意図せぬ国際化:90年代風イラストが教えてくれた海外市場の可能性
こんにちは、イラストレーターのさゆ吉(@tomo_king1101)です。
今回は、思いがけない形で起こった「ちょっとした国際化」の経験と、
そこから感じたことを書こうと思います。
はじめに
「え?なんで外国人さんばっかりフォローしてくれるの?」
これが、私が男の子イラストをXに投稿し始めてから数ヶ月後に感じた率直な感想です。それまでは子育てや日常のこと、仕事イラストなど投稿していたのですが同業者(イラストレーター)からの反応のみで特に海外からの反応はありませんでした。
ある時「イラストレーターを名乗ってるんだから、仕事絵だけではなくもっと自分の好きな絵を描いて自由に投稿してみよう!」と思ったのが始まりです。私は子どもの頃からアニメが大好きで、特に男の子を描くのが得意だったので投稿するイラストもそればかりになっていました。
そんな中、日本のノスタルジーを込めて描いていた可愛い男の子たちが、
思いがけず海外の方々の目に留まり、ちょっとした反響を呼んでいるようなんです。
それまで微動だにしなかったXのフォロワー数も、少しずつですが
増え始めました。
90年代風の可愛い男の子イラストとの出会い
私が90年代風の可愛い男の子イラストを描き始めたきっかけは、
単純な懐かしさと個人的な好みからでした。
ポップな色使い、大きな瞳、ふわふわの髪、そしてどこか温かみのある線。これらの要素を組み合わせて、自分の記憶と理想の中にある「90年代の可愛い男の子」を表現しようと試みました。
最初は純粋に自己満足のための創作でした。
一般の方には信じられないかもしれませんが、仕事絵を描く息抜きに
創作絵を描く。絵師あるあるですよね(笑)
日本の同世代の人々が「あ、懐かしい!」と感じてくれたら、あるいは可愛い男の子好きの方に喜んでもらえたら嬉しいな、くらいの気持ちで描いていました。
予想外の国際的反応
変化は、Xに投稿したイラストへの反応から始まりました。日本語で投稿しているにもかかわらず、圧倒的に海外の方からのいいねやRPが多いのです。
外国で日本アニメが人気なのは知っていました。私の絵柄がアニメっぽいのがウケているのかな?それとも、可愛い男の子が人気なのかな?
色々知りたいことはありましたが、私から話しかけることはありませんでした。そう、私は英語ができないのです・・・
そんな中、AIの急速な普及と進化に気づきました。特に翻訳の精度が飛躍的に向上していることに注目しました。「これだ!」と思いついたのです。
AIの力を借りれば、言葉の壁を越えてコミュニケーションを取れるかもしれない。さらに、静止画のイラストよりも動画の方が注目を集めやすいのではないか。そこで、「英語版自己PR動画をAIで作成し、外国人の方とコミュニケーションを取ってみよう」と考えました。
AIを活用して作成した英語版の自己PR動画を投稿したところ、予想以上の反響がありました。
↓その時の記事↓
すると、たくさんのコメントをいただけてそのうちの一人のフォロワーさんからはご依頼をいただけました(その時のお話はまた別の機会に)
そして、いつの間にかフォロワーさんの半数以上が外国人の方になっていたんです。逆に日本人からのフォロー率が少ないので、私の絵は日本人にはウケが悪いのかな?やはり、可愛い女の子の方が好まれるのかな?と思ったりも。
海外からの反響で気づいたこと
この予想外の反響は、私にいくつかの気づきをもたらしました:
可愛い男の子の魅力は世界共通?: 「可愛い」という感覚や、男の子キャラクターへの愛着は、意外と国を越えて共有できるものかもしれない。
90年代アニメスタイルへの郷愁: 90年代の日本アニメ風の絵柄が、海外でも一定の人気とノスタルジーを呼んでいるらしい。
イラストは世界共通語?: 言葉が通じなくても、可愛い男の子のイラストを通じて感情が伝わっているみたい。
思わぬところにファンがいるかも: ローカルで特殊だと思っていた「90年代風の可愛い男の子」趣味が、実は世界中にファンがいる可能性。
ちょっとしたチャンス?
この経験は、私のクリエイターとしての視野を少し広げてくれました。
DMでも何度か「Do you accept commissions for cute boy characters?(可愛い男の子キャラクターのコミッションは受け付けていますか?)」という問い合わせも来るようになりました。まだ正式な依頼は2件ほどですが、これって何かのチャンスなのかな?と思い始めています。
今後の展望
この小さな「国際化」経験から、私の仕事に対する考え方が少し変わりました。以前はどうやって日本の企業から仕事をもらえるかばかり考えていましたが、今では海外の方の目線も少し意識するようになりました。イラストレーター戦国時代とも言えるこの世の中、収入の柱になる可能性のある道はいくらあっても良いですからね!
今後は、90年代風の可愛い男の子イラストを通じて、日本的な「カワイイ」文化の魅力を少しずつ世界に発信していけたらいいなと思っています。同時に、海外のファンの方々との交流を深めて、新たなインスピレーションを得ていきたいです。この予期せぬ国際的な反響を、クリエイターとしての成長と新たな可能性の扉を開く機会として捉え、挑戦を続けていこうと思います。
まとめ:小さな可能性を大切に
この「ちょっとした国際化」の経験から、私が他のクリエイターの皆さんに伝えたいのは、自分の作品の可能性を決して過小評価しないでほしいということです。あなたが楽しんで描いているキャラクターが、思いもよらない場所で誰かの心に響くかもしれません。
SNSが発達した今の時代、個人クリエイターでも世界中の人々とつながるチャンスがあります。自分の好きなものを大切にしながら、ちょっとだけ世界を意識してみる。そんな小さな一歩から、新しい可能性が開けるかもしれません。
ここまでお読みくださりありがとうございました。
さゆ吉
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