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わたしのこと 10

こんにちは。望月さゆりです。

今までとこれからを見つめるために
私をもっと深く知ってもらうために

ライフストーリーを綴っています。


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10  いのちの叫び


インドネシアから日本へ帰国し、結婚。
横浜で暮らし始め、第一子を妊娠・出産した。

産後、知り合いがいない中でのはじめての子育てはわからないことだらけ。育児書やネットの情報に右往左往しながらも、結局は一つひとつ勘を信じてやっていくしかなかった。妊娠中の理想はどこへやら、いつも疲れて自分のことも家のこともぐちゃぐちゃだったけど、とにかく娘はかわいかった。


そんなある日、家でたまたまテレビをつけ流れてきた映画を観た。アフリカ出身の女性の実話をもとにした「デザート・フラワー」。そこで知った事実に私は衝撃を受けることとなる。

その村の女の子は5歳になると、伝統的な慣習により女性器の一部を切除されてしまう。大人への通過儀礼や結婚の条件とされることが多く、後遺症やトラウマは計り知れず、大出血や感染症で命を落とす子もいる。

今なお、アフリカ・中東・アジアを中心にこの慣習は続いていると知り愕然とした。「女の子だから」という理由で、児童婚が行われ教育を受ける権利が奪われていることにも。


映画では、アフリカの村から命懸けで逃げ出した少女がフランスへ渡り、紆余曲折を経てトップモデルになりこの問題を国際社会へ提起する姿を描いています。


私は、映画を観ながらどうしようもない憤りが湧いてきて、娘を抱いたまま立ち上がって慟哭した。喉が熱く、吠えるような感情がうねっていた。

うまれたままのいのちを傷つける行為が、たとえ伝統や宗教でも許されていいのか?
わけもわからぬまま傷つけられる、女の子の尊厳は守られるべきではないのか?

・・・どうして?いのちなのに!

それは、私自身が幼い頃から感じてきた「女の子だから」という視点や、被害にあったトラウマや、教員時代に日本や海外で出会った子どもたちのこと、そして命懸けでいのちを産み落とした生きものの叫びだった気がする。

今まで抱えてきた疑問や怒りのようなものが私を突き動かした。映画を見終わると、いても立ってもいられず、私にできることを調べはじめた。

そして、どの国に生まれ育っても、幼い頃から正しい知識や関係性を育む『性教育』が必要だと思い至った。

そこで、乳飲み子の娘とともに約一年かけて「子どもたちへ性教育を伝える」ための学びの場へ通った。

教員に復帰するまでに、私にできることを身につけて小学校で子どもたちに出会いたかった。

ライフストーリー11へと続きます。


望月さゆりです。

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