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漁業を知るマガジン

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漁業とは無縁の人生を送ってきた筆者が地方移住を機に瀬戸内エリアで頑張る漁師や漁業関係者の仕事、地域での活動を取材。漁師の仕事に興味がある人、地域ブランドづくりや地域活性を考える人…
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#地方移住

漁師さんと底曳き網漁へ【小豆島の漁業レポ】

小豆島へ移住して1年半。地域おこし協力隊の漁業振興活動の一環として、小豆島の地魚ブランドでもある「小豆島島鱧」が漁れる底曳き網漁に連れて行っていただいた。 東京で生まれ育った私が魚を目にするのは、街のスーパーや商店街の魚屋さんが主な場所だった。伯父は私が幼い頃に寿司屋を営んでいたし、亡くなった祖父は釣り好きだったので、魚の漁れる場面に全く縁がないわけではなかったが、都会に住んでいた私にとっては店頭や食卓に並ぶ海産物と漁の様子が正直なところあまりリンクしないまま大人になった気

小豆島・漁師兄弟とタコ縄漁へ!【小豆島の漁業レポ】

通年、旬の食材が豊富な小豆島。 この島では、毎年夏の時期になると、タコ飯やタコの天ぷらなど、食卓にタコ料理が並ぶご家庭が多いという。 これまでもnoteで何度も登場している「小豆島のお父さん・お母さん」こと、我が家の大家さんご夫妻も、この取材の前々日に「タコ飯、炊いたから食べる〜?」と、その日に仕入れたタコで作ったという炊きたてのタコ飯をおすそわけしてくださった。 こうした日常からも、タコがこの時期の島の風物詩であることがよくわかる。 瀬戸内海周辺エリアは漁業が盛ん!瀬戸

「魚礁」で海の環境を育てたい!瀬戸内海の漁師さんとタコの放流【小豆島の漁業レポ】

約7年の海外生活を経てコロナ禍真っ只中の2020年末に”一時帰国”の予定で帰国後、偶然のご縁が次々と繋がり、昨夏、地元東京から瀬戸内海の離島「小豆島」へ移住した私。 移住の大きなきっかけとなったのは、総務省の「地域おこし協力隊」という取り組み。 映画「二十四の瞳」「八日目の蝉」で有名な”オリーブの島”小豆島、瀬戸内国際芸術祭で人気の豊島を含む、香川県の土庄町という小さな町の自治体で、私は自身の活動と並行しながら「地域おこし協力隊」として漁業振興に携わっている。 今回の記

都市部と地方を繋いだオンライン食育イベントで試した7つの試み

今回は、この夏に瀬戸内海で淡路島の次に大きな離島、小豆島にある小さな町土庄町へ東京から移住してきた私が、地域おこし協力隊としての最初の仕事として企画提案から携わらせていただいた漁業振興のための親子向けオンライン食育イベントの仕掛けと、その裏話について、イベントのご報告も兼ねて綴っていく。 この記事でシェアすることは、地方自治体だけでなく様々な分野で応用できるアイデアも含まれていると私は思っている。この時期、イベント企画や施策立案に携わられている方の苦労は計り知れない。そんな

「食育」とは?大人と子どもに知ってほしい食卓の向こう側のストーリー

「東京の魚は、やっぱり魚臭いなぁって思うねん。やっぱり一度お湯くぐさないと気になってしまってね。地元の魚はこんなに臭わんのよ。」 その昔、和歌山の海沿いの町で育った大学時代の親友がキッチンに立ってスーパーで買ってきた魚を片手にそう言った。”生粋の江戸っ子”である私は、一体この人は何を言っているんだろう?と首を傾げた。 「魚なんだから、魚臭いのは当然でしょうよ?(笑)」 小豆島へ移住して3ヶ月。 こちらで魚を食べて、「ああ、なるほどな。」と、あれから十数年が経った今、その