2030年までの日記
「満月、世界」という映画を観て
ずっと書こう書こうと思っていた日記を書き始めた。
満月や秋の年頃の私は、
テスト用紙の裏に詩のはじまりのはじまりのような言葉の羅列を書きつけたり、
当時ナインティナインのオールナイトニッポンを熱心に聞いていたので妄想を深め煮詰め、
自分が歌手として(なぜかお笑い芸人のガチガチに下ネタ満載な深夜ラジオに)ゲストで出演するという体で会話をこれはひっそりノートに書いたり、
何とも言えない気持ちと折り合いをつけていた。
やっぱり絶望をしていたのだな。
満月のように踊る勇気や潔さや強さや、
秋のように世界に対する自分だけの言葉も持っていなかった。
大人になって色々なことがものすごく楽になった。
嫌な場所からは逃げていいし、嫌な奴からも逃げていいし、自分の機嫌を自分で取れる自由があると知っている。
あんなに不安定で、自由なはずのに身動きがとれなくて、時間を分断されている時代には絶対にもう戻れない。
塚田万理奈 監督の次の映画「刻」の完成が2030年とエンドロールでみて、
とりあえず2030年までの日記を書こうと思った。
私がいまからこれからどこへいくのか、遠くにいくのか、いけないのか、いかないのか、何を思うのか、夢見るのか。
それだけの日記です。