少しフレアな膝丈。パンツスタイルはくるぶし丈のスリムストレートなパンツにシャツをインするスタイル。皆きているものは違うけれで、シルエットは全く一緒である。(単に暑いから白を着ているっていう理由もあるけれど、そんなに暑くない時も全身白な人が多い。)これはカルチャー、多分宗教が関係していると思う。

大阪のおばちゃんが柄物を着るのと同じような現象に近い。大阪のおばちゃんがヒョウ柄を着るのはきっと目立ってなんぼの精神があるからだと思うけど、その精神がその土地に根付いているから、同じようなことかな。違うかな?笑 多分一緒だと思うのは、全然関係ない私がその場所に行っても影響されるから。

私は一度、フロリダであった打ち合わせに全身黒の服を着て行って、自分で自分がその場で浮いていることを自覚したことをとてもよく覚えている。次の出張では黒の服は一切持っていかなかった。


 

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