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母のエピソード①~3.11の後~

早速ですが、こんなことあったな~という

母のエピソードを、思い出しながらつらつら書いて行きたいと思います。

◇◇◇

東日本大震災が発生した後のエピソードです。

地震発生当日の停電及び計画停電はありましたが、実家は関東ですので、大きな影響はありませんでした。

しかし、エピソード当時は余震も続いており、連日ニュースで震災の状況が伝えられている中、実家は港近くに立地していたため、ただでさえ神経質な母はより一層不安な気持ちでピリピリと神経を尖らせていました。

◇◇◇

母の症状は365日ずっと続いているわけではありません。

精神科で処方されている薬を1日3回服用し、精神を安定させています。(所謂”精神安定剤”でしょうか)

そのため、通常であればちょっと神経質な普通のおばさんなのですが、何か心配事があって眠れなかったり、睡眠不足が続くと、妄想や幻聴などといった症状が出ておかしな行動をするのが母の傾向です。

(これは長年母と暮らしてきてようやく分かってきたことです)

◇◇◇

母は連日「関東も地震が来るのではないか」、「津波が来るのではないか」と不安が押し寄せたらしく、ほとんど寝付かなくなってきていました。

父も私も「これはそろそろ(症状が出そうで)まずいかも…」と思い、母に「早く寝たほうがいい」と声を掛け続けていましたが、遂に母は一睡もしなくなり、妄想が発症。

大声で「津波が来るわ!!!!!!」

と言いながら近所中のチャイムを鳴らし、近所の人々に来てもいない津波を知らせ、避難するよう注意を促しはじめました。

(近所の方には毎回母の奇行には大変申し訳なく思っていますが、近所の方はもう母が普通ではないことがわかっているため、適当に促してくれており、大変感謝しています。また、24時間母を監視していることは難しいのが現実です)

その日の夜中にも母は「津波が来る!!!!!!」と言って何も持たないまま家を飛び出して行ってしまい、

私は家におり、就寝していたのですが、母が飛び出した物音で目が覚め、寝巻きのまま急いで追いかけました。

きっと「津波が来たら山に登ろう」と連日考えていたのでしょう。

山の方向に向かって猛ダッシュで走っていきます。

私は「大丈夫だから!家に帰ろう!」と母を呼びながら追いかけました。

母はマ○コ・デラックスばりの90キロもある巨体でして、

普段は補助カートを押しながら歩くおばあちゃん達よりも歩くのが遅く、父から

「とっとと歩け!」

と怒鳴られているのですが、

この時はトロいデブの母がまともに走っている姿を初めてちゃんと見たので、

「あいつ走れるデブやったんや…」

と正直追いかけながらも内心笑いが止まりませんでした。(笑)

当時学生だった私も息が切れるほど真面目に追いかけなければならないくらい母の走りは速く、

また、母の何かと病気を理由に家事や動くことをサボるところが本当に嫌いなのですが、この時は母に対して

「やればできるやつやん!!!(笑)」

と感心さえしたのを覚えています。

そんなこんなでさすがの巨体の母も疲れたのか、途中で座りこみ、休憩をし始めたので、

追いついた私も再度「家に帰ろうよ」と言って連れて帰ろうとしましたが、

「津波が来るから○○ちゃん(私の名前)も逃げたほうがいい!」

と真顔で言われたため、あまりに本気で津波が来ると妄想している母に

「なんか無駄かも…」と脱力してしまい、

さすがに朝になったら帰ってくるだろうと思って私は母を置いて帰宅することにしました。

次の日、朝起きると母は帰宅していて、相変わらず家の中をうろうろしていましたが、後日気づいた時には症状が治まり、津波の心配をしなくなっていました。

◇◇◇

結局症状が治まった母に後に聞いたところによると、

・自分の奇行はすべて覚えている

・その時は本気でそう思って行動しているからしょうがない^^;

といった回答でした。

発症するきっかけはさまざまで、母の場合は主に大きな心配事や不安、睡眠時間を削るようなことがあったときに妄想や幻聴をする傾向があります。

ですが、症状の治まり方は未だに傾向がわからず、気づいたらだんだん寝るようになって通常に戻っていたという場合がほとんどです。

心配事や不安が徐々に薄れたから眠れるようになったのか?

病院に行って入院させてもらって治まることもあれば、強い薬を処方してもらって、家で飲んでいるうちに治まる場合もあります。

同じ病気の方でも発症のきっかけや治まり方はさまざまなのでしょうか?(いろいろな方に聞いてみたいです。^^;)

傾向がわかると家族も症状が発症しないように、また早く治まるようにサポートができるので、一番は心配事がないようにすることなのですが、母の病気についてもっと情報を集めていきたいと思います。

取り急ぎこのエピソードはこれで終わります。





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