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どうして人は、自分の体のことを先延ばしにするのだろう。
郵便受けを開けると大きな封筒が1通届いていた。
ため息が出そうになるのを抑えて、ゆっくりその封筒に手を伸ばした。
先日、受けた人間ドックの診断結果だ。
食卓の上にいったん封筒を伏せる。
封筒から距離を置き、それを横目に昼食をとる。
その1時間後、目を背けたくなる気持ちを抑えながら開封した。
結果はG判定。要精密検査
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何となく予測はできていたものの、色々なことが頭をよぎる。
健診を受けたのは10年ぶり。
私は、昔から健診を受けると何かしら異常が見つかるのだ。そのおかげで、大きな病気にはつながらず今に至るのだが、それが怖くて健診から逃げていた。 (今回は再検査の結果、特に異常は見つからなかった。)
自分を正当化できる理由を探した
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30代になってから、夫の会社から健診の案内が毎年届いていた。
「授乳中だから」
「子どもが小さいから」
「子どもを預けてまで受けなくても」
健診を受けない自分を正当化できるような理由を探していた。
本当に受診する余裕がないときもあったが、その後も受診するきっかけを見いだせずにいた。
だが、今回は家族からの勧めや、自分の体を見直したいという思いが強く、覚悟して受診した。
早期発見できたことはよかったが、同時に「知りたくなかった」と考えてしまう自分がいる。しかし、「もっと早く健診を受けていれば」ということにならないためにも定期的に健診を受けることは大切だと思う。
私のような子育て中の人にとっては、特にそう感じる。
何かしらの不調を感じていなければ、子育てや家のことで忙しい中、わざわざ健診を受けようと思えない。
会社勤めをしている場合や、何かしら健診を受けるための強制力が働いていないとどうしても後回しにしてしまいがちだ。
人には、自分のことを後回しにしてしまう性質がある
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「行動経済学」によると、人には「双曲割引」という考え方をする性質があるという。これは、目の前のことを過大評価し、将来のことを過少評価してしまう考え方。
例えば、
・運動する習慣がないと将来的に足腰が弱ってしまうかもしれない
・甘いものばかり食べていると糖尿病になってしまうかもしれない など
頭では分かっているつもりでも、将来のことを過小評価してしまい、どうしても好ましい行動を先延ばしにしてしまうのだ。
私の場合もそうだ。
今回は、再検査の結果、異常は見られなかったものの、将来的に自分を苦しめるものになったかもしれないのに、それでも「知りたくなかった」と感じてしまう。
何をするにも、自分の健康な心と体が資本
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私と同じように、「最後に健診を受けたのはいつだろう?」という方には、ぜひ健診を受けて欲しい。
自分の体のことだけは先延ばしにせず、いつまでも健康で毎日を楽しめる体でいたいものです。