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華やかさを求める母親

わたしは松田聖子さんが嫌いではない。
むしろ歌声が綺麗でいつまでも可愛くて良いと思っている。
子供の頃、彼女の歌をたくさん聴いて育ったので
いまでも口ずさんでいる。

だけどいつだったか
ずーっと前に彼女がなにかのインタビューのとき
「娘を産んで良かった。だって私のことを一番理解してくれるから」
という発言を聞いたことがあり
その発言にだけは嫌な印象を持ってしまった。

とっさにこの発言が出てくるあたり
ああやっぱりこの人は、いつも自分がもっとも輝いていて
華やかで、一番の主人公なのよ♬、そんな女性なんだと感じた。

もちろんそうであるからこそ
彼女が第一線でずっと走り続けているのだと思う。
その実力も努力のたまものなのだと思う。
聖子さんほど長く活躍しているシンガーだから
そのくらいの自己肯定感や自信があって当たり前だと思う。

だけどあの発言を聞いて
わたしのmamaタイプだなと思った。
わたしのmamaは
いつだって自分が主人公じゃないと気に入らない。

mamaは、人が数名集まると
大きな明るい綺麗な声で場を盛り上げつつ
自分の自慢をさりげなく盛り込む。
子供をこき下ろして笑いを取ることも忘れない。

mamaは
自分の顔が美人であることを他人に褒められた話を
何回も何回もする。

学生時代に先生から絶大な信頼を得ていた話を
何回も何回もする。

いつだって自分がトップクラスの華やかさを持ち
自分がグループの中心だったことにこだわる。

わたしが結婚したときの、こんなエピソードがある。
わたしの結婚式で
わたしに対してmamaが言ったことばが忘れられない。

わたしはみんなに祝福されて
結婚式に招待したわたしの友人や同僚に
ニコニコ笑顔で挨拶をした。

そのあとmamaがわたしのところへ駆け寄ってきて
「笑顔が駄目だから笑うな」と言った。

思いっきり笑うと頬が上がる分
目が細くなってしまって台無しになるから笑うなと言った。

友人が来たら自然に笑顔が出るのに
それも許されないのかな。

mamaは娘が心から楽しむ笑顔よりも
みてくれを少しでも良くして
少しでも娘の花嫁姿で
mama自身が周囲の賞賛をあびたかったのです。

その時のわたしは
自分の結婚式でも満面の笑みになることを許されず
mamaの思い通りに動かされようと命令される情けない大人だった。

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