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わたしの中の「エレファントカシマシ日比谷野外大音楽堂2020」~思い出して一気に書き綴ってみた~
2020年10月14日音楽文掲載文章です
単なる思い出しで(中聴き&アーカイブ共に)一気に書き綴った文章ですので、乱文にてお許しください。
2020年10月4日
日比谷野外大音楽堂
新春ライブ2020大阪初日ぶりのエレファントカシマシ2回目
野音は初
最後尾の1番席にて。
元々2600人弱キャパだから大阪フェスティバルホールと違い、思っていたより近かった。
時間が近づくにつれて、少しずつ静かになっていくような気がする。
緊張感が走る。
ドキドキする。
スモークが焚かれた。
いよいよだ。
あっけなくいちばんに宮本さんが登場。
黒いジャケット白シャツはズボンイン黒のスキニー姿でお髭は直前に剃った感じ。
皆が意識したか歓声はなく拍手で出迎える。
「こんにちは。よろしくお願いします。」
みたいな、ご挨拶をする律儀な宮本さん。
一曲目がたまらなかった。
『「序曲」夢のちまた』
「休止前夜」と同じオープニング、実は事前にわたしも何故かそれしか頭になくて、だからその想像通りに石くんがギターで前奏を鳴らしたので、ビックリ!
嬉しかった。
♪忘れるだろう
♪忘れるだろう
その声は、隣のビルに振動するかのように野音中に響き渡る。
野音だ。
これが野音なんだね。
体中に震えが走る。
心臓がバクバク。
初っ端からコレだから
以降、流れていく曲たちに
ワクワクさせられる。
『DEAR OR ALIVE』
なんか乗ってきたし、
そして、わたしが聴きたかった1曲が早速入ってきた。
♪ワンツースリーフォー!
『Easy Go』
♪そうさ俺にはやることがある
♪最高の未来この胸に抱きしめる
実は恥ずかしながら、わたしなりの振り付けがある
♪神様俺は今人生のどのあたり
♪そうLet's go
で、指を指したかったのでやる。
やった!
出来たー!
♪転んだらそのままで胸を張れ
と、胸を叩く。
やった!
出来たー!
夢中で全部は出来なかったけど、
嬉しい。
まだまだ始まったばかり!
♪ディーーンドーン!(『地元のダンナ』)
『デーデ』(ギター弾く)
「宮本浩次バースデイコンサートat作業場」を思い出す。
♪星の砂!星の砂!(と手をキラキラさせる)
『名も無き一夜』からの『無事なる男』
悲しき侘しき部屋での歌詞にはないがやはり火鉢を焚いていたか、ひとりで暮らす現実と世の中に沢山暮らしている所帯持ちの人々と流れが絶妙である。
♪働いた 疲れて寝た
♪働いた 疲れて寝た
♪何も無き夜 一夜のなぐさみに
♪机に身をよせて はなうたをうたっていた
♪うち過ぎる毎日を 暮らし行く男あり
♪毎日いそいそと仕事へ出かけ
♪休日には家族と 心からくつろいだ
しんみりと聴きながら、それから少しコミカルな懐かしいニューミュージック的なフレーズに体も少々リズムに乗る。
そして…
男椅子を取り出し、ちょこんと座った。
今年はしっかり着座で
男椅子3連発の始まりです。
♪お金を、お金を、お金を、お金をっ!
聴けば聴くほど進化していくみやじさんの声の『珍奇男』
今回は、基本(ってなんやねん?)に近かったかな。
「オッとっと」が、1回だけで、皆との演奏がメインバージョン。
新春ライブ2020では、どこまで「オッとっと」が続くか分からんかった。
新春ライブ2020でサプライズで聴けて、今度は連続で野音で生で聴けたなんてなんて幸せ者なんだ、わたし!
聴くたびにどんな『珍奇男』披露してくれるのか楽しみで仕方のない『珍奇男』よ、ありがとよっ!!
