行きたい場所をつらつらと書いてみる
2012年に実施された調査によると、イギリス人は人生で平均121回(!)も旅に出るという結果が出たそうだ。
3000人を対象とした調査では、イギリス人は18歳から78歳の間に、平均で年2回の長期休暇を取り、一度の旅行に平均1392ポンド(当時の金額で約18万6000円)を費やすという。
過去のデータとは言え、イギリス人はなんてラッキーなんだろう?
日本では大半の人がそんなに頻繁かつ長期で休むことはできない気がする。会社や職種によって休暇取得はピンキリで、退職するまで有給消化もままならず働くことだってある。
子どものころ夏休みは平等に与えられていたというのに、現実は世知辛い。
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外出自粛が叫ばれていたころ、わたしは「もし旅行に行けるならどこに行く?」という質問を毎日のように旦那さんにぶつけ、その度に頭の中で旅行プランを妄想していた。
ハワイ、チェジュ島、イギリス、フランス、ペルー、フィンランド......。もう一度行きたい国や、行ってみたい国々を毎日YouTubeで見て周り、気づいたらガイドブックまで買っていた。(やばい)
ガイドブックはよいものだ。行きたいところにマルをつけたり気になるページを折ったりしているだけで、半分旅行している気分になる。ガイドブックを作っている編集部の方、ありがとう。みんなに夢を与える仕事をされていますよ。
こんなとき、島国に住んでいることが心底口惜しい。ヨーロッパなど陸続きの国ならば、電車で小旅行をする感覚で他国に踏み入れることができるからだ。もちろんその場合もウイルスが落ち着いてか移動すべきだけれど。緊急事態宣言は撤回されたものの、今年の我が家は海外旅行へ行くことは無いだろう。
(まだかろうじて続けていますぜ)30 Day Writing Challenge、今日のお題は「あなたの行きたい場所を5つ挙げて」。
※ ちょっと間が空いてしまったので30 Day Writing Challengeを始めた経緯をこちらに貼っておきます。
ということなので、今日はわたしが行きたい旅行先について書いていこうと思う。とても5つじゃ足りないけれど、その中でも行きたいと思うところに絞ってみた。
1. ボストン
個人的に今すぐにでも行きたい街、ボストン。短期留学をしていたこともあり、あそこには笑顔も涙も驚きも全てが詰まっていて、すべて昨日のことのように思い出すことができる。
ボストンの秋は世界中の色という色が集まったように鮮やかで美しく、冬は連日ブリザードが吹き荒れて、雪がどっさり積もる。
決して住みやすい気候ではないけれど、秋と冬が好きなわたしには最高の場所だった。過去は美化されがちだけど、ボストンで過ごした日々を片時も忘れたことはない。いつか自分の中で整理ができたら、noteに残しておきたいな。(いつになるのやら)
2. ペルー
訪れたい場所の二つ目、南米ペルー。大学生のときにバックパッカーをしていた旦那さんが、時折クスコやマチュピチュがどれほど素晴らしかったかを熱弁するので、個人的に気になっている。
YouTubeでペルーの標高が高い街や遺跡を見るたびに、まるで何光年も遠い銀河系の果てにある惑星の景色のように感じる。そんな異世界感があるから興味が湧いているのかもしれない。
もう一つの理由は、旦那さんがクスコで買ったアルパカのセーター。たまにわたしも借りるのだけど、これが羽のように軽く、コートがいらないくらいあたたかい。誇張表現じゃなくて、本当にコートがなくてもあたたかいのだ。(2回目)アルパカさん、あんたはすごいよ...。もしペルーを訪れたら買い足したいなぁ〜とよこしまなことを考えている。
3. ロンドン
来ました、ロンドン。由緒ある歴史と偉大なる作家や詩人を多く輩出した大英帝国のロンドンに行きたい。
理由はハリーポッターの観光地巡りをしたいから...!
