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心優しい人はそこら中にいた

少し前のこと。

仕事終わり、自宅最寄り駅の改札機のところで酔った人が転んで倒れていた。どこからか血が出ていてお煎餅くらいの大きさに丸く血が溜まっていた。

駅員さんが一人で対応していたので、お手伝いすることがあるか聞き、救急車が来るまで、おばさんはそばにいることにした。一人で対応していたら手が回らないことがあるかもしれないなと思ったから。

酔ったその人は改札機に頭を打ち、手から出血してた。

ひどく酔っていて、こんなやつ死ねばいいんですーと、大声で繰り返し叫び泣いていた。何かがあって、飲みすぎてしまったようでした。

駅員さんは、声をかけながら動かないで下さいと指示しながら、救急箱を持ってきてガーゼを出して、手袋をはめ、止血し、テキパキ処置を進めながら、背中をさすり、

そんなこと言っちゃいけません!

と優しく声をかけているのだ。

救急車を一緒に待つ間にも電車は到着し、乗客は降りてくる。ちらっと見て通り過ぎる人、なにもないかのように通り過ぎる人、大丈夫ですか?と声をかけてくれる人、と様々でした。

何人かの人は、少し遠くから見守ってくれているようにもみえました。

こういうときは、時間が経つのが遅く感じます。やっと救急車が来たのでその場を離れました。少し歩くとさきほど声をかけてくれた方が待っていてくれました。大変でしたね。お疲れ様でしたと声を掛け合いました。駅員さんはただそこにいただけの私に、御礼の言葉をかけてくださり、後ほど鉄道会社からお礼の電話まで頂いたのです。

この世の中も捨てたもんじゃないな、心が温かくなった一時でした。

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