続いて、男椅子に着座のまま、
いつの日か野音で聴きたいと切に願っていたわたしの夢が初野音で叶うこととなる。
『晩秋の一夜』
オルガンの音と、虫の音コーラス隊と、野外大音楽堂とそして、最高アーティスト達のシチュエーション。
勢ぞろいだ。
みやじさんのやり切れない表情と、今にも号泣してしまいそうな声(実際そんな表情をしながらも宮本さんはいたって冷静で、周りの音やテンポを逐一振り返りチェックして歌っている。所謂「ちゃんとやる」姿勢。きっちりライブ中はふたつのアタマを持つ宮本浩次)が、たまらなく好きなのである。いちばん端の席で虫の音コーラス隊が一層聴こえてきて、端っこ席でよかったぁと思う最高の『晩秋の一夜』を聴かせてもらった。
出来ることなら、火鉢に手をかがしながら聴きたいものだ(絶対無理。配信なら可能か。いや、使い慣れていない。危険だからやめておこう)。
そして、野音では欠かせない、絶対に聴きたかったこの曲。
『月の夜』
愛用のアコギの音の調子がイマイチで、途中でやめてやり直し。
♪太陽照りし の手前でやめてのやり直し。
曲は中盤差し掛かっていたのにやり直す。
その集中力と決断力は毎度驚かされる(新春ライブ2019の『珍奇男』ギタートラブルによる歌い直しを観て。)。
そんな時の集中力と決断力をわたしは日頃からあやかりたくなる。
それにしても、『月の夜』はアルバム「生活」の合宿であまりにも月が綺麗で書き上げたと聞いているが、その歌詞はかつてこの状況と似た経験をした人は、歌詞の辛さや叫びを手にとるように共有し涙するだろう。
♪月の夜よ
♪月の夜よ
♪一夜の歌を やさしき詩(うた)を
♪暗黒の夜にひびかしむ
♪はかなき光で
♪さよなら
♪さよなら今日を
♪ああ
♪皆が眠りし月の夜に
♪も少し遊ぼうか
悲しげな表情で目をつぶり
みやじさんの目から今にも涙がこぼれそう
寂しげな歌詞にわたしは涙が溢れる
ポロンと流れるギターの4小節
♪太陽照りしー真昼には
♪俺に 俺にぃーいいぃくるえや働けや
♪強き光もて俺をあざ笑う
舞台の照明が全光されて徐々に暗転していくいつもの演出。
ここのみやじさんの表情は実に驚異的。
背中が震える。
♪人の働く真昼には
♪俺は家にて寝て暮らしている
怒りを超え、嘆きを超え
やり場のない
答えの見いだせない
♪月の夜よ
♪月の夜よ
♪今日も我と遊ぼうか
♪弱くやさしき光もて
♪我をつつみたまえ
現実を見てそして月の光へと少し現実から目を逸らして月と遊ぶ我を
しかし、少しでも照らされてくれと
弱く願う…
短いけど渾身の一曲を
こころして聴く
普段なら一緒に口ずさむのに
ひとつひとつのギターの音に演奏に
宮本さんの声を一瞬も聴き漏らさないように
しづかに聴いていた
働けず辛く何も出来ずに自暴自棄になりかけたかつての日を思い起こすように
ひとつひとつひとつひとつを最後尾の端っこで丁寧に噛み締めた『月の夜』であった。
ここからは1部終了までライブでは馴染みのある曲たちが続く
その中で、またまた新春ライブ2020で聴きたくて聴きたくてたまらなかったあの曲が。
♪暮(くっ)れゆく街のざわめきの中に立って
出たーっ!『RAINBOW』来たよ!
ただでさえハイペースな曲なのにライブでは超ハイスピードで一気に繰り広げられる。
どこがいちばん見たかったかって、ラストです。ラスト。
♪それが俺さー
♪嘘じゃないさーあぁぁっ!
ここです。みやじさんのシルエットとドヤ顔
観たかったの観たかったの!
観たかったの!
観られた。
嬉しい!
