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白い粉の怖い夢

旦那さんの名前を叫びながら目が覚める。

夢だと気づき、ホッと胸を撫でおろした。

ああ、怖い夢をみてしまった。

夢の中では五感が現実よりも鋭くなっていて、匂いも音も色さえも、現実世界よりどぎつく感じる。

怖かった〜と部屋中を歩いてまわっていたので、文章化して落ち着こうと思い、パソコンを開いた。

恐怖から執筆するという陳腐な発想をどうか許して欲しい。

怖い夢をみると、現実じゃなくてよかったと心底ホッとするのと同時に、なぜあんなものを見たのだろうと分析したくなる。ネットで夢占いサイトを覗いたり、家族や夫や友人に話してみたり。

しかし、他人の夢の話というものは得てして興味が湧かないものだ。

これまで、周囲に恐ろしい夢の内容を臨場感たっぷりに語っても、「へえ怖いね」「でも夢だから大丈夫だよ」で片付けられていた。

無事に目が覚めて、生きているのだから、当たり前の反応である。しかし、あんなに怖かったのになぁと伝わらないことにモヤモヤしてしまう。

まるで、たった一人で魔物に会ったのに、村人の誰にも信じてもらえないような気持ちになるのだ。

今日の夢は、何かに追いかけられたり、得体のしれない何かが出るわけではなく、一言で言えば「日常に潜む恐怖?」系の悪夢だった。

わたしは洗濯をしようと「洗濯機のような白い箱」に洗い物を詰めていた。しかし、すぐさまこれは洗濯機じゃないと気づき、あわてて蓋を開けたのだ。

そうしたら、なぜか詰め込んだ服ではなくて、大量の白い粉が飛び出てきたのである。その様子はまるで、薄力粉が勢いよく襲ってくるようだった。

夢の中のわたしは「これ、まっきー逮捕のニュースを見たからじゃん...」と謎に納得しながらも、勢いよく散布された粉が鼻の中に入ってくる感覚に恐怖を覚えた。

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(「いらすとや」さんのフリー素材:白い粉)

白い粉を吸ったわたしはそのまま倒れ、遠くなっていく意識の中で、力なく旦那さんの名前を呼び、目が覚める。

見事なまでに謎な展開である。

だが、夢の中では本当に怖かった。

「悪夢は健康状態のバロメーター」というくらいだし、体調不良の時や現実世界で消化しきれていないことが、夢として現れることはある。

もしくは、現実世界で特に気に留めていなかったこと(今回の場合は白い粉=まっきーの逮捕)が出てくることもあるだろう。

まるで、頭の中に住む新進気鋭な劇団員たちが、わたしの記憶や感情をシナリオに、即席で舞台公演を行なっている気がするのだ。

「今日も突拍子のない話を作って、この女を驚かせてやろう。ウヒヒ・・」

散々語り尽くされたシナリオの続く映像業界で、彼らも創作活動に必死なのかもしれない。

そう思うと、なぜか恐怖が半減した。

今日の夢から得た教訓はただひとつ。

まっきーの歌や才能には何も罪がない。

だが、白い粉の使用はダメ絶対。ということである。



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Sayuri
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