ロンドンにはワーナー・ブラザーズ・スタジオがあり、ハリーポッターの映画撮影に使われたセットや小道具を見ることができるスタジオ見学ツアーがある。こちらのツアーは何度もYouTuberのVlogで拝見してため息。わたしも行きたいよ〜。
もうひとつ、数年前ハリーポッターの続編として話題になった「ハリー・ポッターと呪いの子」を生の舞台で観たい。原作や映画は終了したが、大人になったハリー、ハーマイオニー、ロンの姿を、こうしてもう一度観ることができるのは喜ばしいことだ。(大人のハーマイオニー役を黒人女優さんが演じるのも新しくていいね)
4. カナダ
個人的に海よりも湖が好きだ。際限なく広がる海と違って、湖にはきちんと終わりがある。海ではなく川のある街で育ったせいか、雄大すぎる海よりも、手を伸ばせば届きそうな湖に心惹かれてしまう。
なかでもカナダには美しい湖がたくさんある。その一つの「モレーン湖」は特に美しいと言われている湖だ。写真に映るエメラルドグリーンの水辺を一度で良いから自分の目で見てみたい。川辺で本を読んだり、ぼーっと座ってるだけでも幸せだろうな。
5. ニューヨーク
数年前、ボストンで仲良くなった友人たちと長距離バスでニューヨークに行ったことがある。行く前はそこまで興味が持てず、「映画でよく見る大都会」としか認識していなかったけれど、実際に行ってみると発見が多かった。
ニューヨークは人が溢れていて、町全体にエネルギーが満ちているようだった。100年以上も前のビルが建っているかと思えば、流行の最先端を行くお店が所狭しに連なっている。
新しいものと古いものが共存し、治安も人種も街ごとにガラリと変わる。マンハッタンという小さなエリアに、まるで世界の縮図が見て取れるような気がした。
2泊3日のニューヨーク旅行の最終日に、何か記念になるものを買おうと思い歩いていると、5番外の通りにティファニーのお店が建っていることに気づいた。軽やかに入店していく観光客たちを真似て、わたしも思い切って入店する。
中は人でごった返していて、所狭しに並んだアクセサリーがキラキラと輝いている。わたしはその中で一番安いネックレスを購入することに決めた。フレンドリーな店員さんがネックレスを包んでくれている間、これが留学生活の中で一番高価な買い物だったことに気づき、ギュッとクレジットカードを握り締める。そうして手に入れたティファニーブルーの小さな紙袋は、わたしを少しだけ大人の世界へ連れて行ってくれたような気がした。
あの日購入したネックレスには、"Please return to Tiffany New York" という刻印がされている。このメッセージは、店側が客の購入したアクセサリーにシリアルナンバーを入れて管理していた過去の習わしから来ているらしい。つまり、もし落ちているティファニーのアクセサリーを拾ったら「ニューヨークのお店まで届けてね!」という拾得者への粋なメッセージなのである。(実際にニューヨークのお店に届けて落とし主の元に戻るかは不明だが...)
そんな親切かつお洒落なメッセージを、わたしはずっと「またティファニーへ戻ってこいよ!」と自分に語りかけてくれていると思い込むようにしている。大変図々しく勝手な解釈だけど、いつかまたニューヨークを再訪しようという小さなモチベーションになるからだ。
22歳だったあの日、緊張しながら買った一番安いティファニーのネックレスは、今もアクセサリーボックスの中でピカピカと輝いている。次にニューヨークを訪れるときにはまた身につけていこう。その時は年齢を重ねていても、いろんな意味で初心を忘れていたくないなと思う。
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世界中が感染症でヒリヒリと痛みを抱えている今、個人的な海外旅行なんて夢のまた夢だと思っていたけれど、過去の写真を貼り付けたり、こうやって文章に落としていくだけで、旅の楽しさを数%だけでも思い出せた気がした。
しかし、行きたいところにボストン、ニューヨーク、ロンドンと過去に行ったことがある街が3つもランクインしているし、思い出散歩のようなことまでしている始末。
新しい国で新しい体験をするのも最高だけど、わたしは一つの国を深掘りしたいタイプなのかもしれない。だが案外みんなそんなものではないだろうか?素晴らしい思い出を追体験、あるいはそれを凌駕したものを経験したいがために人は同じ場所へ旅に出る。
なんだか毎年ハワイへ行く芸能人たちの気持ちが少し分かった気がした...。ちょっと違うかもしれないが。