次の『ガストロンジャー』
新春ライブ2020のときは実のところあまり宮本さんの声が聴こえなかった。けども今回はよく聴こえた。
やっと聴けたエレファントカシマシの『ガストロンジャー』
ここでこの野音の見せ場のひとつだろう。
男椅子を取り出して上に乗った。
左脚を背もたれの上にかけて
宮本さんの御御足の長さがより際立つ
やっぱ男椅子はエレファントカシマシの5人目のメンバーよ。
1部のラストは御馴染みの『俺たちの明日』
今年はテレビで何度と聴いたか。
エレファントカシマシを代表する応援歌、
拳を高く高く上げてみんなで一体になり、
1部は終了。
宮本さん、律儀に言う。
「いったん引っ込みますけど、また出てきます。」と。
ここからは2部へ
エヌハリの白シャツで裾はアウトで宮本さん登場。
モノは違うけど、白シャツ裾アウトとスキニー出で立ちのわたしは、袖のボタンを外して一応オソロにした(自己満足)。
2部最初は『ハナウタ~遠い昔からの物語~』
1部の『名も無き一夜』の「はなうた」と、つながりがあったのだろうか。
お次の『今宵の月のように』
が、終わってブーツを履き替えるサービス?を
4cmのロンドンブーツ(魔法のブーツ)ね。
かかとを上げて歌うくせがあるから、ツルんですって。うん、そりゃそうだ。
で、3cmの普通のブーツにお履き替え。
もう既に足が長いから、意識しなくてもいいのにね(笑)
けども、わかる。わたしもスキニーではヒール高めのブーツを履きます(この間測ってみたら6㎝だった。)。
そう、宮本さんの靴下は白でしたね。
まさか履き替えるとは想定していなかったでしょうし。
穴があいていなくてよかったね。
それから、後半はEPIC期のガチガチの男の曲に雁字搦にされるんですが、その前に。
『友達がいるのさ』
わたしは初めて聴いたときはあまりこころに響かなかったが、新春ライブ2020のアンコールで、
♪暮れゆく街を(『RAINBOW』)を期待してたけれど、
♪おい、東京中の電気を消して が聴こえて一瞬ガッカリ。しかし、徐々に本当にジワりだした。
♪鞄に詰めこんで
♪五感に詰めこんで
♪明日も明後日も
所々にわたしにとっては、印象深い歌詞が詰め込まれいて、次の日、その次の日一週間後10日後とじわじわじわじわやってくるので不思議である。
もちろん、野音でもそれはジワりジワりとやって来ました。
そして、みやじさんが発信するメッセージ、「前にも後ろにも斜めにも何だっていい。立ち止まらずに進もう。」
後ろ向きとはそんな時だってあるのさ。いいんだよ。また前へ進めばいいんだ。みんなで行こうぜ!
行くぜーーー!
不思議な不思議な隠された応援の曲。
アンコールに多いのもわかるようになった。
『かけだす男』は男シリーズにしては、ガチガチな男ではないメロディだし、「おまえ」という女性の存在?を感じるけれども、何故に『かけだす男』と曲名をつけたのかわたしはまだ解明出来ていないけど一時期、すっごくハマった曲。
(新春ライブ2019で初めて聴く。)
おっ!来たのねと思ったけど、後で過去のセトリを見て野音では結構歌ってることを知った。
『so many people』はとにかく盛り上がる。
♪高速道路 朝日をあびて が好き
そうして、男椅子再び、
聴こえてきたのは、『男は行く』
ここで聴くとはちと、思わなかったけど、やはり今の宮本さんの声で聴ける幸せよ。
深みが増して耳に入りやすく多分、鼻に引っかかる発音なんだろうか。宮本さんが進化している。声の変化はタバコを辞めたことが一番だと誰もが思っているだろう。
♪俺はお前に負けないが
♪お前も俺に負けるなよ
50代の宮本さんから受ける背中からのメッセージ。『男は行く』も進化している。
そうして、石くんが鳴らしたギターのコードは
『ファイティングマン』
あ、終わっちゃう…。終わっちゃう…。
あぁ終わったよ。拍手しながら終わりを実感しながら、みんなでぺこりと挨拶するかと思ったら、「ワン、トゥー…」
え!?なになに?
『星の降るような夜に』
こちらも野音ではテッパン曲ですね。
でも、『ファイティングマン』の後に来るとは。
♪互い肩でも組んで
その後のハグの予感させる歌詞。また、みんなで行こうよって手招きをされているようだ。
なんということだ!
この1行にやられてしまった。
そうして、本当にラストは
バンドバージョン『風に吹かれて』
新春ライブ2020の再来。
♪さよならさ~
♪今日の日よ~
手を左に右に
宮本さんも、みんなも手を振る
最後の一体感を感じて
2部終了。
「ソーシャルディスタンス」と、言いながらみんなと一人一人あえてのハグ。
嬉しかったけれど、正直ヒヤリともする。
もちろん、中組も配信組(想像)もアンコールの手拍子の中、黒いシャツに着替えて、男椅子にちょこんと座るみやじさん。
そうしていきなり繰り広げられたその曲は
『待つ男』
待ってました!
これは聴きたかった。またまた50代の凄みに圧倒する。
30曲近く全力で歌って3時間近くやってるのに声の迫力はもうライブは終わりなのに絶好調のご様子。今までのは「発声練習だったのよ。」と言いたげなくらい、いやいやまだまだ行けますやん。てか。
凄いですわ。横山健さんが「化け物」と、言われたのが大納得いたしました。
そして本当にあっけなく舞台袖に捌けていかれました。
その後、分散退出で後ろ1列ずつ誘導されながら日比谷野外大音楽堂を後にしていき、この日は夢のように過ぎていった。